昔の日本が舞台の小説やドラマの中に出てくる、『万屋』という言葉の意味が分からない人もいるのではないでしょうか?意味や類語と合わせて、現在だとどのような店に該当するのか紹介します。意味を知り、物語を深く理解できるようになりましょう。
「万屋」の意味や読み方
まず、『万屋』の意味や読み方を紹介します。具体的にどのような店を指すのかについても確認しましょう。
万(よろず)の意味
『万屋』は『まんや』ではなく、『よろずや』と読みます。
『万』は1万円など数の単位として知られている『まん』だけでなく、『万病』や『万年筆』のように、『数が多いこと』や『たくさん』という意味もあります。
その他にも、『万事』や『万承ります』のように、『すべてのこと』という意味もある漢字です。『種類や形がさまざまであること』『いろいろ』という意味もあります。
さまざまな品物を売る店のこと
万屋は、『さまざまな品物を売るお店』のことです。食料品から日用雑貨まで、幅広く取り扱っている小規模な店や個人店を指します。
近年は、万屋を連想させるような昔ながらの店はほとんど見かけませんが、現在の雑貨屋のようなスタイルの店です。
万屋には、『なんでもできる人』という意味もあります。専門家ではないものの知識が豊富で、いろいろなことを知っていたり、できたりする人のことです。現在の『何でも屋』や『便利屋』のようなものです。
言い換えできる「万屋」の類語
言い換えられる言葉を紹介するので、知識を深めましょう。類語を知ることで、万屋がどのようなものなのかイメージしやすくなります。
雑貨屋・荒物屋
分かりやすい類語が、『雑貨屋』です。店舗により取り扱っている商品は異なりますが、キッチン用品・食器・日用品・文房具など、さまざまなジャンルの商品を販売している店のことです。
近年は、輸入食材・植物・おもちゃ・書籍・インテリアグッズ・健康グッズまで幅広く販売している店も少なくありません。
現在の雑貨屋にあたる、江戸時代にできた『荒物屋』にも言い換え可能です。当初は、旅の荷造りに必要な薦(こも)・縄・木履などを販売していました。時代とともに、ざる・おけ・ほうき・ちりとり・ろうそくなど、日用品を扱うように変化していったとされています。
便利屋
万屋には『何でもできる人』という意味があるため、『便利屋』に言い換え可能です。近年、メディアなどでも取り上げられ知名度が増しているので、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
便利屋は客の依頼を受けて、さまざまな業務を代行する業者のことです。依頼内容は多岐にわたり、日常生活のささいな困りごとや雑用から、引っ越し作業や水回りの修理など専門知識を要することまで請け負ってくれるのが特徴です。
現在の「万屋」である便利屋とは?
『便利屋』は、どのようなときに活躍するのでしょうか?具体的な仕事内容や便利屋を使うメリットなども含め紹介します。
便利屋はこんなときに活躍
便利屋の仕事は多種多様で、依頼もさまざまです。例えば、家具の配置を変えたいけれど重くて動かせない、ベッドを購入したいけれど車がなくて運べない、けがをして歩けないので買い物にいけない、といった自分では難しい作業をやってくれます。
さまざまな業務を引き受けてくれるので、各業務を専門業者に依頼するよりも費用を抑えられることも珍しくありません。例えば、ハウスクリーニングと合わせて、粗大ごみの回収をしてくれるなどです。
同日に複数の業務が完了すれば時短にもなり、仕事や家事で忙しい人でも依頼しやすいというメリットもあります。
具体的な便利屋の仕事内容
便利屋の仕事は多岐にわたりますが、具体的な内容は各業者により異なります。
代表的な仕事は、『ハウスクリーニング』です。ただ掃除するだけでなく、普通には落とせない頑固な汚れや手の届きにくい箇所などもきれいにしてくれることもあるようです。
その他には、買い物代行・家具の移動や組み立て・引っ越し作業・送迎・ペットの散歩・家事代行・害虫駆除・水回りの修理・庭の手入れ・エアコンの掃除などがあります。
また、高齢者のみや共働きの家庭が増えたことで、高齢者の身の回りの世話や子どもの世話など時代に合うサービスを提供している業者もあります。
このように、日常生活で困っていることやトラブルなどを解決するのが便利屋の仕事です。
便利屋はこんな資格を持っていることも
業者によっては、複数の資格を保有していることも珍しくありません。
例えば、引っ越し作業と同時に不用品を回収する場合は、運送業に必要な『軽貨物運送業』の許可や、中古品やリサイクル品を取り扱うための『古物商許可』という資格が必要です。『一般廃棄物収集運搬業』の資格があれば、家庭から出る廃棄物の収集も可能になります。
壁のスイッチやコンセントなどの取り付けや修理を行うには、『第二種電気工事士』の資格が必要です。キッチンやトイレの水回りの修理を行うには、『給水装置工事主任技術者・排水設備工事責任技術者』の資格が必要になります。
構成/編集部