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日本の家庭に眠っている「かくれ資産」は1世帯あたり平均73万4939円

2021.12.18

メルカリ「日本の家庭に眠る“かくれ資産”」に関する調査

メルカリは、大掃除シーズンに合わせ、ニッセイ基礎研究所 生活研究部 上席研究員 久我 尚子氏監修のもと、「日本の家庭に眠る“かくれ資産”」に関する調査を実施した。

“かくれ資産”とは

1年以上使用しておらず、理由なく家庭内に保管しているモノを不要品とし、不要品保管数量調査および「メルカリ」の平均取引価格により不要品を金額に換算した数値を“かくれ資産”と定義している。

算出方法

①日本の世帯構成比に準じた調査サンプルを設定

日本全国を「北海道・東北」「関東(東京以外)」「東京」「中部」「近畿」「中国・四国」「九州・沖縄」7ブロックに分類。7ブロック内の世帯人員別のサンプル構成比を総務省統計局「平成27年国勢調査結果」の都道府県、世帯人員別一般世帯数と同等比率になるように割り付け、10代〜60代の男女合計2,549サンプルを対象にインターネット調査を実施。

②個人の所有する不要品の総量を個数単位で調査

「服飾雑貨」「書籍・CD・ゲーム」「美容・健康」「ホビー・レジャー」「家電・家具・雑貨」の5分類37カテゴリーに該当する不要品を自宅内に何個所有しているかを調査。

③性年代別一人あたり“かくれ資産”を算出

調査結果から、性年代別に37カテゴリー毎の不要品平均所有個数を算出。これらの数値と37カテゴリー毎の「メルカリ」における平均取引価格(2020年1月〜2020年12月実績)を掛けあわせ、性年代別一人あたり平均“かくれ資産”を算出。

④日本の家庭に眠る“かくれ資産”の総額を算出

性年代別一人あたり平均“かくれ資産”を日本の性年代別人口と掛けあわせ、その総計を日本の家庭に眠る“かくれ資産”の総額として算出。

参照した統計について

性年代別人口
出典:総務省統計局「人口推計」令和3年11月報(令和3年6月平成27年国勢調査を基準とする推計値,令和3年11月概算値)(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html
日本の全人口および総世帯数
出典:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和3年1月1日現在)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/daityo/jinkou_jinkoudoutai-setaisuu.html

●2021年版 日本の家庭に眠る“かくれ資産”

1.日本の家庭に眠る“かくれ資産”の総額は推計約43兆7,269億円。国民一人あたり平均約34.5万円

前述の方法にて、日本全国の家庭に眠る“かくれ資産”の総額を算出したところ、推計約43兆7,269億円となった。また、日本の人口で割り戻し、国民一人あたり平均“かくれ資産”を算出したところ、34万5,246円となった。

次に、調査結果に基づき、一人あたりが保有する“かくれ資産”の品目構成を分析したところ、“かくれ資産”が最も高いカテゴリーは「書籍・CD・ゲーム」で平均12万1,493円となった。

2018年11月にみんなのかくれ資産調査委員会が実施した調査(データ提供:メルカリ、以下、前回調査)と比較すると、「書籍・CD・ゲーム」が約2倍に増加していることがわかった。

昨今「巣ごもり需要」により、「メルカリ」では、本・ゲーム・おもちゃといった商品を含む「エンタメ・ホビー」カテゴリーがトップシェアに。一方で、読み終わった本や遊び終わったゲームなどは、そのまま使われずに家庭内に保管されている状態であることが推察される。

2.1世帯あたり平均“かくれ資産”は約73.5万円

“かくれ資産”の総額を日本の世帯数で割り戻し、1世帯あたり平均“かくれ資産”を算出したところ、73万4,939円となった。

次に、調査結果に基づき、世帯別の平均“かくれ資産”を算出したところ、単身世帯が35万2,406円、20代・30代夫婦2人世帯が46万6,250円、夫婦と子ども(15歳未満)の3人世帯が57万1,588円、50代・60代夫婦2人世帯が100万2,870円となった。

3.性年代別一人あたり平均“かくれ資産”、60代以上女性が最も高い約56.4万円

調査結果に基づき、性年代別の一人あたり平均“かくれ資産”を算出したところ、60代女性が最も多い平均56万4,256円となり、前回調査と同様、60代女性が最も多く“かくれ資産”を保有していることがわかった。

前回調査と比較すると、増加率が最も高い性年代は40代女性で48.1%増加。減少率が最も高い性年代は20代男性で38%減少した。

4.地方別一人あたり平均“かくれ資産”ランキング、1位「中国・四国」約40.3万円

地方別一人あたり“かくれ資産”TOP3は、1位「中国・四国地方」(40万2,893円)、2位「北海道・東北地方」(40万1,962円)、3位「東京都内」(36万9,193円)となった。

前回調査と比較すると、増加率が最も高い地方は「北海道・東北地方」で40.5%増加(11万5,935円増加)しており、前回4位から2位にランクアップした。

●今年の大掃除、不要品を捨てることによる損失額

5.今年の大掃除で捨てられる予定の不要品を金額換算すると、日本全国で推計約5兆8,129億円分に。捨てずに全て売却すれば国民一人あたり平均約4.6万円

現在家庭に眠っている不要品のうち、今年の大掃除で捨てる予定の不要品の数量を調査した。その数量を、「メルカリ」の平均取引価格と掛けあわせ、今年の大掃除で捨てる不要品を金額換算したところ、日本全国で推計約5兆8,129億円になることがわかった。日本の人口で割り戻すと、国民一人あたり平均4万5,896円となる。

●不要品処分に関する行動変化

6.不要品の処分方法、前回調査と比較し「ゴミとして廃棄」が10.8%減少

頻繁に行なう不要品の処分方法について質問をしたところ、「ゴミとして廃棄」という回答しが50.1%で最も多い結果となった。

一方、前回調査と比較すると、「ゴミとして廃棄」する人の割合は10.8%減少し、「フリマアプリでの販売」は10%、「家族・友人・知人等への譲渡」は7.4%増加していることがわかった。

頻繁に行なう不要品の処分方法について年代別に見ると、10代、50代、60代では「家族・友人・知人等への譲渡(有償・無償含む)が最も多く、20代、30代、40代では「ゴミとして廃棄」が最も多い結果となった。

また、10代、20代では「フリマアプリでの販売」が2位となっており、特に10代は「ゴミとして廃棄」より「フリマアプリでの販売」の割合が高いことがわかった。

【調査監修】

ニッセイ基礎研究所 生活研究部 上席研究員 久我 尚子(くが なおこ)氏

株式会社NTTドコモを経て、2010年よりニッセイ基礎研究所。2021年7月より現職。専門は消費者行動。内閣府や総務省の統計関連の委員をつとめる。統計を使って暮らしの変化を読み解いている。

■コメント

今回の調査によって、日本の家庭に眠る“かくれ資産”(1年以上利用していない不要品)は2018年の約37兆円から、約44兆円へと約1割以上増加していることが分かりました。なお、内訳を見ると、一人あたりの不要品の平均個数は減少しましたが、平均金額が増加したことで総額が増えています。

平均個数の減少要因には、フリマアプリなどの中古品を取引するサービスの利用者が増え、家庭内の不要品の処分が進んだことがあげられます※1。特に、2020年以降はコロナ禍で「おうち時間」が増え、家の中を整理する時間ができたことも後押ししているでしょう。

一方、平均価格の上昇要因については一つの可能性として、利用者が増え、取引される商品が幅広くなったことで、商品の価格帯が高価格帯へ広がったことがあげられるのではないでしょうか。

この3年間で「メルカリ」の月間利用者数は約1,400万人から約2,000万人へと4割以上も増え、若者だけでなくシニアの利用も増えています。総務省「通信利用動向調査」によると、2018年から2020年にかけて、60代のスマートフォン保有率は56.2%から79.5%※2へと2割以上上昇し、2021年9月時点の60代のフリマアプリ利用率は23.1%にのぼります※3。つまり、現在、スマホを持つ60代のおよそ3人に1人はフリマアプリを利用していることになります。

幅広い商品が取引されるようになったことで、フリマアプリは中古品を格安で買えるツールから、価値ある中古品も買えるツールへと変容するとともに、消費者には「不要品=ゴミ」ではなく、「不要品=資産になり得るモノ」という認識も浸透しつつあるのかもしれません。

そして、消費者のサステナブル意識の高まりも、フリマアプリの利用拡大を後押ししているのではないでしょうか。近年、猛暑や異常気象など環境問題を肌で感じる機会が増えました。エコバッグやマイボトルを持つことは、もはや常識とも言えるでしょう。これまでも環境や人権に配慮したエシカル消費は一部で見られてきました。

一方で今後は、廃棄物を減らすためにあえて中古品を選択するなど、多方面の消費行動において、社会の持続可能性を意識した選択が増えていくのではないでしょうか。

※1:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」によると、フリマアプリとネットオークションに注目した国内CtoC-EC推定市場規模は2018年から2020年にかけて1兆 5,891 億円から1 兆 9,586 億円へ拡大。また、2020年は新型コロナ禍による外出自粛で「リユースを初めて利用した人も増加」し、外出型消費の機会減少により「リユースを利用して普段使っているものよりも良いブランド品等を購入」するなどの動きが推察。
※2:スマートフォンのうち通信規格が5G端末の保有率:12.1%、5G以外:67.4%の単純合算値。
※3:ニッセイ基礎研究所「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」、なお20代が最も高く58.2%。

調査概要
調査時期:2021年11月9日(火)〜2021年11月15日(月)
調査方法:インターネット調査
調査対象:10代〜60代の男女2,549人

調査対象品目について
下記の5分類、計37カテゴリーに該当する「不要品」の個数を調査しました。
①服飾雑貨(トップス、ボトムス、靴、時計、キッズ服など、計15カテゴリー)
②書籍・CD・ゲーム(書籍・コミック、CD、ゲームソフトなど、計5カテゴリー)
③美容・健康(メイク・スキンケア用品、香水、ダイエット用品など、計4カテゴリー)
④ホビー・レジャー(おもちゃ、アウトドア用品、ベビーカーなど、計8カテゴリー)
⑤家具・家電・雑貨(PC、スマートフォン、家具など、計5カテゴリー)

関連情報:https://jp.mercari.com/

構成/DIME編集部

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