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東大生と京大生に学ぶモーニングルーティンと朝食の摂り方

2021.12.20

いま、YouTubeやInstagramで「朝ルーティン」「モーニングルーティン」という言葉が定着している。朝の習慣のことを指し、朝に軽い運動をしたり、朝食を取ったり、家事をしたりと、朝に決まって行う何らかの行動を指す。

そのモーニングルーティンとして、現役東大・京大生たちがどんなことを行っているのかが調査によって明らかになった。特に飲食面は参考になる。朝に取り入れたい食材など管理栄養士のアドバイスと合わせて紹介する。

現役東大・京大生のコロナ禍でのモーニングルーティンとは?

auコマース&ライフが、2021年10月に、コロナ禍での朝の過ごし方について、現役大学生と大学院生に調査を実施。

対象は、東京大学・京都大学の現役大学生・大学院生(以下 現役東大・京大生)の男女100名、東京大学・京都大学以外の国立・私立・短大の現役生(以下 一般学生)男女100名の計200名。

現役東大・京大生の7割以上が「モーニングルーティンがある」と回答し、7割以上が「自分の生活にとって重要」だと回答した。

また朝のルーティンにおいて実際に行っている内容について聞くと、1位「運動・ストレッチ(38.4%)」、2位「料理(35.6%)」、3位「シャワー(27.4%)」という結果に。

また現役東大・京大生の5人にひとりは朝の時間に「勉強や読書などのインプットを行っている」と回答。朝のインプットに費やす平均時間は「41.2分」だった。

睡眠については、平均睡眠時間は「6.8時間(407.8分)」、起床時間では、「平日6時台」、「休日8時台」が最も多い結果となった。

現役東大・京大生の朝食事情

ここまででも興味深い結果が出ていたが、朝食についてはどうだろうか?

現役東大・京大生の47.0%と、約半数が朝ごはんを「毎日(週7日)食べる」と回答した。

また、朝食の際に最も食べるものとしては、第1位が「ご飯(米)」で33.7%、第2位が「パン」で28.1%となった。

この結果について、ビジネスパーソンの食事指導を行う管理栄養士の植村瑠美氏に感想を聞いてみた。

【取材協力】

植村瑠美氏
働く男性の食事選びコーディネーター/管理栄養士
健康支援BonAppetit(ボナペティ)代表。
「疲れやすい」「集中力がない」というビジネスパーソンの悩みを解決する専門家。5,000人の指導から考案した、コンビニ食や外食中心でも実践できる「食事の選び方」を企業研修(オンラインも可)などで提案。
https://ameblo.jp/kks-bonappetit

「毎日、朝食を食べる子どもは、学力調査の平均正答率が高く、学習時間が長いこと、さらには『イライラする』『集中できない』という訴えも少なく、心の状態を良好に保つという報告もあり、子どもの頃からの習慣が東大・京大に入れる学力の高さにつながる結果になったと推測します。

大学生になると一人暮らしになることも多いかと思います。親の管理から離れても、きちんと早起きをして朝食を食べる習慣が継続されていることは驚きです。早起きするのは強い意志が必要なこともあります。大変な受験勉強を乗り越えた方は、意志の強さがあると感じました」

また、朝食にご飯派が最多だったことについてはどうだろうか。

「米は粒状なので、粉状の小麦を使うパンに比べて消化吸収に時間がかかります。 そのため、食後の血糖値はおだやかに上昇し、腹持ちが良いことが特徴です。

睡眠中に低下した血糖値を上げることが朝食の役割としてありますが、おだやかに上昇させることが体にとっては好ましい状態となります。

さらに、腹持ちが良いということは、脳のエネルギー源であるブドウ糖をゆっくり長く、安定して補うことができるということにつながります。

ご飯食にするメリットを経験的に感じているからこその選択なのかもしれません」

朝に向いている飲料とは?

また、調査ではこんな結果も出ていた。朝の時間に最も好んで飲む飲料は、「水」が最も多く33.7%、次いで「コーヒー」が22.5%、「牛乳」が19.1%と続いた。

植村氏にこの結果について感想をもらった。

「朝食のときの飲料ではなく、朝の時間の飲料が回答されていますね。

モーニングルーティンとして運動やストレッチをする方が多いので、このときに飲むものとして『水』が上位に上がったものと考えられます。コーヒーや牛乳は、朝食で飲んでいると推測されます。ジュースではなく、これらの飲料を選んでいることから、自然に健康を意識した生活をされている印象を受けました。血糖値をおだやかに上昇させるご飯食を選んだにもかかわらず、ジュースを飲んでしまうと、ジュースの糖分が血糖値を急上昇させる結果になるからです」

ビジネスパーソンにおすすめの朝食と飲料

現役東大・京大生の選択は、一般ビジネスパーソンにとってもヒントになりそうだ。

そこで植村氏に、脳活性化やパフォーマンスアップを目指すための、ビジネスパーソンにおすすめの朝食のおかずと飲料を聞いた。

「朝ごはんを食べること自体が、脳の活性化やパフォーマンスアップにつながります。睡眠中は体温が低下し、脳や身体機能も休んでいます。1日の始まりを体に伝えるために、『朝食』は重要な働きをします」

そこで植村氏は、朝食を食べる習慣がない人と食べる習慣がある人、それぞれに向けておすすめの朝食を挙げる。

●朝食を食べる習慣がない方

「まずは、起床後に口に何かを入れる習慣を作りましょう。本来は固形物をしっかり噛んで食べることが理想ですが、最初はヨーグルトやスムージーなどでもかまいません。徐々に慣れてきたら、おにぎりなどの固形物を食べるようにしましょう。調理が難しい方は、前日にコンビニで購入しておくといいかもしれません」

●朝食を食べる習慣がある方

「栄養バランスを意識しながら、以下の選び方をしてみてください。

ご飯派の場合はご飯の他に、【魚・納豆・豆腐・卵】から1品、さらに野菜のおかずを1品取り入れましょう。寒い時期なので野菜たっぷりの味噌汁などは体も温まるので良いかと思います。ご飯は、チャーハンなどの味がついたものではなく、白米や雑穀米、玄米などがおすすめです。

パン派の方は、菓子パンよりも食パンやロールパンを選びましょう。さらに【ハムやソーセージ・ツナ・卵料理・ヨーグルト】から1品、さらに野菜料理を1品取り入れましょう。これらのおかずをパンにはさんで具沢山サンドイッチを作るイメージで準備してみましょう」

朝の飲料はどんなものが良いだろうか?

「お茶・無糖紅茶・ブラックコーヒー・お水などの砂糖を含まないものがおすすめです。体が冷えやすい時期なので、常温や温かいものを飲んで、体を温めることも大切です」

モーニングルーティンに自信がない、もしくは何か有意義なものを取り入れたいと考えている人は、ぜひこの年末年始から、良き方法を習慣化してみてはいかがだろうか。

取材・文/石原亜香利

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