仮想通貨とNFTはよく一度に語られるが、これらと似ているものに「セキュリティートークン」というものがある。やはり、ブロックチェーン技術を使って価値を表わしたもので、仮想通貨やNFTと同じくネット上で取引できる。違いはまず、セキュリティーには「証券」という意味があり、セキュリティートークンとは、企業が発行している「株式」をデジタル化したものといえる。株式も同じ企業が発行しているものであれば、通貨の1万円札のように、基本的に同じものとしてどれも扱える。NFTでは、シリアルナンバーを付与した〝1点モノ〟、つまり代替不可能という特徴があった。またセキュリティートークンの場合、日本では金融商品取引法という法律でその取引に規制がかかっている。具体的には、セキュリティートークンの売買の仲介を行なえるのは、証券会社でなければならないという規制である。
つまり、NFTはデジタルコンテンツの権利を表わしているが、金融商品ではない。一方、セキュリティートークンは会社などの権利を表わして、金融商品として扱われているという違いがある。
技術仕様によって用途を使い分けている!
NFTもセキュリティートークンもイーサリアムという仮想通貨のブロックチェーンを基盤に使って発行している。厳密には、その内部規格が異なる。右表にまとめたとおり、それぞれ「ERC721」「ERC1400」という規格で発行されている。その規格にはトークンを分割できるかなどの違いがある。NFTかセキュリティートークンか区別できない場合には、この規格番号がどちらかを調べれば判定できる。
■ NFTとセキュリティートークンの仕様
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