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サッカー観戦が楽しくなるフォーメーションの基礎知識

2021.12.05

サッカーにあまり詳しくない人にとっては、いきなり「4-4-2」や「3-4-3」といった数字の羅列を聞いても、いまいちピンと来ないだろう。これは各チームのフォーメーション(陣形や編成)を表した数字で、この数字にしたがってディフェンダー(DF)やミッドフィルダー(MF)といった各ポジションの選手を配置していく。

そこで今回は、「フォーメーションって聞いたことはあるけど、どんなものかよくわからない」という人に向けて、フォーメーションの役割や意味などをわかりやすく紹介していく。“フォーメーションの奥深さ”を知れば、よりサッカー観戦が楽しくなるはずだ。

フォーメーションとは

フォーメーションとは「陣形や編成」という意味の言葉で、サッカーでは「チームの戦術の方針となる陣形」のことを基本的に指す。その陣形をベースに選手が動くことで、攻守の入れ替わりが激しい流動的な試合であっても、選手が混乱することなく自分の役割を果たすことができる。

サッカーのポジションとフォーメーション表記

サッカーには大きく分けて、4つのポジションがある。ゴールキーパー(GK)、ディフェンダー(DF)、ミッドフィルダー(MF)、フォワード(FW)という名称はサッカー初心者の方でも一度は耳にしたことがあるだろう。

サッカーは先発選手11人同士で競うスポーツである。GKは必ず1人と決まっているが、それ以外のポジションの人数は、チームの戦略や状況によって変わってくる。

「4-4-2」や「3-4-3」などのように表記されるフォーメーションは各ポジションの選手数を表しており、GKを除いて、DF→MF→FWの順番に表記する。※「4-4-2」の場合はDFが4人、MFが4人、FWが2人となる。

サッカーフォーメーションの種類

サッカーのフォーメーションにはそれぞれメリットとデメリットがあり、一概にこのフォーメーションが強いということはできない。基本フォーメーションを固定して戦うチームもあれば、相手との嚙み合わせを踏まえて柔軟に毎試合フォーメーションを変えるチームもある。

ここからは、現代サッカーにおいてベースとされている基本フォーメーションを中心にいくつかの例を挙げながら、それぞれの特徴を紹介していく。

「4-4-2」|最もオーソドックスな形

現代サッカーでは多くのチームが採用している、基本的なフォーメーションが『4-4-2』である。ピッチ上にバランス良く選手が配置されていることから、選手同士の距離感が掴みやすいことがメリットに挙げられる。DFとMFを4人ずつ配置することで、相手の攻撃時に使われてしまいそうなスペースを埋めやすい。

「4-4-2」は、MFを横一列に並べたフラットシステムやひし形に配置したダイヤモンドシステムをはじめ、複数のシステムでの試合運びが可能であるため、試合展開に応じて形を変えやすいのも特徴だ。

「4-3-3」|メガクラブが採用する攻撃的布陣

スペインのレアル・マドリードやバルセロナ、イングランドのマンチェスター・シティ、リバプールなど近年の欧州サッカーを牽引するメガクラブがこぞって採用しているフォーメーションだ。

バランスの取れた「4-4-2」に比べ、攻撃的なフォーメーションとされており。3人のMFとFWが三角形のポジションを取りやすく、FWの両ウイング(WG)によるサイドのスペースを使った攻撃や、MFから前への配球をしやすいことが特徴で、サイド攻撃やパスサッカーに向いたフォーメーションと言えるだろう。

「4-2-3-1」|W杯2大会連続で日本代表が採用

近年、日本代表が基本フォーメーションに採用しているのが、「4-2-3-1」である。14年のW杯ブラジル大会を戦ったザックジャパン、18年のW杯ロシア大会を戦った西野ジャパン、現在の森保ジャパンのいずれも基本布陣として採用としている。日本が豊富に人材を抱える中盤の選手を有効に活用できることから、日本に合ったシステムとも言える。

このフォーメーションでは、守備的MF、CMF(センターミッドフィルダー)とも呼ばれる「ボランチ」を2枚採用している。柔軟性が高く、試合の流れに応じて「4-4-2」「4-3-3」に変化しやすいこともメリットに挙げられる。

「3-4-2-1」|Jリーグで一大トレンドを築いた“ミシャ式”

「3-4-2-1(3-6-1)」は通称「ミシャ式」と呼ばれて、Jリーグに一大トレンドを巻き起こしたフォーメーションだ。“ミシャ”の愛称で親しまれているミハイロ・ペトロヴィッチ監督(現・北海道コンサドーレ札幌)が愛用する形で、これまで歴任してきたサンフレッチェ広島や浦和レッズでも常に基本布陣は「3-4-2-1」を採用している。

広島時代に(当時はコーチとして)薫陶を受けた森保一監督(現・日本代表)や片野坂知宏監督(現・大分トリニータ)らも同様のフォーメーションを活用するなど、数多くの指導者に影響を与えた。

前線に1トップ2シャドーを配置した「3-4-2-1」のフォーメーションをベースに、ボールの保持/非保持によってポジションが入れ替われる可変システムであり、守備時(ボール非保持時)は「5-4-1」の5バック、攻撃時(ボール保持時)は「4-1-5」の5トップに変更する。

フォーメーションの流行は常に変化

これまで説明してきたフォーメーションに加え、サッカーにはまだまだ多くのフォーメーションが存在する。しかし、フォーメーションはあくまで基本形であり、例えば「ミシャ式」のように攻撃時と守備時で形が大きく変化する「可変フォーメーション/システム」と呼ばれるものが一般的になるなど、流行は常に変化している。それでも、フォーメーションの基本を知れば、よりサッカーを深く楽しめることは間違いないので、皆さんもこれを機に上記以外のフォーメーションの特徴なども学んでいってほしい。

※データは2021年12月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。

文/praia

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