
2021年のパワーワードのひとつは“オートミールの米化”だといえるだろう。
水を加えてレンチンすると、炊いたご飯と味も食感も似ていることから、米替わりとしてアレンジするレシピが話題になったのは記憶に新しい。
雑炊やリゾット、さらにおにぎりにまで擬態(?)するオートミールで、大幅なダイエットに成功した人も。
だが、日本の正月といえば「餅」。毎年、食べ過ぎて正月太りしてしまう人も多いのでは?
そこで、オートミールの米化ならぬ、「餅化」で正月太りを回避してみてはいかがかな? 年末年始のオートミール活用術として、餅化のアレンジレシピや、米化によるあったかレシピも紹介していこう。
その前に、今一度、オートミールで痩せやすい体になる秘訣をおさらいしていきたい。
オートミール餅が普通の餅よりダイエット向きの理由
ダイエット目的で摂取されることも多いオートミールは、発酵性食物繊維が豊富に含まれ、少量で満足感を得ることができる。さらに、餅化することにより、正月の定番である普通の餅よりカロリーや糖質のカットが期待できるだろう。
普通の食物繊維と発酵性食物繊維の違いとは?
オートミールを語る上で、欠かせない成分が発酵性食物繊維。これは普通の食物繊維とどう違いのかが知りたいところ。
そこで、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 國澤 純 先生の解説をシェアしていきたい。
國澤先生「なぜオートミールが持続可能なダイエットに適しているのか? その理由はオートミールに豊富に含まれている食物繊維にあります。
特にオートミールは、食物繊維の中でも腸内で発酵する『発酵性食物繊維』を豊富に含みます。漬物や味噌などで知られる発酵が腸の中で行われている、というと、何だか不思議な感じがするかもしれません。
しかし、微生物は自然界のあらゆるところで働いており、私たち人間の腸の中でも善玉菌の大切な仕事として発酵を行っています。
善玉菌は、発酵性食物繊維を材料にして、短鎖脂肪酸というダイエットに役立つ成分をつくり出しています。つまり、発酵性食物繊維は“痩せファイバー”としてダイエット環境づくりに役立つ働きをしているのです。
1日1食程度、オートミールを食べて、痩せファイバーを豊富に腸に送り込むことで、痩せ体質の土台が出来上がるといえるでしょう」
発酵によってつくり出される「短鎖脂肪酸」って何ぞや?
ところで「短鎖脂肪酸って何ぞや?」と多くの人が思っていることだろう……。
國澤先生「発酵性食物繊維をもとに善玉菌がつくり出す短鎖脂肪酸が、ダイエットに有効な理由は3つあります。
1つめは、短鎖脂肪酸が腸のエネルギーとなり、腸の働きを活発にする働きがあるからです。2つめは、短鎖脂肪酸は脂肪細胞に働きかけて脂肪の蓄積を抑性。3つめは、体のエネルギー代謝を高めることで肥満を防いでくれるのです」
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター センター長ワクチンマテリアルプロジェクト&腸内環境システムプロジェクト プロジェクトリーダー(併)。
今年の正月は餅化オートミールにチャレンジ!
次はいよいよ、オートミールを餅化した“オートミール餅”レシピを紹介しよう。レシピ考案は、管理栄養士の中村りえ先生だ。
【餅化オートミール】
材料(2個分)
オートミール:60g
片栗粉:大さじ1
水:50ml
サラダ油:小さじ1
作り方
1.耐熱ボウルにオートミール、片栗粉、水を入れて軽く混ぜ、ラップをして600wの電子レンジで1分30秒加熱する。
2.混ぜて2等分にしてラップで包み、丸く成形する。
3.フライパンにサラダ油を入れて中火にし、【2】を入れて焼き色がつくまで両面2分ずつ焼く。
【餅化オートミール(かぼちゃ入り)】
材料(2個分)
オートミール:60g
かぼちゃ:40g(皮なし)
水:50ml
サラダ油:小さじ1
作り方
1.耐熱ボウルにオートミール、かぼちゃ、水を入れて軽く混ぜ、ラップをして600wの電子レンジで1分30秒加熱する。
2.かぼちゃをつぶすように混ぜて2等分し、ラップで包み、丸く成形する。
3.フライパンにサラダ油を入れて中火にし、【2】を入れて焼き色がつくまで両面2分ずつ焼く。
【餅化オートミール(餅入り)】
材料(2個分)
オートミール:60g
切り餅:1/2個(25g)
水:50ml
サラダ油:小さじ1
作り方
1.切り餅は1cm角に切る。耐熱ボウルにオートミール、切り餅、水を入れて軽く混ぜ、ラップをして600wの電子レンジで1分30秒加熱する。
2.混ぜて2等分してラップで包み、丸く成形する。
3.フライパンにサラダ油を入れて中火にし、【2】を入れて焼き色がつくまで両面2分ずつ焼く。
【餅化オートミール入り雑煮】
材料(2人分)
オートミール餅:2個
鶏むね肉:100g
かまぼこ:(5mm厚さ)2枚
小松菜:2株
にんじん:1/5(30g)
三つ葉:1本
酒:大さじ1/2
(A) 水:500ml
(A) 白だし:大さじ2
(A) しょうゆ:大さじ1/2
作り方
1.鶏むね肉は1口大に切って、酒をかけて5分ほどおく。小松菜は4cm幅に、にんじんは輪切りにして花形でくり抜く。三つ葉はざく切りにする。
2.鍋に鶏むね肉、にんじん、(A)を入れて中火にかけ、煮立ったらかまぼこ、小松菜を加える。
3.器に盛り、オートミール餅を入れて三つ葉を散らす。
餅化以外にも! 冬にオススメあったかレシピ
【オートミールのキムチクッパリゾット】
材料(2人分)
オートミール:60g
牛こま切れ肉:100g
キムチ:60g
もやし:1/2袋(100g)
にら:1/2束(50g)
にんじん:1/5本(30g)
ごま油:大さじ1/2
(A) 水:500ml
(A )しょうゆ:大さじ1/2
(A) にんにく(すりおろし):小さじ1
(A) 鶏がらスープの元:小さじ1
白煎りゴマ:小さじ1/2
作り方
1.牛こま切れ肉は3cm幅に、にらは4cm幅に切る。にんじんは細切りにする。
2.鍋にごま油を入れて中火にし、牛こま肉を入れて炒める。火が通ったら、にんじん、(A)を加える。
3.沸騰したら、にら、もやし、キムチ、オートミールを加えて2分ほど煮る。器に盛り、白ゴマを散らす。
【電子レンジ調理をする場合】
1.牛こま切れ肉は3cm幅に、にらは4cm幅に切る。にんじんは細切りにする。
2.耐熱容器に牛こま切れ肉、にんじん、ごま油を入れて混ぜる。ラップをして600wの電子レンジで2分~2分30秒加熱する。
3.(A)、もやし、にら、キムチ、オートミールを加えて軽く混ぜ、ラップをして600wの電子レンジで6分加熱する。全体を軽く混ぜて器に盛り、白ゴマを散らす。
〈ポイント〉
電子レンジを使う場合は、耐熱容器の厚さによって火の通りが多少異なる。様子を見ながら調整しよう。また、加熱後は熱くなるのでヤケドに注意。
【豚汁風オートミールおじや】
材料(2人分)
オートミール:60g
豚ロース肉:100g(豚こま切れ肉でも代用可)
長ねぎ:1/2本(50g)
さつまいも:1/4本(50g)
ごぼう:1/3本(30g)
にんじん:1/5本(30g)
サラダ油:大さじ1/2
(A)だし汁:500ml
(A)しょうが:小さじ1
味噌:大さじ2
小ねぎ:1本
作り方
1.豚ロース肉は3cm幅に切る。長ねぎは斜め薄切りにする。さつまいも、にんじんはイチョウ切りにする。ごぼうはささがきにして水に5分ほどさらす。小ねぎは小口切りにする。
2.鍋にサラダ油を入れて中火にし、豚ロース肉を入れて炒める。火が通ったら野菜を加える。
3.全体に油が回ったら、(A)を加える。沸騰したらフタをして5分ほど煮る。
4.オートミールを加えて弱火にし、2分ほど煮て味噌を溶く。器に盛り、小ねぎを散らす。
プロの管理栄養士・料理研究家による「食」のプロデュース・レシピ開発を手掛ける(株)エミッシュ所属。健康・美容・栄養などの切り口で管理栄養士ならではのレシピ考案、コラムの執筆を行う。
取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥
雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。