今すぐDeFi投資を始めてみたいと思った時に、何から手をつければよいか。まずは前提となる知識を頭に入れておこう。用語が従来の金融とまるで違うので、よくあるDeFi投資の用語や、ネット上にあふれるDeFiサービスとはどのようなものかを、わかりやすくまとめた。
本質は既存の〝金融〟と同じで「仮想通貨の融通」
「イールドファーミング」が稼ぎ方の基本
資金が余っている人から不足している人へ融通するという、金融の本質はDeFiでも変わらない。しかし従来の金融とは異なりDeFi預金、DeFi証券、DeFiカードローンといった言葉は見かけない。代わりに「イールドファーミング」という言葉をよく目にする。これは、仮想通貨をDeFiサービスに預けることで利息や手数料収入を得るという仕組みで、仮想通貨で行なう預金や投資を一緒くたに表わす。DeFi投資では基本となる手法は以下の3つだ。
まずは基本となる3つの手法を理解しよう
(1)レンディング 仮想通貨を貸し出して稼ぐ
(2)ステーキング 取引承認の投票権で稼ぐ
(3)流動性マイニング 仮想通貨同士の両替手数料で稼ぐ
この3手法の中でステーキングが一番イメージしづらい。仮想通貨取引をブロックチェーン上に記録する時に、データが正しいかネットワーク参加者によって、承認投票が必要になる。この作業をステーキングといい、参加者には報酬がもらえる仕組みだ。
なぜイーサリアム(ETH)やバイナンスコイン(BNB)がDeFiサービスによく出てくるのか?
「スマートコントラクト」がDeFiを形作るすべての礎
管理者が不在のDeFiで、利息が正しく受け取れるのだろうかという不安を解消するのが「スマートコントラクト」という技術だ。スマートコンラクトは「ブロックチェーンに記録されている取引データと連動して、指定期日になったら利息を支払う」といった契約事をプログラミングでき、期日になったら支払いを自動実行してくれる。
●スマートコントラクトのイメージ
金融サービスにとどまらず、物やサービス提供の対価を支払うという契約の基本原則をプログラミングし、自動で履行される。
DeFiで稼ぐために準備するものは?
DeFi投資を始めるにあたって必要なものは右に記した2つだ。実は、仮想通貨投資や、最近話題となっているNFT投資と共通している。DeFiの取引では、手数料の支払いから投資金の準備まですべて仮想通貨で行なうのだが、手数料に使える仮想通貨はDeFiサービスによって異なってくるため、対応する仮想通貨の準備が必要だ。
仮想通貨やNFT取引と同じものが必要
(1)メタマスクなどの仮想通貨ウォレット
(2)イーサリアムやバイナンスコインなどのDeFi取引で使う仮想通貨
主なDeFiサービスの一覧
前述した3手法で投資できるDeFiサービスは無数にあると言っても過言ではない。その中では分散型取引所(DEX)というサービスでの投資がメジャーだ。以下に掲載したものは比較的知名度が高く、初心者でも試しやすい。各サービスとも独自の仮想通貨を発行しており、サービスを利用することでもらえる場合もある。利用者が増えるほどその価格が上昇するため、利息収入と合わせて利益の二重取りができるかもしれない。
DeFiサービスで活躍する「ステーブルコイン」って何?
投資手法ではないが、円や米ドルなどの法定通貨や、他の仮想通貨と価格連動するように作られた仮想通貨がある。「ステーブルコイン(安定した仮想通貨)」と呼ばれるもので、上の表でいえば「DAI」がこれにあたり、多少の価格のズレはあるものの1枚1米ドルで売買できる。多くの仮想通貨の価格は1日あたり10%以上乱高下することがよくあるため、モノやサービスを購入するための〝通貨〟としては使いづらいが、ステーブルコインは価格の変動が小さいため、既存の金融の仕組みのように安定した取引を実現するには必要不可欠なものだとされている。
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取材・文/編集部