■茂木雅世のお茶でchill out!
早いもので師走。12月といえば日本茶AWARDの季節だ。
コロナ禍で昨年は開催が見送られてしまったものの、今年は2年ぶりにTOKYO TEA PARTYがかえってくると聞き、とても楽しみにしていた。
日本茶AWARDは新しい視点から個性的なお茶を発掘し、発信する“古くて新しい”お茶のコンテスト。
「お茶は観賞品ではなくて、飲み物である」が理念の一つとなっていて、消費者である私達が普段通りに淹れて、飲んでおいしい、香りのよいお茶が選ばれるというのが特徴だ。
毎年、全国各地からエントリーされたお茶の中から一次、二次審査を経てプラチナ賞受賞茶が選ばれ、TOKYO TEA PARTYではそのお茶をテイスティングすることができる。
申し込みをすれば一般の人達も参加することができ、お気に入りのお茶に投票が可能。
その得票数によって、その年の日本茶大賞が決定されるということもあって、お茶好きさんにはたまらない年末の恒例イベントとなっている。
一昨年までは東京・渋谷にある渋谷ヒカリエで開催されていたこのTOKYO TEA PARTY。
今年は12月4日(土)5日(日)の2日間、東京・渋谷のJINNAN HOUSEに場所を移して開催された。
コロナ禍前は、私も何度かTOKYO TEA PARTYに参加させてもらったのだが、和やかな雰囲気の中にもちょっとした緊張感もある、あの雰囲気がとても好きだ。
日本茶インストラクターといういわばお茶のプロが、丁寧に淹れて目の前へと運んでくれるプラチナ賞受賞茶は、どれも研ぎ澄まされていて、飲むこちら側も思わず背筋を伸ばして飲みたくなる。
コンテストなので、一つを選ばなくてはいけないのはわかっているけれど「全部、大賞を受賞してほしい」と悶えながら、個性豊かなお茶に触れ、毎回自由で楽しい気持ちになる時間。
2021年度は、まだコロナ禍ということもあって例年とは少し異なり、一次審査は全国の日本茶インストラクター協会の会員約100名が個人で審査を、二次審査は13名の日本茶AWARD実行委員が審査を行い、503点の出品茶の中から、プラチナ賞19点、ファインプロダクト賞23点、審査員奨励賞30点のお茶が選ばれたという。
今年のTOKYO TEA PARTYでは、プラチナ賞受賞茶のうち10点のお茶を会場で飲むことができたそうだ。
栄えある今年の日本茶大賞に選ばれたのは、鹿児島市の特香園が出品した「雪ふか極(きわみ)5号」。
各地で実施された日本茶AWARDサテライトパーティー(三次審査)に参加した一般審査員が実際に飲んで「おいしい」と感じたお茶に投票し、決定された。
大賞に輝いたお茶…もちろん飲まずにはいられない。ワクワクしながらさっそく、お取り寄せしてみた。
パッケージに書かれた「必ずご満足いただける味に育てました」という言葉通り、一口飲んだ瞬間、注文して大正解!と感じるまあるくて深い味わい。
飲みこんだ後もなお、余韻が残る。
本当においしいお茶に出会うと大げさではなく、生きていてよかったなあという気持ちがこみあげてくる。まさにそんなお茶だった。
日本茶AWARDのホームページでは、受賞したお茶が一覧で紹介されているので、気になるものをチェックしてみるのもおすすめ!
もしかしたら、人生を変えてしまうような、運命的な一杯に出会ってしまうかもしれない。
日本茶AWARD⇒https://nihoncha-award.jp/
茂木雅世 もき まさよ
煎茶道 東阿部流師範・ラジオDJ
2010年よりギャラリーやお店にて急須で淹れるお茶をふるまう活動を開始。現在ではお茶にまつわるモノ・コトの発信、企画を中心にお茶“漬け”の毎日を過ごしている。お茶×音楽ユニットYuge〻のメンバーとしても活動中。
趣味は暮らしの中に取り入れやすいサステナブルアイテムを探求することとバスケ観戦。
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