メタバース
映画『レディ・プレイヤー1』のような仮想空間で生活する世界が実現するかもしれない。
宇宙(universe)と超越(meta)を組み合わせた造語のメタバースは、一般的にインターネットでアクセス可能な共有のバーチャル空間を指す言葉だ。社名を「Meta」に変更すると発表したFacebookは今後2年で5000万ドル(約55億円)を、日本でもGREEが100億円規模の関連事業への投資を計画しており、世界中のデジタル企業が注目している。
2021年2月に事業へ参入したShiftall代表取締役の岩佐琢磨さんによると、実現は目前だという。
「少し前は『Fortnite』などのゲームもメタバースのひとつといわれていましたが、近年開発中のものではゲームと違いあらゆる表現が自由なうえ、VR技術も駆使することで仕事や恋愛など社会性のあるコミュニケーションが高度に実現可能な段階まで到達しています」
今後の課題として、現実で使用するデバイスの軽量簡素化や、リアリティーの追求という面があると岩佐さんは語る。
「現在は視覚と聴覚でしかバーチャルを体験できませんが、触覚を表現する技術が生まれたらさらに発展すると思います」
身体的・地理的な障壁を取り払う〝もうひとつの世界〟は、アバターや広告など新たな価値を生み出すプラットフォームになる可能性を秘めているだろう。
Facebookが作るもうひとつの世界「Facebook Horizon」
Facebookは今後5年でメタバース企業への移行を表明。
モーションキャプチャーで「五感共有」の時代が来る!?
画面上に自分の動きを映し出すデバイス『HaritoraX』は20代以下を中心に数千個売れている。
取材・文/桑元康平/すいのこ