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電子タバコの使用によってEDになるリスクが倍増する可能性、ニューヨーク大学研究報告

2021.12.15

電子タバコの使用で勃起不全リスクが倍増?

男性では、電子タバコの使用により勃起不全(ED)リスクが倍増する可能性のあることが新たな研究で示された。

EDとの関連が認められている心疾患やその他の疾患の既往がなくても、電子タバコを使用する人のEDリスクは、使用しない人の2倍以上であったという。

米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部のOmar El-Shahawy氏らによるこの研究は、「American Journal of Preventive Medicine」に11月30日掲載された。

今回の研究では、EDに関する質問に回答した20歳以上の男性1万3,711人を対象に、ニコチン供給電子タバコ(ENDS)とEDとの関連が検討された。

解析は、これらの対象者全て(全サンプル)を含めて行うとともに、対象を心血管疾患(CVD)の診断歴を持たない20〜65歳の男性1万1,207人(限定サンプル)に絞った上でも行った。

対象者の65.9%は白人で、85.0%はCVDの診断歴を持っていなかった。

53.4%は過去に紙巻きタバコの喫煙習慣があり、21.5%は現在も喫煙習慣を持っていた。

ENDS使用者の割合は、全サンプルで4.8%、限定サンプルで5.6%であり、そのうち全サンプルでは2.1%、限定サンプルでは2.5%がENDSを毎日使用していた。

全サンプルの20.7%、限定サンプルの10.2%がEDに罹患していると回答した。

解析の結果、毎日ENDSを使用している人でのEDリスクは、ENDSの使用経験がない人に比べて、いずれのサンプルでも2倍以上であった(調整オッズ比は全サンプルで2.24、限定サンプルで2.41)。

こうした結果を受けてEl-Shahawy氏は、「タバコやニコチン製品にリスクがないものはない。従来のタバコ製品に含まれる高濃度のニコチンに常に曝されていると、勃起機能に障害が出ることを示すエビデンスは多数ある」と話す。

同氏はさらに、「一部の電子タバコはニコチン濃度が極めて高い」と指摘した上で、「ENDS使用者にもある程度のリスク増大が見られることは予想していたが、本研究で行われた種々の検討結果からも、実際に裏付けられた。ただ、疾患の既往がある人を除外しても結果が変わらなかったことは予想外であった」と述べている。

 ただし、El-Shahawy氏は、「このようなEDの原因が、電子タバコに含まれるニコチンにあるのか、電子タバコ用リキッドに含まれる別の成分にあるのかについては、まだ何も分かっていない」と述べ、今後の研究でその点を解明する必要があるとしている。

今回の研究には関与していない、米ノースウェル・ヘルス、タバココントロールセンターのPatricia Folan氏は、「電子タバコが従来の紙巻きタバコの改良版と呼べる、より安全な商品なのかどうかについては明確になっていない。データからは、電子タバコが喘息の悪化、重篤な呼吸器疾患、心血管への害、年少者のタバコ使用などの原因となる可能性も示されている」と指摘。

「電子タバコが心血管の健康に悪影響を及ぼすことが複数の研究で示されていることを考えると、副作用の1つとしてEDがあっても何ら不思議ではない」と述べている。(HealthDay News 2021年12月1日)

Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.ajpmonline.org/article/S0749-3797(21)00429-3/fulltext

Press Release
https://nyulangone.org/news/e-cigarettes-may-be-independently-linked-erectile-dysfunction-new-research-finds

構成/DIME編集部

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