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ニコンのフルサイズミラーレス「Z 7II」を携えた富士山一周ロングトレイルに挑戦!

2021.12.05

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

ユーザーニーズに応えたNikonの主力モデル

Nikonのミラーレスと言えば「Z 9」の発売が待たれるが、その前に主力モデルの「Z 7II」の実力を検証しておきたい。ZからZIIへの主な変更点は、メモリーカードがダブルスロットになってXQDカードだけでなく、SDカードが使えるようになったこと。そして、画像処理エンジンもデュアル化され、連写性能、AF性能などが改善されている。さらにタテ位置にシャッターボタンを搭載したバッテリーグリップ「MB-N11」も登場した。

EVFをさえぎると液晶モニター画面がブラックアウトする問題もセンサーの搭載で解決している。センサーに変更はなかったが、AFまわりが強化され、弱点のないモデルに仕上がっている。今回は写真家、小平尚典氏に依頼して、富士山ロングトレイルに持参して作例を撮影してもらった。レンズは超広角ズーム「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」を使用した。

左側にモードダイヤルを配置、右側の前後にコントロールダイヤルを配したオーソドックスなインターフェイスが使いやすい。撮影情報用の軍艦部にある液晶表示も見やすい

ダブルスロットになり、CFexpress(Type B)/XQDカードとUHS-II規格対応のSDカードが同時に使えるようになった

タッチパネルを採用した液晶モニターはチルト式で、3.2型、約210万ドットと高精細

B1まで引き伸ばせる高解像度とバッテリーの持ちが魅力

「Z 7II」と「Z 6II」の最大の違いはセンサーの画素数で、4575万画素に対して、2450万画素となる。PCのモニターで見るなら、どちらも充分に高解像度だが、大きなサイズにプリントする場合、画素数が効いてくる。プロの目安は約4000万画素である。Z 7IIならB1に引き伸ばしても全然問題ないと小平氏も太鼓判を押す。これだけあればトリミングを考えても安心だが、高画素には底知れぬ魅力が潜むようで、小平氏は先月、5000万画素のFUJIFILM「GFX50S II」を導入したという。画質面以外での「Z 7II」のインプレはどうだったのだろう。

「まず、バッテリーの持ちが良いので安心です。一眼レフに比べるとミラーレスは電池が持たない印象がありますが、それが払拭されました。操作系も従来機と同じなので迷わず使えました。カメラのホールド感もよく、データの書き込みも早いですね」と語ってくれた。

「それから、Zマウントのレンズが非常にいいですね。逆光にも強く、四隅まで解像度が高く歪みも抑えられています。交換レンズのラインナップとしては望遠系が弱いですが、新しい100ー400mmのズームが出れば、その弱点もほぼ解消されると思います。新しいマウントアダプターFTZ IIも使いたかったのですが、今回は間に合わずFTZを使いました。画質やAF性能などを考えると、思い入れのあるレンズを使うにはいいですが、Z 7IIの実力を発揮させるにはZマウントレンズとの組み合わせがベストです」と小平氏。

富士山ロングトレイルを歩く、写真家、小平尚典氏

超広角14mmで太陽を入れた逆光撮影。フレアが出ているがうるさくなく、光芒の形も美しい
Nikon Z 7II NIKKOR Z 14-30mm f/4 S 1/400sec、F16、ISO200

望遠端30mmでの接写。拡大していくと胞子体が花のように見えた
Nikon Z 7II NIKKOR Z 14-30mm f/4 S 1/50sec、F4 +0.33EV、ISO200

スローシャッターで川の流れを表現。日向と日陰、乾いた石と濡れた石の質感の違いが見事だ
Nikon Z 7II NIKKOR Z 14-30mm f/4 S 1/10sec、F10 +0.33EV、ISO200

大きな岩にへばりつくかに生えた木。14mmで近付くと巨岩のスケール感が出た
Nikon Z 7II NIKKOR Z 14-30mm f/4 S 1/320sec、F7.1、ISO200

収穫後のブドウだろうか、陽射しを浴びた枯葉の葉脈のコントラストが鮮やかだ
Nikon Z 7II NIKKOR Z 14-30mm f/4 S 1/80sec、F8 +0.33EV、ISO200

木々のトンネルの中を流れる小川。透過光によって微妙に変化する葉の色合いがいい
Nikon Z 7II NIKKOR Z 14-30mm f/4 S 1/400sec、F4 +0.33EV、ISO200

逆光の富士、光芒を入れながらハイライトが飛ばず、シャドーもつぶれずに描写された
Nikon Z 7II NIKKOR Z 14-30mm f/4 S 1/320sec、F22 -0.33EV、ISO200

NIKKOR Fマウントレンズが使えるマウントアダプター FTZを使用しての撮影もおこなった

小平氏の持参した20mmを使用、周辺光量落ちなどもありオールドレンズの味わいが楽しめた
Nikon Z 7II Ai AF NIKKOR 20mm f/2.8 D 1/125sec、F2.8、ISO200

こちらは50mmF1.4で、絞り開放でEVFを使いながらピントを合わせた。全体的に柔らかい描写だ
Nikon Z 7II Ai NIKKOR 50mm f/1.4 S 1/50sec、F1.4、ISO200

写真・文/ゴン川野

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