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セカンド冷凍庫を導入して激変したわが家のQOL

2021.12.16

7割の家庭が、 “冷凍庫パンパン”問題を抱えていた

どこの家にも、他人に見られたくない恥部はある。わが家の場合、(いくつもあるが)その一つが冷凍庫。常にちまちまとした貧乏くさい残り物でパンパン。新しいものを入れる時は、何かを取り出さないと閉められないほどパンパン。前からパンパン気味ではあったが、コロナで夫が在宅勤務になり、3食作らなくてはならなくなってから、調理の際の残り物が増え、買い物回数を減らすために買いだめするものが増えたりで、昨年くらいからもう絶望的にパンパンになっていた。

冷凍庫を開けるたびに、自分の管理能力の欠如を突き付けられる絶望感。使いたいものを見つけるのにいつも冷凍庫中をひっかきまわさないと見つからないし、結局見つからずに作りたい料理をあきらめることもしばしば。「服はあるのに、今日着ていく服がない」問題と、「冷凍庫がパンパンなのに、いつも何か足りない」問題は、永遠の課題かに思えた。

が、そんな私の目からウロコが落ちたのは、ある仕事で「セカンド冷凍庫」についての取材をした時だ。なんと、ハイアールジャパンセールス(大阪市)が行った冷凍庫に関する調査によると、

・子供と同居する家庭の約7割(68.1%)

・共働き家庭では7割以上(70.7%)

が、「冷凍庫がパンパン」だと回答しているというではないか。そのため、昨年から冷蔵庫を大型のものに買い替えたり、「セカンド冷凍庫」を購入したりする家庭が激増しているのだという。

考えてみると、冷凍食品は近年、恐ろしいほどに進化しているし、女性の就業率も激増しているというのに、冷蔵庫に占める冷凍庫の割合はほぼ変わっていない。家庭用の冷凍冷蔵庫は冷蔵機能がメインであり、冷凍スペースの割合は半分から4分の1程度。つまり、個々の管理能力の問題ではなく、そもそも冷凍庫の容量が時代に対応していなかったのだ、と気づいた。

取材後、セカンド冷凍庫購入を即決

取材で値段を調べてみると、「2万円台から4万円台が売れ筋」だという。買えない金額ではない。問題はスペースだが、もちろんキッチンに入れるスペースはない。しかしリビングの一角の本棚を断捨離すれば、なんとか入りそう。あくまでも「セカンド」の冷凍庫なのだから、調理のたびに開け閉めする必要はない。であれば、リビングでも問題はないと割りきった。

▲リビングにあった本棚を断捨離し、119Lのセカンド冷凍庫を置いた

夫は大のアイスクリーム好きなので、「アイスクリームが好きなだけ買えるから」と持ち掛けると、即決。機種やサイズは、電気製品に詳しい夫に任せた。夫の絶対条件は

・前開き

・ファン付きで霜取り不要

の2つ。しかし、これで探すとけっこう大きなサイズしか該当しない。

というのも小型冷凍庫はこれまで、魚などの貯蔵用がメインの用途。そのため上開きで直冷タイプが圧倒的に多い。霜は庫内の温度変化により付くので、ごくたまにしか開けない貯蔵用であれば、直冷タイプでもそれほど霜はつきにくく、問題なかった。しかしセカンドとはいえ、純粋な貯蔵用ではないから、直冷式だと霜がつくのは必至。霜取り不要の冷凍庫に慣れた今となっては、ファン付きの一択しかない。となるとある程度の大きさになってしまうのだ。

わが家で購入したのは、アイリスオーヤマの「ノンフロン冷凍庫(119L)」。取材した翌日に注文、2日後に冷凍庫がわが家に届いた。

届いたセカンド冷凍庫の、予想以上のサイズ感にビビる

▲玄関に届いたセカンド冷凍庫。そのサイズ感にショックを受けた

届いた冷凍庫を見て、そのサイズ感にびっくり…。事前にメジャーでいっしょに測ってはいたのだが、実際に目にするとかなりの大きさだ。

▲外形寸法は、幅475㎜、奥行き63.5㎜、高さ1110㎜。重さは35kg

▲特に圧迫感があったのが、60cm以上ある奥行き。ファン付きだとどうしても奥行きはこれくらいになるのだという。逆にこれ以上の容量でも、奥行きはそんなに変わらない

▲身長160cmくらいの夫が横に立つと、これくらいの高さ

冷凍食品を買って買ってかいまくった

さっそくスーパーで冷凍食品を買いまくり、収納。冷凍食品はかさばるものが多いので、これまでのパンパン冷凍庫には入らず、買えないものとあきらめるクセがついていた。そのストッパーがはずれたため、両肩が抜けるほどの大量の冷凍食品を買ってしまった。

▲バスケット2杯分の冷凍食品を購入

▲初日に購入した冷凍食品(の一部)

▲収納前

▲収納後。一番上のオープンスペースは冷気の循環をよくするために、極力食品を入れないようにしている

セカンド冷凍庫購入で激減した、「おうちごはん」の3大ストレス

①“埋蔵品”探しのストレス激減

セカンド冷凍庫を買いたいと思った最大の要因が、調理のたびに冷凍庫の中に埋もれている食材を探すのに、ほとほと嫌気がさしたからだ。すぐに使わないものはセカンド冷凍庫に入れるようになったので、冷蔵庫内のファースト冷凍庫内に余裕ができ、見つけやすい縦置き収納が可能に。一目で使いたいものが見つかるようになり、調理のストレスが激減した。

②食材管理のストレス激減

主婦が食事作りで一番苦痛なのは、献立作りだという。作りたいものをただ作ればいいのならストレスも少ないが、常に冷蔵庫の中の賞味期限切れ食材を念頭に献立を考えなければならない。「シチューが食べたいけど、野菜室のアレとアレがもう限界」「鶏肉も使い切ってしまわなければ」「豆腐も」となると、献立作りは超難解なパズルのようになる。それが毎日毎日続くのだ。

しかしセカンド冷凍庫のおかげで、冷凍野菜や肉、魚の買いだめができる。最近は、すぐに炒め物ができる「肉野菜ミックス」や、豚汁の具材が全て入った「豚汁ミックス」なるものまである。業務用スーパーの大量野菜だって冷凍保管できる。「いつも材料がそろっていて、何でも作れる」ということの安らかさ。これだけでも買ってよかったと、セカンド冷凍庫を開くたびに思う。

▲冷凍した方が美味しいとわかっていても、これまでスペースが無くてできなかったきのこ類や貝類も買い置きできるようになった

③「買いたくても買えない」ストレスの激減

セカンド冷凍庫購入以前、アイスクリーム好きの夫が新商品を買ってくるたびに、小競り合いがあった。アイスクリームを入れるスペースを空けるには、必ず何かを出さなければならないからだ。そのため、夫は私の目を盗んで、自分でなんとか空きスペースを工面してこそこそ入れるようになる。するとただでさえわかりにくかった食品の配置が変わり、「確かにここのすみに、使いかけの豚肉が3切れあったはずなのに見つからない」ということが起こる。真面目に働いているのに、アイス1個ものびのびと買えない生活…。

だが今や、セカンド冷凍庫の一番下の段をアイス専用にしているので、夫はアイス買い放題。新商品が出るたびに、ニコニコして買ってくる。冷凍庫のことで夫婦がギスギスすることがなくなった。あのままだったら、危なかったかもしれない。

▲アイスクリームでぎゅうぎゅうの、夫の夢だったスペース

また、冷凍食品の進化がすごいことも情報では知っていたが、スペースの問題で買うことができなかった。しかし今は、よりどりみどりだ。ラクでおいしい最新の冷凍食品で晩御飯をつくるたびに「冷凍食品ってすばらしい…」「こんな便利でおいしいものを、今まで知らなかったなんて」「ありがとう、セカンド冷凍庫!」という気持ちになる。

▲忙しい平日の昼は、以前はカップ麺で済ませることが多かったが、今は専門店の麺類などが多い

冷凍庫のスペースが無いためにあきらめていた「お取り寄せ」も、できるようになった。クオリティの高い地方の逸品が冷凍庫に待機していて、いつでも食べられると思うと、本当に豊かな気持ちになれる。

▲最近のお取り寄せのヒットは、「文春マルシェ」の「マルシェ限定 海鮮丼 4パック」(4,400円)

コロナ禍の「おうちごはん」問題は、ほぼセカンド冷凍庫で解決するのでは

このように日々、「セカンド冷凍庫を買ってよかった」と実感しまくり。コロナ禍で「おうちごはん」の比重が高くなり、主婦のストレスがたまっているというが、その多くは、セカンド冷凍庫で解決するのではないだろうか。国策として、セカンド冷凍庫の普及の推進をして欲しいと、マジメに思うほどだ。

届いた当初は「大きすぎたかも」と後悔したサイズだが、今は「これくらいあってよかった」と思っている。だがひとつだけ懸念が…。それは冷凍食品の便利さにハマりすぎて、「セカンド冷凍庫パンパン問題」が浮上していることだ。やはり根本問題は、私の管理能力の欠如なのかもしれない…。

文・写真/桑原恵美子

関連記事:コロナ&冷凍食品人気で「セカンド冷凍庫」急拡大 前開きが主流(https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/01599/

編集/inox.

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