利益を最大化するために節税機能は使わなきゃ損
一部のロボアドには、運用成績に直結する機能が備わっている。まず、2021年2月からウェルスナビが導入した「おまかせNISA」。一般NISA(少額投資非課税制度)の口座でウェルスナビのロボアドが使えるという、優れたサービスだ。
NISAとは、株式や投資信託ほかの金融商品への投資で得られた利益が非課税になる優遇制度だ。ただし、無制限に非課税になるわけではなく、年間120万円までの上限が設定されており、上限を超えた金額分の投資による利益は、通常どおり約20%課税される。
おまかせNISAでは、投資金額120万円まではNISA口座で運用されるため、配当や分配金、売却益といった利益が発生しても非課税に。120万円を超えた分は、ウェルスナビの口座で運用され、課税対象となる。
もし、一度に上限を超える入金があった場合、NISA口座では、比較的値動きが大きい投資信託や株に、優先的に資金が配分される。債券などよりも、利益は大きくなる可能性が高いため、非課税のメリットを生かす仕組みといえる。
さらに、前述したリバランスの際、NISA口座内の資産は、なるべくリバランスに伴う売却をしないようにする。NISA口座で資産を売却すると、その空いた分の非課税枠は再利用できないからだ。投資額が120万円に達したら、NISAでない通常の口座を使ってリバランスをするほうが、非課税メリットをより享受できる。
また、ウェルスナビとテオには節税機能もある。これは、リバランスに伴う税金の負担をなるべく減らす機能だ。リバランスで利益が発生している商品を売却すると課税されるが、併せて、損失が発生している商品を売却すると、利益と損失を相殺することができるので、税金の負担が軽くなる。
運用益に税金がかからない!NISAのメリット
100万円を投資して、50万円の利益が出たとする。通常の株式口座であれば、利益に対して20.315%の税金がかかる。つまり、10万1575円が税金として徴収される。しかし、一般NISA口座であれば、利益は非課税となり税金はゼロ。この非課税メリットは、年間120万円までの投資に対して適用される。
ロボアドバイザーにかかる税金は株や投資信託と同じ
株や投資信託などで得られる収益に対する、個人の所得税の税率は20.315%。ロボアドで得られる収益に対しても同じ税率が適用されるが、税金として徴収されるのは、ロボアドを解約した時点(一部解約も含む)。
ロボアドバイザーの節税機能とは?
ロボアドで投資している金融商品に利益が発生している場合、リバランスなどで売却すると、実現した利益に対して課税されてしまい、結果的に運用コストに反映される。そこで、リバランスの時、ポートフォリオの中で損失が発生しているものを見つけ出し、利益が出ているものと併せて売却することで、利益と損失を相殺して税金の負担を減らす、というのがロボアドの節税機能。実現した損失を利益で相殺する場合も。ウェルスナビとテオで提供されている。
2024年からNISA制度が新しくなる!ロボアドの対応を要チェック!
一般NISAの新規投資は2023年で終了し、24年以降は「新NISA」がスタートする。新NISAは、現行のつみたてNISAの要素を取り入れた〝2階建て〟の予定で、1階は、つみたてNISAの投資信託あるいはETFを対象とした積立投資しかできない。2階は、一般NISAと同じく株式投資は可能だが、1階で積立投資を行なわないと2階の利用はできなくなる。「おまかせNISA」も2階を利用することになりそうだ。
取材・文/編集部
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