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『御託を並べる』の意味が分からなければ、もし職場で指摘されても自分の悪い点を改善できませんよね。御託を並べていると思われないような話し方を知ることが大切です。言葉の意味や由来、御託を並べる人にならないための方法を紹介します。
「御託を並べる」とは?
御託を並べるとはどのような言葉なのでしょうか。具体的な意味や由来、似た意味の言葉について解説します。
読み方
まず読み方に戸惑う人もいるでしょう。「御託を並べる」は「ごたくをならべる」と読みます。
慣用句の意味
『御託を並べる』とは、自分勝手な言い訳や理屈をしつこく言い立てることです。つまらないことをくどくどと偉そうに述べる様子を指す場合もあります。
基本的にはネガティブな意味合いを持つ表現です。御託を並べる人を相手にすると、話が長くなったり意見を押し付けられたりするため、嫌な気分になるでしょう。
逆らえない立場にいる人の意見や命令を揶揄(やゆ)する際も、御託という言葉がよく使われます。自分の考えに関係なく、他人の意見や命令に従わなければならないときに、『御託を並べられた』と表現することが可能です。
「御託」の由来は?「御託宣」の略語?
御託を並べるの『御託』は『御託宣(ごたくせん)』の略語です。御託宣とは、人に乗り移った神様がお告げをすることや、神様にお祈りをして受けたお告げを意味します。
御託宣は自体は神様からのありがたい言葉です。一方、偉そうに長々と御託宣を述べ立てる態度が、ネガティブな意味の表現として使われるようになったとされています。
単に御託を言うのではなく、御託を“並べる”としている点もポイントです。『並べる』には『あることを次々と発する』という意味があり、くどくどとした様子を強調しています。
「御託を並べる」の使い方や例文
御託を並べるの具体的な使い方を理解しましょう。上手な使い方を覚えるには、例文を見ておくのが効果的です。
相手の行動をネガティブに表現
御託を並べるは、相手や他人のネガティブな行動を批判する際によく使われます。具体的な使い方を例文で確認しましょう。
【例文】
- 部長はいつも御託を並べて部下の私たちに注意をしてくる。どの部分を直せばよいのか、肝心な部分を理解できないことが多い
- 自社の商品やサービスを顧客に紹介する際は、いろいろと御託を並べるのではなく、顧客にとってどのようなメリットがあるのかをきちんと伝えることが重要だ
- 御託を並べるばかりで行動が伴っていない彼は、部署内の誰からも信用されていない。しかし、口だけは達者であるため、上層部からの評価は高いようだ
ビジネスシーンで使われる表現
ビジネスシーンにおいては、言い訳ばかりで行動に移さない部下を上司が注意する際に、御託を並べるが使われます。例文は以下の通りです。
【例文】
- 御託を並べてばかりいないで、さっさと仕事を済ませてしまいなさい
- ミスをするとすぐに御託を並べるのが君の悪い点だ
複数人が意見を交わすミーティングでも、御託を並べる人が発生しやすい傾向があります。自分の意見を押し通そうとするあまり、くどくどとした説明になりがちです。結果として以下のような注意を受けることになるでしょう。
【例文】
- あなたの話は御託を並べているようにしか聞こえない。ポイントを端的に説明しなさい
言い換えに便利な「御託を並べる」の類語
御託を並べるの代表的な類語を見ていきましょう。言葉が頻出したり、相手に意味が伝わらそうだったりする場合には、こうした表現が有効です。
能書きを垂れる(のうがきをたれる)
【意味】
専門的な知識や理屈を偉そうに述べ立てること。多くの場合、相手を不快にさせる長々しい説明や理屈を指す、代表的な言い換え表現です。
【使い方と例文】
・彼はいつも能書きを垂れるばかりで、実際の行動が伴っていない。
能書きを垂れるは、自分の知識や意見を過剰に説明することで、他人を説得しようとする態度を批判的に表現する時に使うといいでしょう。
口先だけ(くちさきだけ)
【意味】
言葉や約束は立派だが、実行力が伴わないことを表した言葉です。
【使い方と例文】
・彼はいつも口先だけで、実際には何も行動しない。
口先だけは、言葉だけで物事を済ませようとする人を批判する際に使います。言動が一致しないことに対する不信感を表わすのに適しています。
屁理屈を言う(へりくつをいう)
【意味】
本質から外れた無理な理屈や、言い逃れのための理論を述べることを意味します。
【使い方と例文】
・彼はいつも屁理屈を言って、自分の失敗を正当化しようとする。
屁理屈を言うは、無理な理屈やこじつけを言って、自己弁護や言い逃れをする態度を指します。議論や討論の場で使われることが多い表現だと覚えておきましょう。
このほか、得意げに長々としゃべり立てる『長広舌(ちょうこうぜつ)をふるう』も覚えておきましょう。延々と続くスピーチの様子を表すのによく使われる表現です。
他にも、『講釈を垂れる』『四の五の言う』『とやかく言う』などの類語があります。それぞれのニュアンスが微妙に異なるため、状況に合わせて使い分けられるようになりましょう。
「御託を並べる人」にならないためには
御託を並べるの意味が理解できたら、自分が御託を並べる人にならないよう努力しましょう。ビジネスシーンで御託を並べると言われないための方法を紹介します。
要点をまとめて伝える
御託を並べる人にならないためには、物事の要点をきちんとまとめて伝えることが重要です。自分の意見を主張する際に、分かりやすさと端的さを意識する必要があります。
御託を並べる人は話の要点を絞っていないため、もったいぶって長々とした話になりがちです。話を聞く側にとっては、どの部分が重要なのか分かりにくくなってしまいます。
ミスを犯した際も、ごまかしたり自分を正当化したりするために、くどくどと言い訳をするのはNGです。まずは自分の責任を潔く認め、考えられる理由を全て報告しなければなりません。
まずは行動で示そう
御託を並べる人の多くは、行動より言葉で理解してもらおうとする傾向があります。しかし、ほとんどのシーンで求められるのは、言葉ではなく実際の行動です。
御託を並べる人と言われないようにするためには、言葉より先に行動で示すことが大切です。何よりも結果が重視されるビジネスシーンでは、とにかく行動し続ける必要があります。
行動した結果、思うような成果を上げられなくても、言い訳は考えないようにしましょう。成果を上げ続けている人は決して言い訳をせず、まずは自分に原因がないかを考えています。
構成/編集部