「ふるさと納税」に関する調査2021結果
近年、節税対策として「ふるさと納税」による寄付をする人が増加傾向に。NTTコム リサーチは、登録モニターのうち全国20歳以上の男女(学生を除く)を対象に、昨年に引き続き「ふるさと納税」について調査を実施した。
調査結果のポイント
(1)年齢層が上がるほど実施率は低くなる。1回あたりの寄付の平均金額が、昨年の調査結果と比較して増加している。
有効回答者全体の30.4%が「ふるさと納税」による寄付を実施しており、年代別にみると、年齢層が上がるほど実施率が低くなっている。また、1回あたりの平均寄付金額が、「10,000円以上」の割合が65.3%となっており、昨年の60.8%から増加しており、「ふるさと納税」の1回あたりの寄付金額が昨年の調査と比べ上がっている。
(2)「ふるさと納税」による寄付を実施する理由として、「節税対策」が増加している。
「ふるさと納税」による寄付を実施した理由として一番多かったのは、「返礼品への興味」(43.2%)。次に「節税対策」(37.1%)が続くが、双方の理由とも、昨年の調査結果からポイントを伸ばしている。「ふるさと納税」による寄付の実施は、返礼品の内容に依存するところが大きいことに変わりないが、「ふるさと納税」による寄付の実施の理由を節税対策としている人が昨年の調査から5.7ポイント増えており、自身が納める税金への関心が増えていることに注目したい。
(3)食品の返礼品を選ぶ人が多い。肉類、魚介・海産物類を受け取ったことがある人が半数以上を占める。コロナ禍での巣ごもり需要や返礼品の増量も影響か。
受け取った返礼品は、「肉類(牛肉、豚肉、鶏肉、馬肉、ハム、ソーセージなど。加工品含む)」が65.6%で最も多く、「魚介・海産物類(生鮮海産物、干物、うなぎ、缶詰など。加工品含む)」が55.0%で続いた。以降、食品や飲料が上位を占める。
(4)「ふるさと納税」実施者は、返礼品や寄付した自治体への関心が高く、同じ自治体へ「ふるさと納税」による寄付を複数回実施したことのあるリピーターは65.9%。
これまで寄付を実施したことがあると回答した回答者の65.9%が、同じ自治体に「ふるさと納税」を実施したことがあると回答した。また、同じ自治体に複数回「ふるさと納税」を実施するリピーターの73.2%が、1回あたり平均1万円以上を寄付しており、リピーターの1回あたりの寄付金額が高いことがわかる。
(5)「ふるさと納税」による寄付を実施したいと思う人と思わない人の実施意向の差が広がった。
「ふるさと納税」による寄付を実施したことがあるとした回答者のうち、「ふるさと納税」による寄付を実施(継続)したいと思うと回答したのは93.5%。昨年の調査結果の91.5%と同水準で、継続意向が引き続き高い。
一方で、「ふるさと納税」による寄付を実施したことがないとした回答者のうち、「ふるさと納税」による寄付を実施(継続)したいと思わないと回答したのは26.4%で、昨年の調査結果の32.4%から6ポイント減少した。
「ふるさと納税」による寄付を実施したいと思う人と思わない人の実施意向の差が広がった。
(6)「ふるさと納税」による寄付を実施(継続)したいと思わない理由として、「寄付をすることに関心がない」と考える人が増加した。
「ふるさと納税」による寄付を実施(継続)したいと思わない理由として、「制度についてよくわからない」との回答が昨年同様最も多かったが、昨年の結果の31.7%から3.5ポイント減少した。一方で、次に多かった「寄付を実施することに関心がない」は、昨年の結果の20.2%から4.8ポイント増加し、25.0%であった。
調査結果について
調査概要
1. 調査対象: 「NTTコム リサーチ」登録モニター
2. 調査方法: 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間: 令和3年5月18日(火)
4. 有効回答者数: 1,119名
構成/ino.