デブ脳をリセット!「101の科学的根拠と92%の成功率からわかった満腹食べても太らない体」
コロナでジムを辞めたらたった1年で5キロも太ってしまった。これまで履いていたスリムパンツが全然入らないのが悲しすぎる。何とか痩せないと、見た目が悪いだけでなく健康にも良くない。さっそく糖質制限ダイエットをしたが、あんまり効果が無い。
何か良い方法が無いかと探していたら、書店でものすごい本を見つけた。「101の科学的根拠と92%の成功率からわかった 満腹食べても太らない体」(SBクリエイティブ発刊、富永康太著、定価1,694円)だ。
本の帯には「デブ脳がリセットされ一生やせ型キープ」「二度と体重を気にしない自分に生まれ変わる」とか、「毎日ワインを飲んで太らない法」という魅力的な言葉が掲載されている。糖質制限ダイエットに失敗した自分でも、なんだかすごく期待できそうじゃないの!
今回は特別、著者の富永先生にお話を伺うことができた!先生、よろしくお願いします!
食欲をコントロールしている脳からのアプローチでダイエット
――先生、この本では科学的根拠に基づいて太る仕組みと、痩せる方法を紹介してくれています。これまで自分はファスティングの様に「食べる量を減らす(摂取量を減らす)」か、摂取したカロリーを燃焼させる「運動をする(消費量を増やす)」の二つのアプローチしかないと思っていました。太るのは「脳」が原因というのは驚きました。新しいアプローチですね!どうして脳だと分かったのでしょうか?
富永先生 はい、私はこれまで何百人という人に対してダイエット指導をしてきました。その中で、大半の人は一時的に痩せることができてもリバウンドしてしまうという現状を目の当たりにしてきたんです。
そうした時、多くの人は食欲が爆発してリバウンドしていて、この食欲の乱れがダイエットのキーポイントになると感じました。また、ダイエットをせずに太っている人は、本人は普通に生活しているようでも、話をよく聞くと明らかに食べ過ぎているということに気づきました。
こうしたことから、太ってしまったり、リバウンドしてしまったりする原因は食欲にあると考えたのですが、その食欲をコントロールしているのが脳であるので、これは脳へのアプローチが大切だと気付き、脳を中心としたアプローチをしていったところ上手くいく人が続出したんです。特に脳と自律神経、ホルモンの働きを正常化することで、自然と食欲がコントロールされてリバウンドなく痩せることができるようになることに気づけました。
糖質制限ダイエットは自律神経のバランスを崩してしまう
――そうだったんですね!自分が失敗した糖質制限ダイエットは自律神経のバランスを崩す悪いダイエットでした。どうりでリバウンドしたわけだ!
富永先生 はい、糖質制限は食べ物から糖分を取れないので、無理やり自律神経(交感神経)を働かせることになるので、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
食べてはいるけど体を動かすエネルギー源(糖分)が入ってこないので、それを補うために自律神経が過剰に働くのです。その結果、簡単にいうと体に(エネルギーが足りないという)ストレスがかかり過ぎて、ストレス食いが起こるようになります。
また、血糖値が上がることは食欲を落ち着かせることにもつながるので、糖質制限をして血糖値が上がらないと、食欲は爆発しやすくなるんです。
さらに、体のエネルギー源である糖分が入ってこないので、体はエネルギー不足の状態と判断して代謝を下げてしまいます。エネルギーが足りないから、省エネ状態にしてなんとか生きていこうと対応するわけです。
こうした食欲や代謝は自律神経とホルモンによってコントロールされているので、めちゃくちゃ簡単にいうと糖質制限は自律神経とホルモンを乱してリバウンドを招くダイエット方法だと言えます。
ダイエットだけでなく睡眠や疲労回復にも効果がある
――なるほど、本当に納得です!この本を読むとダイエットってかなり「脳の問題」が影響しているんだなと思いました。自分も食事に対する間違った思い込みが結構あった気がします。なかなか考え方を変えるのは難しそうですが、普通の人でこの本を読んでどれぐらいで痩せ始めますか?
富永先生 そうですね。正直、その方の状態によるとは思いますが、これまでほとんどダイエットをしていないような人であれば1ヶ月目から効果を感じられるはずです。
また痩せるではなくても、食欲が落ち着いた、よく眠れるようになった、疲れにくくなったなど、体調の変化は1~2ヶ月で感じられる人が多いと思います。ただ当然ですが、無理なダイエットを何年もしている、何年も摂食障害で悩んでいるといった状態であれば、半年や1年など変化するまでにある程度の時間は必要になります。
自分のお腹の具合に合わせるだけでもダイエットできる
――本でも具体的に「痩せ脳」になる方法が具体的に書かれていますが、自分たち世代へのアドバイスなどがあれば教えてください。
富永先生 はい。30代の男性であれば、ほとんどの人は何も意識せずに生活して体重が増えてきた人が多いと思います。そうした場合、『お腹具合を感じる』ということを意識するだけで、体重はスルスル落ちてきます。
例えば、食事を食べる前に『本当にお腹空いているかな?』と感じたり、食事の途中で『これは最後まで食べたらお腹いっぱいにならないかな?』と立ち止まったりするだけでも、いかに無意識に食べ過ぎているかを把握できるはずです。食べ過ぎていることに気づいたら、後はその気づきにしたがって食べる量を調整すれば、それだけでも痩せてきます。
30代男性には、こうしたお腹具合を感じる、腹八分目で終わるといった当たり前のことができずに太ってしまっている人が多いと感じています。
――確かに!自分も大学運動部時代のどんぶり飯の食事を無意識に引きずっていたような気がします。富永先生の言葉に目から鱗です。ありがとうございました!
先生の話からも分かる通り、この本では一つ一つの項目に対してきちんと参考文献が入っていて、説得力がある。単に痩せるだけでなく、痩せた体をキープできる上、食べ物に囚われていた自分が解放される点も、魅力的だ。「痩せ脳」で本当の自分を取り戻して、健康で自由に生きられる社会が、実現するかもしれない。
著者紹介 富永康太(とみなが・こうた)
食欲コントロールダイエット協会代表理事。
西日本リハビリテーション学院卒業後、理学療法士として、広島市内のクリニック、熊本の医療法人フォーチュンなかがわ整形などに勤務。生理学や解剖学など医学的知見を用いて、延べ3万人の患者の治療に携わる。
その中で、対症療法的でなく「体に元々備わっている機能を正常に戻す」理学療法士の根本的治療の知見が、体重コントロールにも通ずることを実感し、ダイエットについて学び始める。2016年5月に体質改善サロンとして「Leaf」開業。
2019年「一般社団法人 食欲コントロールダイエット協会」設立。
現在はサロンだけでなく、電話相談やオンラインダイエットなども行っている。
オンラインサロンでは、ダイエットによって過食や拒食といった摂食障害に陥ってしまった人から、何十年もダイエットを失敗し続けている人など年間200人を超える人を指導。
情報発信としてSNSでも積極的にダイエットに関する情報を日々発信しており、インスタグラムのフォロワーは5.5万人、YouTube「食欲コントロールダイエット講座」はチャンネル登録者数 7.3万人、Twitterフォロワー数3.4万人。
https://www.amazon.co.jp/dp/4815612307
(文/柿川鮎子)