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【DeFi投資入門】識者に聞いたDeFiサービスを担うコミュニティーの役割

2022.01.11PR

DeFi投資や関連する仮想通貨投資で莫大な利益を得たというニュースを耳にすることも増えたが、DeFi投資で億り人になれるという期待の裏にはどのようなリスクがあるのか。また、DeFiには中央管理者の代わりにコミュニティーが存在しているが、健全に機能しているといえるのか? 実際にコミュニティー運営に携わる有識者の毛利元優さんに実情を聞いた。

既存の金融サービスに一石を投じたDeFi

 日本で暮らしていると実感が湧かないかもしれないが、世界には金融サービスを使いたくても使えない人たちがたくさんいる。銀行口座が作れない、戸籍がないなど、様々な理由がある。

「国が強権的に国民の金融サービスを制限しているケースもあります。一方で、DeFiはどこの国の管理下にも置かれていません。ネット環境さえあれば誰でも利用できる金融として期待されています」と分析する毛利さんは、DeFiサービス「PancakeSwap」や「Solana」などでコミュニティー運営者を務める人物だ。

 DeFiではそのサービスを運営する管理者が存在しない代わりに、技術に長けた有志たちで運営する「コミュニティー」がある。その運営方針は金融当局の規制を受けない。「DeFiサービスによってコミュニティーの運営者の支配力が異なります。中心となる運営者の鶴の一声で方針が決まる場合もあれば、意思決定の『分散』を意識して、広くそのサービス利用者に意見を問う場合もあります」。いずれにせよ、ネット上のみで、人々に金融サービスを提供する。皮肉にもこれが中央集権的な組織である国連が掲げるSDGsのひとつ、金融包摂の最適解なのかもしれない。

金融包摂とは?

国連が2030年の達成を目指すSDGs(Sustainable Development Goals)、自然環境に配慮しながら経済的、社会的に立場が弱い人たちの生活を向上させる目標の中のひとつ。貧困などを理由に金融サービスを使いたくても使えない人たちに対し、新技術などを活用してそのサービスを届けようとする取り組みである。

「供給を制御し、高い利回りを実現しますが、サポートは少ない!」
最大で年利数百%もの超高利回りを実現できるのは、既存の金融に比べて運営コストがかからないためです。それに加え、価格維持や運営方針を「コミュニティー」が決定できる効果も大きいです。その分、初心者に対するサポートが手薄いのはデメリットですね。

毛利元優さん

PancakeSwap JP Admin
毛利元優さん

価値が暴落しないようにガバナンス機能で秩序を保つ

 DeFiサービスの運営を担うコミュニティーは、金融の民主化に必要不可欠であるというがそれはなぜか。

「ドルや円などの法定通貨の流通量コントロールは、中央銀行や需給を把握できる金融機関が行なうので一般企業や民間人にはどうにもなりません。ところがDeFiでは、そのサービスで独自発行している仮想通貨のコントロールを投資家に委ねることができます」と、毛利さんは〝中の人〟の視点でメリットを語る。「コミュニティーメンバーや、その仮想通貨を保有する投資家に投票権を与えて、様々な方針を決議しています。例えば、仮想通貨の供給量を減らしてデフレ状態にし、価格を上げていくかどうかなどです」

 仮想通貨のデフレ状態を作る方法は、残高データの一部を完全に消去すればよい。この方法は「バーン(日本語で「焼却」の意)」と呼ばれている。法定通貨の紙幣を燃やしてしまうことになぞらえているが、株式会社が行なう「自己株式の取得」にも似ている。

「方針決議や通貨供給量を制御しての価格操作がコミュニティーを通じてできるので、仮想通貨のほうが、法定通貨よりも民主的だと考える人がいるのも事実です」

 一方で、「既存の金融サービスは、利用者や投資家へのサポートが充実しているのに対し、DeFiではサポートがほぼ皆無です。コミュニティーで自発的に質問するなど、積極的に行動しなければなりません」とデメリットにも言及する。「わからないことやトラブルは自分で調べて解決するのが原則です。仮想通貨取引をしたことがない初心者にはハードルが高いというのが現状でしょう。しかしリテラシーが高く、常にアンテナを張っている人は、いち早く価格変動の情報をキャッチでき、高い利益を得られるともいえます」

●ガバナンス維持のための投票機能がある

ガバナンス維持のための投票機能がある

「PancakeSwap」では、同サービスが発行する仮想通貨「CAKE」を保有していると、様々な提案に対しての決議投票に参加できる。

●仮想通貨CAKEの価格推移

仮想通貨CAKEの価格推移

「バーン」を繰り返しCAKE1枚当たりの価値を高め、1年で20倍以上の値がつくようになった。

法定通貨やCBDCとうまくつきあって行けるのか?

 仮想通貨の法規制発展とともに、CBDC(中央銀行デジタル通貨)がリリースされたり、円や米ドルなどと価格連動する「ステーブルコイン」を政府が発行したりすると仮想通貨と法定通貨との垣根がなくなっていく。「将来的には人々が意識せずにDeFiを利用するようになるでしょう。一般化が進み『DeFi』とすら呼ばれなくなるかもしれません。既存の銀行が『PancakeSwap』でいうCAKEのような、ガバナンス維持を目的とした仮想通貨を発行する可能性もありえます」。

 デジタル化が進む社会において、中央銀行や政府の方針によって様々なシナリオが考えられる。既存の金融機関も最新技術であるDeFiの技術を応用し、共存の道を選んだほうがうまくいくのかもしれない。

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