楽天が2022年4月から、楽天市場のポイント進呈ルールを「税込」から「税抜」に改定することから、SNS上などでは「また楽天ポイントが改悪だ」と批判が起きました。
確かに、このところ楽天ポイントの進呈ルールなどが相次いで改定され、楽天経済圏で生活する人にとっては、手痛い打撃となることが予測されます。
このように、多くの人が「改悪だ」と判断する楽天ポイントの改定とは、どのような内容なのでしょうか。
楽天経済圏の人が影響を確認すべき改定の内容と、今後も楽天ポイントを上手に利用するための対策について、改めてまとめてみましょう。
1.楽天ポイントの進呈ルールの改定
まず、上記の通り、2022年4月から楽天市場でのポイント進呈ルールが「税込」から「税抜」に変更されます。
現在、100円(税込)につき1ポイント進呈であるものが、来年4月以降は100円(税抜)につき1ポイントになるということです。
税込1100円の買い物をした場合で考えると、11ポイントついていたものが、10ポイントしかつかなくなるということですから、ポイントの損失は税込1100円で1ポイントになります。税込み11000円で考えても、10ポイントの差ですから、たいしたことではないと思うかもしれません。
しかし、楽天市場ではSPU(スーパーポイントアッププログラム)や、0と5のつく日、などポイントの倍率が上がる仕組みがあるため、もとになるポイント数が減るということは、倍増するポイントも減るということになり、実質の損失はさらに大きくなります。
2.公共料金や税金のポイント還元率の改定
楽天カードで公共料金や税金などを支払った場合、これまでの楽天ポイントの還元率は1%でしたが、500円利用につき1ポイントの0.2%に大幅ダウンしています。
効率よく楽天ポイントを貯める方法のひとつとして、公共料金や税金の支払いを楽天カードで行うことがセオリーでしたが、もはや他のクレジットカードよりも低い還元率になっています。
水道光熱費で毎月2万円支払いがある人は、水道光熱費を楽天カードの支払いにするだけで毎月200ポイントを稼ぐことができましたが、現在は40ポイントしか稼ぐことができません。年間2400ポイント獲得できていたものが、480ポイントにしかなりませんので、従来の5分の1に減ってしまっています。
3.ゴールドカードのポイント還元率
年会費2200円の楽天ゴールドカードでは、2021年4月1日以降の楽天市場でのポイント還元率が+4倍から+2倍に引き下げられました。+2倍というのは、年会費無料の楽天カードと同じ還元率です。
代わりに、誕生月に楽天市場・楽天ブックスを利用するとポイント+1倍(上限2,000ポイント)となるお誕生月サービスが開始されていますが、それでも+4倍には届きません。年に1ヵ月だけのサービスと考えると、楽天ゴールドカードのユーザーにとっては、ないよりましという程度なのではないでしょうか。
楽天経済圏の人は見直しを
楽天ポイントと言えば、貯まりやすいというイメージを持っている人も多いと思います。
しかし、現状では、次々に出された改定により、楽天のヘビーユーザーほど以前よりも確実に貯まりにくくなっています。
特に影響が大きいのが、年会費2200円の楽天ゴールドカードを所有しているユーザー層です。
楽天ゴールドカードを所有する大きなメリットだったポイント+4倍が、年会費無料の楽天カードと同等にまで引き下げられたことで、楽天カードにグレードダウンさせるか、これまで通り+4倍となる楽天プレミアムカードにグレードアップさせるか検討せざるを得えなくなった人も多いことでしょう。
また、公共料金や税金を楽天カードで支払っていた人は、他のクレジットカードで支払うよう変更の手続きを怠らないようにしないと、時間がたつほど大きな損になってしまいます。
楽天サービスの利用も検討を
楽天ポイントの相次ぐ改定により、獲得できる楽天ポイントが減少してしまう人は、どのような対策を考えればよいのでしょうか。
「これ以上ポイントアップさせる方法がない」というほどの楽天ヘビーユーザーにとっては、正直これといって有効な対策は少ないかもしれません。
しかし、楽天カードを所有しており、これまでポイントアップにあまり興味を持ってこなかった人にとっては、まだ楽天ポイントを増量させる手段は残っています。
楽天ヘビーユーザーにとっては目新しい手法ではありませんが、これまで何も考えずに楽天カードを利用してきた人にとっては、
・楽天モバイルや楽天ひかりなどを利用して、SPU(スーパーポイントアッププログラム)の倍率をあげる
・0と5のつく日の利用などキャンペーンを確実に利用する
・還元率1%の楽天カードではなく還元率1.5%の楽天ペイを利用する
・楽天市場を利用する前には必ずポイントサイトを経由する
など、基本的なポイントアップの仕組みを押さえるだけでも、楽天ポイントの進呈ルールの改定で減少するポイント分くらいはまかなえるはずです。
今後も楽天ポイントを貯めたい人は、再度ポイントの貯め方を確認し、獲得ポイントの減少を最小限にとどめる工夫が必要になります。
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文/家計簿・家計管理アドバイザー あき
著書に「1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖(講談社の実用BOOK)」「スマホでできる あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他