総務省調べによると、現在、日本の持ち家率は6割を超えているという。そのため、多くの世帯で住宅ローンを抱えていることが推測される。住宅ローンの残高件数は令和元年度で約1100万件と年々増加傾向にあり(国土交通省調べ)、持ち家を持つ世帯も増えていることが伺える。
たとえ理想の家を手に入れたとしても、住宅ローンの返済に追われては日々の暮らしに余裕がなくなってしまうのは、持ち家世帯にとって悩ましいところだ。
オンライン住宅ローン比較サービス「モゲチェック」を運営する株式会社MFSではこのほど、住宅ローンを借りた経験のある30歳以上60歳未満の男女484名を対象に「住宅ローン選びの後悔」についてアンケートを実施した。
2.5人に1人は住宅ローン選びで後悔している!
住宅ローン選びで後悔している人は半数近くの44.0%であることがわかった。後悔している人の割合が最も高いのは40代だった。子供がいる家庭では教育費など30代の頃にはなかった支出が発生し、経済的な負担が大きくなっていることが要因と推測される。
後悔の原因になっているのは「金融機関選び」と「金利タイプ」
住宅ローン選びで後悔している人にその理由を聞いたところ、最も多かったのが「もっと金利の低い金融機関を選べば良かった」で42.7%、次に「違う金利タイプ(※1)を選べば良かった」で29.1%だった。金融機関の比較検討が不十分なことや、変動金利にするか固定金利にするかなどの返済プランの立て方に納得感がないことが伺える。
※1 金利タイプには「変動」「固定」「固定特約」の3つがある。「変動」は現在の金利水準は最も低いが、半年ごとに金利の見直しが行われる。「固定」は借り入れ時の金利が返済まで変わらない。「固定特約」は一定期間の金利を固定することができる。
30代に特化して見ると、「不動産会社に言われるがままに選んでしまった」を後悔の理由にあげる人が他世代に比べて多いことが特徴だ。全年代平均では22.5%だったのに対し、30代のみでは34.7%にのぼった。
他にも「団体信用生命保険(※2)についてもっと慎重に選べば良かった」という声も30代が多く、全年代平均では19.7%だったのに対し、30代では27.8%だった。ネットで手軽に情報収集ができるようになった今、若い世代ほど「もっと情報を集めておけば良かった」と後悔をしたり、後からよりお得な情報に気づいたりするのかもしれない。
※2 団体信用生命保険とは、住宅ローンを借りる際に加入が義務付けられている生命保険のこと。住宅ローン利用者が一定の状態になった場合、保険会社からの保険金で住宅ローンが完済される。
不動産会社の紹介先金融機関を選ぶ人が6割超。ただし自分で選んだ人より後悔している割合も高め
一般的に住宅ローン選びは、「家を購入する不動産会社の紹介先金融機関の中から選ぶ」か「自分で金融機関を探して選ぶ」の2択だ。前者には「住宅ローン選びに手間がかからない」、後者には「金利や条件など幅広い金融機関から選べる」というメリットがある。
今回の調査では、「不動産会社の紹介先から選んだ人」は62.0%、「自分で選んだ人」は38.0%だった。後悔している割合では、前者が45.7%、後者が41.3%と、不動産会社の紹介先金融機関を選んだ人のほうが若干高い結果になった。
不動産会社紹介先の金融機関を選んだ理由として多かったのは、「自分の住宅ローン知識に自信がなかったから(49.0%)」、「住宅ローン手続きが面倒だったから(28.7%)」、「紹介先金融機関の金利が低かったから(25.7%)」の順だった。
住宅ローンは他金融機関へ借り換えができることを知らない人は、30代で4割に
住宅ローンの「借り換え」を知らない人の割合は、30代で40.4%、40代で32.7%、50代で18.0%だった。「借り換え」とは、金融機関から新たに住宅ローンを借りて、現在利用中の住宅ローンを全額繰上返済することを言う。
住宅ローンの金利や保障内容は金融機関によって異なるため、今よりも条件の良い住宅ローンがある金融機関へ借り換えることで、返済額を減額させたり、団体信用生命保険の内容を充実させたりすることができる。
※モゲチェック調べ
https://mogecheck.jp/articles/show/ArKz81lk4DoJq97oeQJV
<調査概要>
・対象:現在ご家庭で住宅ローン返済中の30歳から59歳の男女484名
男性252名、女性232名
30代:161名、40代:162名、50代:161名
・インターネット調査
・期間:2021年11月8日~2021年11月9日
出典元:株式会社MFS
構成/こじへい