目次
戸棚や物置を掃除していたら、昔購入した焼酎が出てきた!まだ飲めるか確認するためボトルのラベルを見ても、賞味期限や消費期限がどこにも載っていない……そんな経験はありませんか?
果たして焼酎に賞味期限や消費期限はあるのでしょうか。また、10年間未開封の焼酎はおいしく飲めるでしょうか。実際にチェックしていきましょう。
はじめにおさらい! 賞味期限と消費期限の違いは?
はじめに「賞味期限」と「消費期限」の違いについておさらいしておきましょう。
農林水産省のホームページによると、賞味期限は「袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合、表示されている「年月日」まで、品質が変わらずおいしく食べたり飲んだりできる期限」のことを指します。
通常は年月日で表示されますが、作ってから3か月以上もつものは年月のみ表示されています。
また、消費期限とは袋や容器を開けないまま、書かれている保存方法にしたがって保存していた場合、表示されている年月日まで、安全に食べたり飲んだりできる期限を指します。
消費期限はお弁当やサンドイッチ、生麺やケーキなど比較的傷みやすい食品に表示されています。
【参照】農林水産省 消費期限と賞味期限
焼酎に賞味期限はある?
では、さつま白波や黒霧島、魔王や森伊蔵といったおなじみの焼酎に賞味期限はあるのでしょうか。
お酒には賞味期限や消費期限の表示義務がない
ここで国税庁酒税課の資料を確認してみましょう。
【参照】国税庁 食品表示法の概要
資料の9ページ目「一般用加工食品(酒類)の表示」の欄にある「消費期限又は賞味期限」を確認すると、「酒類は省略可能」と記載されています。つまり焼酎をはじめとするアルコール飲料には賞味期限はもちろん、消費期限の表示義務がないのです。
しかし、『省略可能』といっても、“焼酎に賞味期限そのものがあるのか”、という疑問は解決しません。果たして、焼酎に賞味期限はあるのでしょうか。
焼酎に賞味期限はない! だけど保存方法によっては……
結論から先にお伝えすると、焼酎に賞味期限や消費期限は“基本的”にありません。
焼酎をはじめとするウイスキーやブランデーなどの蒸留酒は、未開封のままであれば、日数が経過しても傷んだり腐ったりすることはないのです。
ただし、高温や直射日光に当たる場所で保管すると、品質劣化の原因になります。保存する際はできるだけ涼しい場所へ保管しましょう。
【参照】薩摩酒造 よくあるご質問
なぜ焼酎に賞味期限はないの?劣化はしない?
なぜ、焼酎に賞味期限はないのでしょうか。
その理由はアルコールと腐敗などの原因となる雑菌との関係にあります。食品に賞味期限が定められている主な理由として、日数が経過するに連れて、食品の中で不要な菌が繁殖することがあげられます。
しかし、焼酎など高濃度のアルコールの中では雑菌などの活動は容易ではありません。そのため賞味期限や消費期限は定められていないのです。
開封後の焼酎に賞味期限はある?
特に期限などは定められていませんが、開封後の焼酎は香りが飛びやすくなっているため、早めに飲むことが推奨されています。おいしく焼酎を飲みたいという方は、開封後は早めに飲みましょう。
焼酎のラベルに書いてある年月日は何?
焼酎には賞味期限や消費期限の表示義務がないことがわかりました。しかし、ラベルをチェックしてみると、年月日を表す数字が表示されているケースがあります。
こちらの年月日は、賞味期限や消費期限ではなく、瓶詰めした年月日を記したものになります。
10年間未開封の焼酎……賞味期限は大丈夫?
ご説明したとおり、焼酎のようなアルコール濃度の高い場所では菌が生息できないため、10年間未開封でも保存状態が良ければ、おいしく飲めるはずです。
ただし、保存状態によっては品質が劣化している可能性などもあります。詳しく知りたい方は各酒造に問い合わせて聞いてみるのも良いでしょう。
※データは2024年5月時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/髙見沢 洸