DeFiに関連する用語は、独特でわかりづらいものが多い。そのせいで投資判断を誤ってしまってはもったいない。そこで、本編では紹介しきれなかったキーワードを4つ、ここでわかりやすくまとめておこう。どれも、様々なDeFiサービスの情報収集を進めていくと必ず出合うであろう重要なキーワードだ。DeFiサービスの利用前までに理解しておいてほしい。
【1】APYとAPR Annual Percentage Yield & Annual Percentage Rate
DeFiサービスでの投資を行なう際に必ず確認しなければならない「利回り」のこと。APYは、複利計算つまり、DeFi投資で得た利息を再投資した場合にどのくらいの年利回りになるという数字。再投資を行なう期間の間隔によって利回りが代わり、間隔が短いほど高い利回りになる。APRは単純に1年保有した場合どのくらいの利回りになるかという数字だ。DeFiサービスによってAPRとAPYを混在表示しているため、利回りを見積もり時に見間違いがないようにしたい。
【2】コンポーサビリティー(マネーレゴ)
日本語では「構成可能性」といい、DeFiが持つメリットのひとつ。従来の金融では、証券と銀行が連携するのは金融庁の確認を得たりする必要があり、費用や時間が多くかかってしまう。一方、DeFiでは、当局への許認可などが現状では必要ないため、既存のDeFiや仮想通貨で使っているブロックチェーンやプログラムを組み合わせて、新たなサービスが容易に生み出せるメリットがある。レゴブロックを組み合わせて造形物を作るシーンになぞらえて「マネーレゴ」ということも。
【3】予測市場
DeFiでいう予測市場とは、「ゲーム大会やスポーツイベントなどの結果を予測して仮想通貨を賭け、的中したら報酬を受け取ることができるサービス」のこと。ギャンブル性が高いが、ブロックチェーンにはデータが改ざんされにくい特徴があるため、報酬支払いなどに不正が起きにくいメリットがある。予測市場には「Augur(オーガー)」や「Gnosis(ノーシス)」といったサービスが立ち上がっているが、2021年10月末時点では、日本人にとってはなじみのない取引対象ばかりだ。
【4】AMM Automated Market Maker
日本語で「自動マーケットメイカー」と呼ばれる、DeFiの根幹技術。既存の金融業界では、為替取引の際に逐一投資家同士をマッチングしているが、多くのDeFi取引所ではこのシステムを排除。代わりに、「流動性(LP)プール」という大量の仮想通貨ストックを間にはさみ、投資家はそこと売買する。売り手と買い手をマッチングする手間を省くことでコストを削減しているのだ。LPプールに資金を供給する代わりに報酬を得るのが、「流動性マイニング」である。
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構成/DIME編集部