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お正月の祝い酒「お屠蘇」の由来と飲み方

2021.12.26

新年を迎える元日や、結婚のお祝いに、お酒を飲む・送る文化を「祝い酒」と呼びます。その中でも、元旦の朝に飲むとされている「お屠蘇(おとそ)」というお酒をご存じでしょうか。

邪気を払い、1年を健康に過ごすためのおめでたいお酒。これまでお屠蘇を飲んでこなかったという人も、これを機に1年に1度の習慣を作ってみてはいかがでしょうか。

お正月に飲む祝い酒「お屠蘇」ってなに?

まずはお屠蘇について理解を深めていきましょう。

お屠蘇とは、お酒やみりんで生薬を漬け込んだ薬草酒の一種で、延命長寿を祝って飲まれます。お屠蘇には山椒・防風・白朮(びゃくじゅつ)・桔梗・桂皮などを砕いた「屠蘇散」を入れます。

「屠蘇散」は、正式には「屠蘇延命散」といい、多くて10種類ほどの生薬が調合されているとのこと。一般的に市販されている屠蘇散には、5・6種類の生薬が配合されているようです。

「お屠蘇」の漢字にも、当然意味があります。「屠」は「屠る(ほふる)」、「蘇」は「病をもたらす鬼」という意味があり、鬼を退治するという願いが込められています。

また、「屠」は「邪気を払う」、「蘇」は「魂を目覚め蘇らせる」という意味にとるなど、解釈の仕方は複数あるようです。

いずれの語源であっても、お屠蘇は邪気を払い、無病息災を祈りながら、心身ともに改まろうという願いを込めていただく祝い酒ということですね。

お正月に飲む祝い酒「お屠蘇」の起源は?

諸説ありますが、お屠蘇の習慣は中国で始まったといわれているようです。三国時代の魏の名医が考案したという説や、唐代に仙人が考案したともいわれています。

日本には平安時代に伝わり、嵯峨天皇のころに宮内の正月行事としてはじめられ、江戸時代には一般に広まったとされています。

お正月に飲む祝い酒「お屠蘇」の作法は?

お屠蘇を飲む際の礼儀作法は、地域や家庭によっても違いがあるようですが、伝統的な作法は下記の通りです。

「お屠蘇」の準備

大晦日の晩に、三角形に縫った赤い絹の布に屠蘇散を入れ、井戸の内側に吊るします。一晩吊り下げられた屠蘇散を、元旦の早朝に取り出し、お酒・みりんに浸します。

実際に屠蘇散を井戸に吊るすといった作業は、現代では難しいので、早朝に屠蘇散をお酒やみりんに浸すところから始めると良いでしょう。

「お屠蘇」を飲む

元旦の朝、「若水」といわれる、元旦の早朝に汲んだ水で身体を清め、初日や神棚、仏壇などを拝んだ後に、家族そろって新年のあいさつをします。この後、おせち料理やお雑煮を食べる前にお屠蘇を飲みます。

忠実に再現するのであれば、早朝にお風呂に入るなど身体を清める必要があるのかもしれません。

お屠蘇を入れておく酒器には、朱塗りまたは白銀や錫などのお銚子と、朱塗りの三段重ねの盃を用いると良いとされています。

お屠蘇を飲む際には、一家そろって東の方角を向きます。また、若者の精気を年長者に渡すという意味合いを込めて、年少者から年長者へと順番に杯を進めていきます。

飲むときには「一人これを飲めば一家くるしみなく、一家これを飲めば一里病なし」と唱えるのが伝統のようです。

「お屠蘇」を飲んだ後

お屠蘇は、元旦の朝に家族だけで飲んで終わらせる必要はないとのこと。正月三が日の来客には、お屠蘇を勧めて新年のお祝いのあいさつをするのが礼儀とされているようです。

これも現代では倣うことが難しいのですが、松の内が過ぎたら、袋の中の薬滓を井戸の中に投げ入れるのが伝統。この井戸水を飲めば、一代の間無病でいられるとされているようです。

言葉の意味/デジタル大辞泉 

※データは2021年12月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。

文/佐藤文彦

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