■連載/大山即席斎の“三ツ星”インスタント麺
近頃SNS界隈で話題になつているのが冷凍ラーメンの自動販売機だ。
ちょっと気になってはいたのだが、この秋自宅の最寄り駅の駅前にも登場していた。冷凍麺は自分の専門から少しはずれるのでしばらくはスルーしていたのだが、けっこう話題となったのでラインナップをチェックしに行ってみた。
この自販機は大田区の丸山製麺により設置されたもので、現在は全国で30か所以上設置されており、2022年度末までに100か所の設置を目指しているそうだ。実にありがたい。
こちらの自販機には4種類のラーメンと1種類の餃子があり、どれも一律1000円であった。
できれば全部買って食べてみたい…。しかし1000円という高価格の壁が高いハードルとなって立ち塞がっている。
ここは目をつぶって、エイヤッと札を投入した。
しかし札を入れたあともまた、ラーメンのチョイスでひと悩みする。
あれこれ考えた末、お店でも食べたことのあるAFURI柚子塩らーめんを選択し、ボタンを押す…押す…!?
押してしまうと購入が決定してしまい千円札はもう戻ってこなくなるがそれでいいのか!?
などと逡巡しつつもボタンに指が触れ、商品がガコンッ!!と音をたてて取り出し口に落ちる。
パッケージがデカイ!そして冷たい。
冷凍麺なので急いで家に帰り、冷凍庫に保管した。
1000円支払いの興奮も収まった数日後、ようやっと食べることにした。
丸山正麺「AFURI柚子塩らーめん」
中身は麺・スープ・具材・液体柚子入り。
つゆは粉末や液体スープではなく、本物のつゆが冷凍されているものを湯煎して作る。鶏ガラベースに魚介だしの旨みを効かせた芳醇な旨みの塩味。塩辛さが強くなくてまろやかな味わい。小瓶入りの液体柚子を入れて出来上がり。柚子の爽やかな風味が鼻を抜ける。
つゆとは別の湯で茹でる四角い断面でちぢれていない冷凍麺は、サックリとした嚙みごたえのあるシコシコ食感ながら、口当たりはソフトだ。まさに生麺の食感。パッケージによる差はあると思われるが炙り焼豚は長径85ミリ×短径80ミリ×厚さ5ミリほどの大型で、インスタントではないまさにお店の味。ほかにメンマと海苔入り。メンマもカップ麵のやつみたいに筋ばってなくて噛み切りやすい。
もう一杯!
一種類だけではレポートとして弱いので、財布は痛いがもうひとつ食べてみよう。
再び自販機の前に立つ。
前回同様札を入れるのにひと迷いしつつ商品を選ぶ。
選んだのはらーめんバリ男。オレ好みの二郎インスパイア系だ。
丸山正麺「らーめんバリ男」
中身は麺・スープ・唐花のみとシンプルだ。
こちらのつゆも粉末や液体スープではなく、本物のつゆが冷凍されているものを湯煎して作る。なんと、具はこの中に入っていた!つゆは豚肉・背脂・豚ガラベースの超こってり二郎インスパイア系醤油味。
つゆとは別の湯で茹でる四角い断面手揉み風にちぢれた極太冷凍麺は、ガッシリとした嚙みごたえのあるシモッチリコシコ食感で、讃岐うどんや味噌煮込みうどんの食感に近い。麺は300gと大量で、1人前とはとても思えない。スープ内には厚さ10ミリ前後ある大判チャーシュー3枚入り(大きさはバラバラ)。焼豚はとてもやわらかでまさにお店の味。最後に特製唐花をかけて出来上がり。特製唐花は唐辛子の風味はあるが、特に辛くはない。
二郎風に仕立てるためにもやしとネギは別途追加した。
【今回の即席レビュー(5点満点)】
味 具 ボリューム コスパ
AFURI柚子塩 ★★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
らーめんバリ男 ★★★★★ ★★★★+ ★★★★★ ★★★★
具付き醤油 ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★+
<この商品が好きな人にはこんな一品もオススメ!>
キンレイ「具付き醤油ラーメン」
こちらはセブンプレミアム商品で、冷凍食品大手のキンレイが製造している。
鍋でも電子レンジでも作れるようだが、今回は鍋で調理した。
液体スープで作るつゆは、チキンはポークの旨みがしっかりと出ていて、醤油の風味も豊かだ。けれん味のない正統派醤油味だ。麺は四角い断面のほとんどちぢれていない太麺で、冷凍麺なので噛みごたえのあるモチモチ食感で、豊かな弾力性がある。食感・味わいともにほぼ生麺に匹敵する。具として煮豚・ほうれん草・メンマ入り。焼いていないのでパッケージでは煮豚と表記されているが、実質はチャーシュー。サイズは長径約90ミリ×短径約70ミリ×厚さ3-4ミリほどと大型。
文/大山即席齋