すべてお任せできるロボアド投資の魅力をここまで伝えてきたが、投資経験がない初心者にとってロボアド投資の〝デメリット〟を知っておくことも重要だ。プロの視点から客観的にロボアドを評価してもらうべく、今回はロボアド投資を含め投資信託の評価に実績のあるモーニングスターの株式分析部長・宮本裕之さんにロボアドのメリットとデメリットを教えてもらった。
相場上下に〝感情抜き〟で資産形成を支援してくれる
投資初心者にとって知識を必要としないロボアド投資は魅力的だが、投資のプロたちはどう見ているのか。投資信託の格付けをしているモーニングスターの宮本裕之さんがこう話す。
「ロボに投資を任せてしまうので、投資知識が身に付きにくいというマイナスの側面もありますが、初心者にとっては有効な投資手段のひとつでしょう。投資の大原則に『長期・積み立て・分散』という考え方があります。つまり『何年にもわたり、コツコツと、複数の銘柄を購入し続けるのが理想』ということなのですが、人間にはこの大原則の維持がなかなか難しいのです」
保有株が暴落すれば焦って手放したくもなるし、自分が持っていない銘柄が好調なら目移りしてしまうのが人間の性だろう。だが、先人たちはそうした〝感情的な投資〟で失敗してきているという。
「そうした感情を一切排し、特定のアルゴリズムに則って売買を行なってくれます。さらに多くのロボアドは月々の積み立ても少額から始めることができるので長期で投資を続けるにあたっての金銭的ハードルが低い。貯蓄から投資へと人々の関心が移行する時代にうまくマッチした投資サービスです」
いくつかの質問に答えるだけで運用プランを提案してくれる
ロボアドの申し込みはまずは運用プランを決めるところから始める。各社ホームページから無料で診断を受けて結果を見ることができるので、とりあえずお試しで回答するだけでも参考になるだろう。提案された運用プランに不満がある場合は、自分の希望するプランに変更できる。
金融取引や日常生活での〝自分のクセ〟を聞かれる・理解する
無料診断では「あなたの使っているスマホの新作が出ました。どうしますか?」とまるで性格診断のような質問をしてくる場合もある。
診断結果で出る「リスク許容度」によって自分が「高リスク高リターン型」か「低リスク低リターン型」かがわかる。
資産を形成すればするほど手数料が高くなる
ウェルスナビでのロボアド投資ではファンドを通して間接的に株式を保有するため、ロボアドへの年間手数料のほかにもファンドに対して年率0.1%前後のコストを支払うことになる。こうしたランニングコストがロボアド投資のデメリットとして挙げられることもあるが、他の金融商品と比べて特に高いわけではない。
手数料は「固定報酬型」と「成功報酬型」どっちがいい?
相場が下落傾向にあり資産額が目減りしている時は年率1%の手数料も大きく感じられるかもしれない。資産評価額がマイナスの時に手数料がかからないのが「成功報酬型」だ。しかし、相場が上昇傾向にある際には「固定報酬型」より手数料は高くなる。心理的な負担を減らしたいなら成功報酬型を選ぶのもアリだ。
運用成果によるラップサービスの運営・管理費用の変化
楽ラップが提供する「成功報酬併用型」では運用実績2%未満であれば「固定報酬型」より手数料が安くなる。
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取材・文/編集部