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結婚祝いに贈与税はかかる?覚えておきたい結婚や子育て資金に関する非課税制度

2024.06.02

結婚は、人生において大きなライフイベントの一つ。結婚式や新生活の準備のためにまとまった出費がある一方、親からの結婚資金援助や友人からのご祝儀などで受け取るお金も多い。お金が大きく動くタイミングで覚えておきたいのが、贈与に関する税制度だ。

そこで、本記事では「結婚祝いと贈与税に関するルール」について解説する。

通常、個人からまとまった財産を受け取った場合に発生する贈与税だが、結婚の際に受け取ったお金についても贈与税の納税義務はあるのだろうか。ぜひこの機会にチェックしてほしい。

そもそも贈与税が発生するのはどんな時?いくらまで非課税?

電卓をたたく手元

そもそも贈与税とは、どのような時に発生する税金なのだろうか。はじめに、贈与税が掛かる条件について解説する。

個人から財産を受け取ると贈与税が発生する

贈与税とは、個人から財産を受け取った場合にかかる税金のこと。ちなみに会社や法人から受け取る財産には贈与税は掛からないが、代わりに所得税が発生する。

贈与税には「暦年課税」と呼ばれる課税方式が採用されている。毎年1月1日から12月31日の1年間で受け取った財産の合計金額から、基礎控除額である110万円を差し引いた金額に贈与税が課される仕組みだ。つまり、贈与を受けた財産の合計額が年間110万円以下の場合、贈与税は発生しない。

 110万円以上の財産贈与でも贈与税がかからないケース

1年間で110万円以上の財産を受け取っていても、贈与税が掛からないケースもある。例えば、夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から受け取った生活費、教育費、治療費などの通常必要と認められる資金については、年間贈与額が110万円を超えたとしても贈与税が掛からない。

ただしこの時、手渡しや送金などの手段により受け取ったお金を余らせて、貯金に回したり贈与額を元手に投資を行ったりした場合は贈与税の対象となってしまう。親から子へまとまった資金援助を行う際などは、必要なタイミングで適切な金額を受け渡すように注意したい。

この他にも贈与の性質や目的によっては贈与税の対象外となる場合がいくつかあるため、110万円を超える贈与を受ける時には、国税庁のホームページなどから贈与税の発生条件に関する情報を確認するようにしよう。

結婚資金援助、ご祝儀・結婚祝い金に贈与税はかかる?

では、結婚に際して両親から結婚資金の援助を受けたり、知人・友人からご祝儀を受け取ったりした場合、贈与税を納める必要があるのだろうか。

親から結婚資金の援助を受けた場合

まず、親や親族から結婚式の費用や新生活のために掛かる費用の資金援助を受けた場合は、基本的に贈与税が発生しない。これは、結婚式の費用や新生活に掛かる費用が通常必要な費用として認められるためだ。

ただし、先ほども触れた通り、受け取った費用が預貯金に回っている場合や、名目上と異なる目的で費用が使用されている場合は贈与税の対象としてみなされる。

友人からご祝儀を受け取った場合

では、知人・友人から受け取ったご祝儀の合計金額が110万円を上回った場合はどうだろうか。

国税庁は、個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるものについては、贈与税の課税対象外となるとしている。ご祝儀についてはこの条件が当てはまるため、贈与税は掛からない。

覚えておきたい結婚、子育て資金の非課税制度

最後に、結婚・子育て資金が最大1,000万円まで非課税となる「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」制度についても紹介しよう。本制度は平成27年に創設された比較的新しい制度。まだ知らない方は、内容を覚えておいて損はないだろう。

結婚・子育て資金が1,000万円まで非課税に?

平成27年4月1日に新たに「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」制度が創設された。この制度は、平成27年4月1日から令和7年3月31日までの間、20歳以上50歳未満の人(所得税の合計所得金額が1,000 万円以下)が結婚・子育て資金に充てるために、金融機関等との契約により結婚・子育て資金口座を開設し、直系尊属(親から子、祖父母から孫など)から「1.信託受益権を付与された場合」「2.書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合」「3.書面による贈与により取得した金銭で有価証券を購入した場合」に利用できる。

金融機関等を経由して「結婚・子育て資金非課税申告書」を提出することにより、1,000万円まで(うち結婚費用は300万円まで)贈与税が非課税となる仕組みだ。

制度利用のための手続きが複雑であることなどデメリットもあるが、制度の利用の仕方次第では、贈与者が死亡した際の相続税の課税金額を抑えられる場合もある。

贈与発生時には制度を改めてチェックしよう

これまで紹介してきた通り、結婚やその後の新生活に掛かる費用についてまとまった資金援助を受ける場合でも、贈与税がかかる条件や特例制度をしっかりと理解し活用していくことで、本来納税義務のない贈与税を支払ってしまうことを防げる。

贈与を受けるタイミングや金額、今後のライフプランは一人ひとり異なるため、贈与発生時には贈与税に関するルールについて改めて確認をしながら、自分に合った制度を利用するようにしよう。

文/oki

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