仮想通貨さえ調達できれば、すぐにでもDeFiサービスが利用できる。が、始めるまでの過程がわかりにくいので、手順や注意点を詳しくまとめた。くれぐれも自己責任で行なってほしい。
DeFiサービス上で仮想通貨を預けて利息を受け取る方法はいくつかあるが、その中でも高い利率で注目を集めるのが「流動性マイニング」だ。始めるまでの流れを左図に示した。
DeFiサービスでは、預ける仮想通貨とは別に、「イーサリアム」や「バイナンスコイン」という仮想通貨が手数料の支払いによく使われる。イーサリアムは国内の取引所で購入できDeFi初心者向きだが、「ガス代」と呼ばれるネットワーク手数料が取引1回ごとに数千円分かかってしまう。一方で「バイナンスコイン」は、ガス代をイーサリアムの10分の1未満に抑えられるが、国内取引所での取り扱いがなく、調達手続きが煩雑だ。
DeFiサービスには一般的な銀行のような「口座」は存在しない。代わりに、仮想通貨を保管しておく「ウォレット」というアプリをスマホやPCにインストールし、サービスを利用できる「DeFi取引所(DEX)」に接続して通貨を保管・管理する。そのため、ウォレットのログインパスワードを紛失したら二度と復旧できないリスクがある。
時価総額の高い仮想通貨は年利が低い傾向にあり、メジャーな仮想通貨を貸し出した場合の年利は数%程度だ。年利が数百%を超えるようなものは聞いたこともないような名前の仮想通貨である。
どの仮想通貨も価格変動が激しく、暴落のリスクや、最悪の場合には円やドルに変換すらできなくなるリスクもあるので要注意だ。
海外取引所でしか取り扱いがない仮想通貨の場合は、国内で購入したビットコインやイーサリアムを使い、海外取引所で購入する。DeFi用の仮想通貨はウォレットアプリに転送し、DeFiサービスと接続する。ウォレットアプリは「MetaMask」がよく使われる。
■ 分散型取引所「PancakeSwap」を使ってみる
1.PancakeSwapに接続
ウォレットアプリをDeFi取引所と接続する。代表的な取引所にUniswapやPancakeSwapがある。
2.流動性マイニングで利息を得る
仮想通貨をペアにして預けることで、両替需要に応え報酬を得る。
ゲーム内で稼ぐ!?「Play To Earn」の仕組み
ゲームの中でお金を貸し借り!?オリジナル通貨発行の流れも
ゲームで遊びながらお金を稼げる「Play To Earn」という概念がある。ゲーム中で使うキャラクターやアイテムの取引を行なうというものだ。
支払いには仮想通貨が用いられるのだが、用いられるのはビットコインのような汎用的なものから、ゲームの独自通貨を使うケースなどなど様々だ。
そこで活躍するのがDeFiだ。ゲーム内で通貨を貸したり借りたりすることが可能になるほか、技術的には異なるゲーム間での通貨を交換可能になるという。
関連して、ゲーム(Game)と金融(Finance)をかけ合わせた「GameFi」という言葉も登場している。
今話題の「NFT」と「DeFi」についてもっと深く知りたい人はこちら
書籍やネットを探しても、「NFT」や「DeFi」をわかりやすく丁寧に解説しているものはほとんどない。むしろ「なにやら儲かるらしい」といった危険な情報が錯綜しており、誤った情報を吸収している人が増えている状況だ。そこで、ビジネスパーソンに最新のトレンドを届けてきた雑誌「DIME」の編集部が、世の中を変貌させる力を持つ新たなテクノロジーをメリットとデメリットを明確にしながら、読者にわかりやすく解説する。
取材・文/久我吉史
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