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イーロン・マスク率いるスペースXの宇宙船にはどんな最新AIが搭載されるのか?

2021.12.18

【連載】もしもAIがいてくれたら

【バックナンバーのリンクはこちら】 
第1回:私、元いじめられっ子の大学副学長です
第30回:家族アルバムアプリ「みてね」が大人気!年賀状シーズンにAIに写真整理をまかせたら…

前澤友作さんの宇宙旅行で感じた「イーロン・マスクってやっぱりすごい!」

衣料品通販大手ZOZO創業者の前澤友作さんが、12月8日にロシアの宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)へと出発し、宇宙空間に到達しました。日本時間9日未明にはISS内に入り、滞在を開始したと報じられています。

1969年、人類が初めて月に到達して以来、宇宙に行く人は、身体能力も頭脳も精神も、全てにおいて超人的な能力を持つ、訓練を受けた特別な人間という感じでした。とても人間味のある、ちょっとお騒がせな日本の有名な民間人が宇宙に行ったことで、宇宙旅行が身近になったような気がします。

乗員だけでなく、宇宙船そのものも、身近になってきたように思います。

宇宙船は、アメリカやロシアが、国をあげて構築する国家プロジェクトで、民間人が参入できる領域ではないように思われてきました。

ところが、前澤さんは、2023年に、米電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者が設立したスペースXの宇宙船で月を旅行するとのことで、前澤さんというより、イーロン・マスクのすごさに驚きました。

幼少期にプログラミングを学び、ソフト系企業を経て、新規参入が難しそうな自動車分野で電気自動車企業を創設した、というだけでもすごいですが、国家プロジェクト並みの宇宙開発に参入し、スペースXを創設してしまったとは驚きです。航空機大手ボーイング社よりも先に、国際宇宙ステーションに宇宙飛行士を運ぶ最初の民間企業になるのではないかとさえ言われています。

2003年に、アメリカの宇宙船スペースシャトル「コロンビア号」が大気圏に再突入する際に、上空で空中分解した悲惨な事故が記憶に残っているせいか、宇宙船においてはハード面の安全性を支える高度な技術が重要という印象かもしれません。

アポロ計画の宇宙船にも「AI」が搭載されていた!?

しかし実は、1961年から1972年にかけてアメリカで実施されたアポロ計画でも、コンピュータが活用されていました。アポロ計画以前は、宇宙船の飛行ルートの計算は、手計算で行われていましたが、刻々と変わる宇宙船の位置やスピードに応じて、随時飛行計画を手で再計算するという大変なことが行われていました。アポロ計画にコンピュータが導入されて以来、宇宙船にはその時代の最新のAIが搭載されてきています。

安全で壊れない、という自動車でも航空機でも宇宙船でも、乗り物に必要なハード面の要件が満たされて当然(とはいえ、リスクは消えませんが)とされる現代では、ソフト面の進化が注目されます。指数関数的に進化するAIが搭載される宇宙船は、自動運転さえなかなか許容されない地球とは異なる、宇宙という特殊な空間で、挑戦的に能力を発揮することができるかもしれません。

1968年の古典的SF映画「2001年宇宙の旅」でも、「HAL9000」というAIが登場しています。映画で設定された2001年はすでに過ぎていますが、今のAIにHALで想定されていた機能がどれくらい達成されているでしょうか。しかし、映画で描かれているAIの機能が宇宙船に必要な要件ということではありません。どんなAIと宇宙を旅したいかを考えるのは、私たち民間人なのかもしれません。

坂本真樹(さかもと・まき)/国立大学法人電気通信大学副学長、同大学情報理工学研究科/人工知能先端研究センター教授。人工知能学会元理事。感性AI株式会社COO。NHKラジオ第一放送『子ども科学電話相談』のAI・ロボット担当として、人工知能などの最新研究とビジネス動向について解説している。オノマトペや五感や感性・感情といった人の言語・心理などについての文系的な現象を、理工系的観点から分析し、人工知能に搭載することが得意。著書に「坂本真樹先生が教える人工知能がほぼほぼわかる本」(オーム社)など。

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