「レッサーパンダの聖地」静岡市立日本平動物園の人気者たち
はじめまして、動物園・水族館・植物園を専門に撮影・取材している動物園写真家の阪田真一です。
今回は日本のレッサーパンダの聖地である静岡市立日本平動物園を紹介しよう。
日本でのレッサーパンダの聖地はここ
レッサーパンダは日本ではとても人気のある動物である。キャラクター化されることも多く、よく目にすることもあるだろう。レッサーパンダは、生息地や外見的特徴から、シセンレッサーパンダとネパールレッサーパンダの2亜種に分けられる。中でも、シセンレッサーパンダについては、全世界で飼育されているレッサーパンダの約7割が日本での飼育というから驚きである。
「レッサーパンダの聖地」静岡市立日本平動物園の取り組みを紹介しよう。
・日本国内のレッサーパンダの種別計画管理
日本国内で飼育されている動物たちはJAZA(公益社団法人日本動物園水族館協会)によって、希少動物のうち保護が必要な動物を選び、動物たちの戸籍簿(血統登録)を作っている。日本平動物園には、今回紹介する「(シセン)レッサーパンダ」と「オオアリクイ」の種別計画管理が任命されており、管理担当者が管理された戸籍簿を元に全国の動物園、水族館と協力しながら繁殖に取り組んでいる。
その目的は、「飼育展示の維持」「繁殖した個体を野生に戻し野生での個体数の回復」、「調査研究およびその結果の発表」である。
・コロナ禍の夏。 レッサーパンダの赤ちゃんが誕生
2021年8月4日朝。雄のレッサーパンダの赤ちゃんが誕生した。
その誕生から徐々に成長していくまでの様子は、静岡市立日本平動物園オフィシャルYouTubeチャンネルに公開された動画で確認出来る。
【日本平動物園】レッサーパンダ『ニコ』と『赤ちゃん』の奮闘記~出産編~
【日本平動物園】レッサーパンダの赤ちゃん『スクスク成長編』②(9日齢~15日齢)
【日本平動物園】レッサーパンダの赤ちゃん『スクスク成長編』⑥(37日齢~43日齢)
・レッサーパンダの生息地
中華人民共和国(四川省西部)やインド北東部、ミャンマー北部などに生息している。
レッドリスト(絶滅の恐れのある種のランク)では、「絶滅危惧IB類(EN)」近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種(絶滅危惧種)という位置づけとなっている。
その他の日本平動物園の人気者をご紹介
ここからは、もう一種の種別計画管理がおこなわれている「オオアリクイ」やその他、日本平動物園の人気者を少しご紹介しよう。
・オオアリクイ
この日は大好きなヨーグルトを特徴的な長い舌で器用にペロペロと舐めて口の周りをヨーグルトだらけにしていた。口元を拭いてあげたくなる可愛らしさである。
11月29日は「世界アリクイの日」。この日が近くなると日本平動物園でもオオアリクイに関するイベントが開催されることもあるので注目だ。
・ボルネオオランウータン
ボルネオオランウータンのミンピーは2006年に多摩動物公園で生まれた。カラフルな大きな布を纏い日々オシャレを楽しんでいる様子。
時には放飼場の高くまで上り、遠くを見つめる姿や日向ぼっこをする姿を見ることが出来る。
・シロフクロウ
よく写真では顔のアップを目にする機会も多いが、全身の写真を見るとその顔と体のアンバランスさに魅力がある。しま模様のつなぎ服を着たような姿も愛らしい。
・マレーバク
2020年7月7日に誕生したナナハちゃん。まだしばらくはお母さんと一緒。
・ホッキョクグマ
日本平動物園では大きなプールを悠々と泳ぐホッキョクグマの姿を見ることが出来る。
目の前で浮上するときの迫力は子供たちも驚きはしゃぐほどの人気だ。
レッパーくんは日本平動物園の新しい人気者
思わず抱きしめたくなる日本平動物園のマスコットキャラクター「レッパーくん」をご紹介しよう。
・毎月第3土曜日は「レッパーくん」がお出迎え。
レッパーくんは、日本平動物園とレッサーパンダのPRをするために、一昨年(2019年)の同園開園50周年を記念して誕生したマスコットキャラクター。9月第3土曜日生まれの5歳だそうだ。なぜか?
それは、「国際レッサーパンダデー」が「毎年9月の第3土曜日」だからである。
毎月第3土曜日は開園の9:00から30分程レッパーくんが来園者をお出迎えしてくれる。
※天候等により、休止する場合があるので注意。
※ (参考)【お知らせ】毎月第3土曜日は「レッパーくん」がお出迎え(LINK)
また、2020年レッパーくんの誕生日である「9月19日の国際レッサーパンダデー」に合わせて、「レッパーくんのLINEスタンプ」の販売が開始された。レッサーパンダ好きは要チェックなスタンプである。
※「レッパーくん」のLINEスタンプ大好評発売中(LINK)
日本平動物園の子供もテンションの上がる食事とお土産
ふれあい広場の入り口には、家族連れが食事をすることの出来るレストハウスがある。また正面ゲート横のショップでは、レッサーパンダグッズはもちろんのこと園オリジナル商品が販売されている。
・レストハウスでレッサーパンダとホッキョクグマに出会う
レストハウスでは「しろくまカレー(大人用)」(写真上)や静岡名物「黒はんぺんフライ」(写真上)など、写真を撮っても可愛くて思い出になる食事から、遠くから来た方でもご当地グルメを楽しめるメニューまで用意されている。中でも子供たちに大人気なのが「レッサーお子様ランチ」(写真下)である。しっかりしたボリュームの丼物やラーメンから、おかゆ、パスタ、ケーキセットなどの軽食まで用意されている。レストハウスでの食事は、動物園での思い出に花を添えてくれるものになるだろう。
・ショップ「動物たちのもり1」で聖地オリジナルのお土産
2019年静岡市立日本平動物園は開園50周年を迎えた。その記念に作られたのが、数量限定の『レッサーパンダのぬいぐるみ』である。ただ、その限定モデルは大人気のうちに完売。再販を望む多くのお客様の声があり再販売されている。レッサーパンダの特徴的な大きなフワッフワの尻尾が再現されており、とても抱き心地のよい仕上がりになっている。是非、現地で触れて動物園の思い出に連れ帰ってもらいたい。
園内で販売されているグッズの一部は、「ショップどうぶつたちのもり」(LINK)でも購入が可能だ。
年老いたレッサーパンダの過ごす施設としても受け入れを視野に
静岡市立 日本平動物園では、「レッサーパンダ館」とは別に、「レッサーパンダ飼育棟」という設備が用意されている。今年生まれた、赤ちゃんもここで出産仔育てが見守られていた。繁殖を手伝う施設でもある傍ら、年老いた全国のレッサーパンダを受け入れ健やかな老後をここで過ごしてもらいたいという思いもあり、バリアフリーの飼育環境も準備されているとのこと。生まれてから年老いて生涯を閉じるまでレッサーパンダの一生に寄り添う覚悟のある施設だからこそ、「レッサーパンダの聖地」と名乗れるのかもしれない。
[取材協力]
静岡市立 日本平動物園 (HP) / Twitter (LINK)/ YouTube(LINK)
〒422-8005 静岡県静岡市駿河区池田1767−6
TEL: 054-262-3251
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