Uターン並のカーブも!? 国道477号線「百井別れ」を走る【カブガールが行く】
「これが側道ではなく本道?…ホントに!?」
世の中は常識では理解できない不思議な道路であふれています。
そんな道のひとつがこちら、国道477号線。「百井別れ」の名前で有名なほぼUターンに近いカーブが存在する、全国に名を馳せる人気酷道(国道でありながらも酷い状態の道を指す)なのです。
道はずっと続いている
百井別ればかりが注目される国道377号線ですが、全部が田舎道という訳ではありません。今回のスタート地点は国道477号線の終点、大阪府池田市。
これと言って特徴のない、大阪らしい賑やかな十字路なのでご紹介はしませんが、逆に驚かされたというのが本音です。これが本当にあの激しい道の一部なのか?と…。
それがどうでしょう。1時間半ほど走っただけですっかり田舎道にやってきました。
国道を走破する面白さのひとつは街の移り変わりではないかと思います。
道路は土地にとっては血管のような存在。すべての道に色を付ければおのずと日本の形が浮かび上がってくるように、全国隅々まで隙間なく張り巡らされています。
この国道477号線がそうであるように、どんなに街中を通っていたとしても、走り続ければ行きつく先は山奥の田舎道であることも多いのです。
いよいよ国道477号線の見せ場!
府道363号線との分かれ道まで来ましたが、両方とも酷く狭いので、標識がなければどっちがどっちだかわかったものではありません。
繰り返しますが、これは「国道」477号線。市道でも林道でも、それどころか県道ですらないのです。
道中は鮮やかなオレンジ色の苔に全面が覆われたコンクリートの壁や、縦に3枚を重ねて設置されたガードレールの壁など細かい見どころはたくさん。
特にガードレールの壁なんて、これまで他の場所では見たことがありません。477号線内では何か所かあったので、ご当地ものと言っても良いかもしれません。お近くに来られた方は是非チェックしてみてくださいね。
更に進むと…とうとうたどり着いたのが噂のほぼUターンのカーブ。車であれば何度か切り返してようやく侵入できる驚きの角度です!
この道は府道38号線との分かれ道。直進すれば38号線、鋭く左折をすれば477号線というわけなのです。
どちらにしても狭い山道であることには変わりませんが、38号線を直進すれば京都市内へ降りることができるため、477号線へ進む人はそう多くないでしょう。
左折してすぐの道の端には「大型車両通行禁止」の看板があります。見ればわかるよ!と言いたくなりますが、今にも谷へ落ちてしまいそうで思わず同情してしまいました。
あの有名な橋も国道477号線の一部だった!
道は滋賀県に向けて峠を越えていきます。
通常の山道であればつづら折れになった坂道が多いように思いますが、477号線は「なんで?」と聞きたくなるぐらいに直線が続く区間があるのに驚きました。
地形図を確認する限りでは、無理に切り開かれているのではなく谷に沿うように道が作られているように見えるので、偶然の産物なのかもしれません。
とは言えその後はさすがの山道、カーブも荒地もどんと来い。杉が倒れていたかと思えば国道の三角標識も崩れ落ちていたりと、酷道にあって国道にないものをたくさん見ることができました。
それにしても、倒れた杉の木が電線に引っかかっているように見えるのですが大丈夫なのでしょうか。この後停電になっていないか心配です。
滋賀県大津市まで入ればその先は何一つ怖いことはない、普通の道に出ます。
そして滋賀県に入って驚くなかれ。ここまで一緒に酷道っぷりを見てくださった皆様には意外かもしれませんが、琵琶湖大橋は国道477号線の一部なのです。
琵琶湖大橋の通行料は普通車150円。そして125㏄以下の原付、つまりクロスカブの通行料は……なんと10円!ちょっと得した気分ですね。
あとは三重県四日市市まで走るだけなのですが、面白さの観点からお送りするのはここまで!
最後に私のとっておきの一枚、滋賀県と三重県の県境にある国道477号線鈴鹿スカイラインからの景色をお送りします。現在は冬季通行止めなので、春になったらこの景色を見に行ってみてくださいね!
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.