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「法テラス」って何?覚えておきたいサービス内容と利用要件

2021.12.08

「相談できる弁護士に心当たりがない」
「弁護士費用を準備できない」

法律トラブルに巻き込まれたものの、上記のような心配がある場合には、「法テラス」の利用をご検討ください。

今回は、法テラスとは何なのか、さらに法テラスのサービス内容や利用要件などを解説します。

1. 法テラスとは?

法テラス(正式名称:日本司法支援センター)は、市民から弁護士などの法専門家へのアクセスを改善するため、2006年4月10日に国が設立した独立行政法人です。

法テラスの地方事務所は全国各地に設置されており、法律トラブルに関する相談全般を日々受け付けています。

参考:お近くの法テラス(地方事務所一覧)|法テラスHP

2. 法テラスで受けられるサポート

法テラスでは、主に以下のサポートを受けることができます。

法律トラブルの解決を依頼できる弁護士などに心当たりがない方や、依頼費用の準備に不安がある方は、法テラスの利用を検討してみましょう。

2-1. 弁護士・司法書士などの紹介

法テラスは、多くの弁護士・司法書士に関する情報を抱えています。

弁護士や司法書士への繋がりがない方でも、法テラスに相談すれば、事件を受任してくれそうな弁護士・司法書士を紹介してもらえます。

2-2. 無料の法律相談

法テラスでは、経済的に余裕がない方でも法専門家にアクセスできるように、「民事法律扶助」のサービスを提供しています。

民事法律扶助業務の柱の一つが、無料の法律相談です。

1つの問題につき、1回当たり30分、計3回まで、弁護士または司法書士による法律相談を無料で受けられます。

2-3. 弁護士費用・司法書士費用の立替払い

民事法律扶助業務のもう一つの柱が、弁護士費用・司法書士費用の立替払いです。

弁護士や司法書士への依頼時には、着手金や実費などの初期費用の支払いが必要になります。

法テラスの審査を通過すれば、これらの初期費用について、法テラスに立て替えてもらうことができます。

なお、法テラスに立て替えてもらった費用は、原則として援助開始から3年以内に分割で返済しなければなりません。

ただし、生活保護を受けているなどの経済的に困難な事情がある場合、返済の猶予・免除を受けられる場合があります。

3. 法テラスの民事法律扶助を利用するための要件

法テラスの無料法律相談・立替払い制度を利用するには、以下の要件を満たすことが必要です。

3-1. 日本国民、または日本に住所を有し適法に在留する外国人であること

民事法律扶助を利用できるのは、

・日本国民
・日本に住所を有し、適法に在留する外国人

です。

なお、法人や組合などの団体は、法テラスを利用できません。

3-2. 資力が一定額以下であること(月収・保有資産)

夫婦合算の月収と保有資産について、法テラスによる審査が行われます。

民事法律扶助の理由には、月収と保有資産の両方が、下記の水準以下であることが必要です。

※参考:生活保護の基準に定める一級地|法テラスHP
※医療費・教育費・家賃・住宅ローンが考慮され、金額が加算される場合があります。

※将来負担すべき医療費、教育費などの出費がある場合は、相当額が控除されます。

3-3. 勝訴の見込みがないとはいえないこと

依頼内容について、法律上一定の合理性があり、裁判所によって請求等が認められる可能性があることが求められます。

また、和解・調停・示談によって紛争解決の見込みがある場合も、「勝訴の見込みがないとはいえない」ものとして、民事法律扶助を利用できる場合があります。

3-4. 民事法律扶助の趣旨に適すること

正当な権利に基づく法律上の請求等をサポートする民事法律扶助の趣旨から、以下のような場合には、民事法律扶助の利用が認められません。

・報復的感情を満たすためだけに請求を行う場合
・宣伝目的で請求を行う場合
・権利濫用的な訴訟を起こそうとする場合

4. 弁護士への相談後に、立替払い制度を利用できる場合もある

法テラスから弁護士を紹介してもらう場合のほか、自分で弁護士を探して相談した場合にも、法テラスの立替払い制度を利用できることがあります。

法テラスの立替払い制度を利用できるかどうかは、相談した弁護士が、法テラスの契約弁護士であるかどうかによります。

法テラスの契約弁護士であれば、弁護士を通じて法テラスの立替払い制度を申請することができますので、依頼時に申請を依頼しましょう。

ただし、すべての弁護士が法テラスと契約しているわけではありません。

そのため、法テラスの立替払い制度の利用を希望する場合には、正式な依頼の前に、利用の可否について必ず弁護士へ確認しましょう。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
https://twitter.com/abeyuralaw

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