関西には多くの初詣スポットがあるため、かなえたい願いに合う神社やお寺を選ぶことが大切です。定番の初詣スポットのほか、ドライブや観光を楽しみながら足を運べるスポットを紹介します。スムーズに参拝できるように、マナーについても確認しましょう。
初詣のマナー
参拝方法がよく分からず、いつも見よう見まねで済ませている人もいるのではないでしょうか?正しいマナーで初詣をし、1年を気持ち良くスタートさせましょう。
参拝前には身を清める
神社やお寺に着いたら、すぐに本殿に向かうのではなく、まず『手水舎(てみずや、ちょうずや)』で身を清めます。以下のやり方に従って身を清めましょう。
- 右手でひしゃくを持ち、左手に水をかける
- 左手にひしゃくを持ち替え、右手に水をかける
- 右手にひしゃくを持ち替え、左の手のひらに少量の水をのせ、口に含み口をすすぐ
- 左手に水をかけ、ひしゃくを立てるようにし、残りの水を柄に流す
- ひしゃくを元の場所に戻す
口をすすぐときは、静かに軽くすすぐようにしましょう。直接ひしゃくに口を付けないのもマナーです。
鳥居・山門をくぐるときは「一礼」
鳥居・山門をくぐることは、神様や仏様がいらっしゃる場所に足を踏み入れるということです。そのため、くぐる前に身だしなみを整え、一礼しましょう。
鳥居・山門をくぐるとき、女性は右足から男性は左足から踏み入れるのがマナーとされています(諸説ありますので事前に社務所などに確認するとなお安心です)。なお、くぐる際は真ん中は避けましょう。
また、お寺などで山門をくぐる際、足元に一段高くなっている敷居がある場合は、踏みつけずにまたぐのが正しいマナーです。帰りに鳥居・山門をくぐって出た後も、一礼しましょう。
参道は真ん中を避けて歩く
参道の真ん中は神様や仏様の通り道とされているため避けて歩くようにするのがマナーです。三が日など訪れる人が多いときは難しいかもしれませんが、できるだけ端を歩くようにしましょう。
参道から外れた左右の場所に玉砂利が敷いてある場合は、その上を歩いても問題ありません。玉砂利を踏んだときのジャッジャッという音には『穢れをはらい、身を清める』効果があるとされているため、身を清めながら初詣をしたい人にもよいでしょう。
また、参道の中央を横切るときは神様や仏様がいらっしゃる方に向かって一礼した後に横切るようにしたり、軽く頭を下げながら横切るようにしたりして、敬意を示すこともマナーとされています。
関西のおすすめ初詣スポット3選
毎年多くの人が初詣に訪れる、定番のおすすめ初詣スポットを紹介します。歴史・由来などについても触れるので、理解を深めて参拝しましょう。
住吉大社(大阪市)
『住吉大社』は、211年創建と伝わる長い歴史のある神社で、全国に約2300社ある住吉神社の総本社です。住吉大社には、『みそぎはらえ』の際に海中より現れたとされる三神や、『神功皇后』などがまつられています。
見どころの一つは、長さ約20mで最大傾斜が約48度の『反橋(そりはし)』です。豊臣秀頼の成長祈願のために奉納された橋で、渡るだけでおはらいになるといわれています。
また、願い事がかなうとされる『五所御前(ごしょごぜん)』も人気です。『五』『大』『力』と書かれた石を拾い集めると、知力・体力・財力・福力・寿力を授かることができ、願いがかなうといわれています。
境内には国宝や重要文化財に指定されている建築物や文化財もあるので、参拝の後にゆっくり見て回るのもよいでしょう。
露天神社(大阪市)
『露天神社』は、近松門左衛門が当神社境内で実際に起こった心中事件を題材に書いた人形浄瑠璃『曽根崎心中』のヒロインの名前にちなんで、『お初天神』と呼ばれている有名な神社です。
学者や政治家として活躍した『菅原道真(すがわらのみちざね)』がまつられているため、学業成就・合格祈願を願って訪れる人が後を絶ちません。
ほかにも、医学や薬学の神様である『少彦名大神(すくなひこなのおおかみ)』がまつられていることから病気平癒のご利益が、また『曽根崎心中』にて描かれた恋愛模様にちなんで、恋愛成就や縁結びのご利益もあるといわれています。
境内には『神牛舎』があり、『病んでいる箇所と神牛様を交互にさすると病が癒える』といわれているので試してみましょう。
平安神宮(京都市)
『平安神宮』は、1895年に平安遷都1100年を記念して創建されました。日本の発展に努められ、平安京に遷都した『桓武天皇』と平安京最後の天皇『孝明天皇』がまつられており、開運・商売繁盛・学業成就・縁結びなどのご利益があるとされています。
平安神宮は、中国伝来の陰陽五行説に基づいた『陰陽道(おんみょうどう)』や風水と大きな関わりもあり、それがパワースポットとされるゆえんでもあります。
また、桓武天皇時代の平安京の正庁と朝堂院が、約5/8の大きさで再現されているのも特徴です。日本三大鳥居の一つといわれている、高さ24mにもなる『大鳥居』も見どころの一つとなっています。
今から約1200年以上前にできた平安京に、タイムトリップしたような気持ちになれるでしょう。
のんびりと参拝できる初詣穴場スポット3選
「のんびりと落ち着いた雰囲気の中で参拝をしたい」という人もいるのではないでしょうか?ご利益があるとされる、穴場の初詣スポットを紹介します。
朝護孫子寺(奈良県平群町)
582年に聖徳太子が、『朝護孫子寺』がある山で七福神の1人『毘沙門天王』をご感得されたとされ、大きなご利益があったとされています。聖徳太子にあやかり、ご利益を授かれるといわれ、古くから崇敬されてきました。
毘沙門天王は七福神の中でも福徳のご利益が高いとされ、朝護孫子寺も心願成就・商売繁盛・開運長久・家内安全などを願うパワースポットとされています。
『戒壇巡り』に納められている『如意宝珠』に触れると、心願成就のご利益があるといわれているので立ち寄ってみましょう。また『剱鎧護法堂』は、無病息災や病気改善のご利益、『虚空蔵堂』には、入試合格のご利益があるといわれています。
緑豊かな自然に囲まれた場所にあり、本堂からの眺めも見どころの一つです。
春日大社(奈良市)
『春日大社』は、全国に約3000社ある春日神社の総本社です。768年に称徳天皇の命により神山である春日山に神様を迎え入れ、本殿が造営されたのが始まりです。
神様がお越しになる際に白鹿に乗って来られたという言い伝えから、鹿が神使とあがめられており、奈良公園周辺を含め約1300頭が生活しています。
本殿4棟は国宝で、重要文化財に指定されている建築物が27棟あります。さらに、神山を含め約30万坪の春日大社は世界遺産にも指定されているので、じっくり観賞しながら過ごすのもおすすめです。
成田山大阪別院明王院(大阪府寝屋川市)
『成田山大阪別院明王院』は、千葉県にある有名な『大本山成田山新勝寺』の別院です。大本山成田山新勝寺は、寛朝大僧正が弘法大師空海によって開眼された不動明王を持参し、大阪を離れ成田の地に鎮座したのが始まりで、もともと関西と深い関わりがあります。
1934年に建てられた成田山大阪別院明王院は、交通安全祈願ができる日本初の『専用祈祷殿』として有名で、年間20万台の祈祷車を迎え入れているほどです。ほかにも、家内安全・安産・身体健全・商売繁盛・心願成就・災難消除など、幅広い祈願ができます。
仲が深まる縁結びスポット3選
「恋人との仲を深めたい」「恋人が欲しい」「好きな人と結ばれたい」という願いをかなえたい人は、恋の願いがかなうと評判のスポットに足を運びましょう。縁結びのご利益があるとして有名な神社を、三つ紹介します。
生田神社(神戸市)
『生田神社』では、神服を織る神様の『稚日女尊(わかひるめのみこと)』がまつられており、糸を合わせて織るということから、人との縁を結ぶ『恋愛成就』のご利益があるといわれています。
境内には『縁結びの水占い』があり、生田の森にある池に引いたおみくじを浸すと、文字が浮かび上がってくる珍しい占いです。
また、縁結びのお守りの中でも人気なのが、糸でできた『たまき』です。今でいうブレスレットで、奈良時代以前にお守りとして使われていたといわれています。
ほかにも、生田の森にあるご神木に手を触れると神秘のパワーを得られるとされているので、立ち寄ってみましょう。
地主神社(京都市)
『地主神社』は、縁結びの神様である『大国主命(おおくにぬしのみこと)』がまつられており、良縁に巡り合えると評判の神社です。
縄文時代のものとされる『恋占いの石』は有名で、『目を閉じて片方の石から反対側の石にたどり着くことができたら、恋の願いがかなう』といわれているので試してみましょう。
境内には、なでた箇所に応じてご利益がある『撫で大黒さん』や、銅鑼(どら)を3度軽く打つと良縁がいただける『銅鑼の音祈願』などをはじめ、さまざまな良縁スポットがあります。
多賀大社(滋賀県多賀町)
『お多賀さん』の名で人々に親しまれている『多賀大社』には、『伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)』と『伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)』がまつられています。
初めて夫婦の道を始められた神様で、『天照大神(あまてらすおおみかみ)』をはじめとする神々をお産みになられた『生命の親神様』であることから、古くから縁結びの神様としてあがめられています。
境内には、ご神木の『三本杉』や延命を祈る人が絶えない『寿命石』、美しい『奥書院庭園』など多くの見どころがあるのもおすすめのポイントです。