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知ってる?「土竜」の読み方と言葉の由来

2021.12.03

「海月(クラゲ)」や「馴鹿(トナカイ)」のように動物を表す漢字には読み方の難しいものが少なくない。ただし、ほとんどの生き物はテレビや動物園・水族館などでおなじみの動物であり、一度答えを知ってしまえば親しみやすいのも事実。「土竜」は土の竜という漢字から大きな蛇のような動物をイメージしがちだが、実は私たちの多くが知っているあの生き物だ。

本記事では、土竜の読み方と一緒に言葉の由来や生態、英語表現などを解説する。意外な人間との関わりなどの雑学もチェックしてみよう。

土竜の読み方は「モグラ」、日本に生息するものはすべてが固有種

土竜は「モグラ」と読む。地中で生活するモグラ科の哺乳類だ。アジア、ヨーロッパ、アメリカ大陸(北米)などに分布しており、日本には小型のモグラである「ヒミズ亜科」と一般的なモグラである「モグラ亜科」を合わせて計8種類が生息している。

すべてのモグラが日本の固有種と言われており、東日本ではモグラ亜科の「アズマモグラ」、西日本では同じくモグラ亜科の「コウベモグラ」が二大勢力となっている。本州から沖縄まで幅広く分布しているが、唯一、北海道には生息していない。

土竜の由来、もとは「ミミズ」を指す言葉だった?

「土竜」という漢字は、もとの漢名(古代中国での呼び名)では「ミミズ」に対して使われていた。モグラはミミズを食べることから、日本に言葉が入ってきた時点で誤用され、そのまま定着したとみられている。また、モグラが地面を掘って移動した跡が蛇行して竜のように見えることから「土竜」と呼んだ、とする説もある。

身近にいるのに意外に知られていない人間と土竜の関わり

土竜は、ほとんど地上に出ないため、生きている実物を見たことのある人は少ないだろう。しかし、農村だけでなく都心部でも公園や神社など土のある場所などに生息しており、ミミズや昆虫を食べて暮らしている。肉食のため植物を食害することは少ないものの、土竜が地面を掘り進むときに農作物の根を痛めることから、田畑のある地域では厄介者扱いをされることも多い。

九州地方では小正月(1月15日頃)になると、竹に巻いたワラで農地や家先を叩く「土竜打」という伝統行事が行われる。土竜を追い払うために始まったものが転じて、五穀豊穣を祈願する祭りとなったとされている。また、漢方では「土竜霜(どりゅうそう)」と呼ばれる黒焼きにした土竜を生薬として使う。興奮作用、滋養強壮、解毒作用などの効用があると言われている。

土竜は英語でなんと言う?

土竜の英語は「mole」。土竜の他に「ほくろ」や「スパイ」「防波堤」などの意味も持つ。また、物理で習う物質量の単位「モル」も同じつづりだ。

土竜を使った英語には「Don’t make a mountain out of a molehill.(土竜塚を山にするな)」という有名なことわざがある。「molehill」は地面を掘った土竜が作る小さな土の盛り上がりのこと。「make a mountain out of a molehill」で、土竜の塚を山のように言う=大げさに言う、大騒ぎするという意味の慣用句になる。

名前に「土竜」が付く作品やブランドなどをチェックしよう

身近な生き物である土竜は、さまざまな文学やエンタメ作品のタイトル、ブランド名などにも使われることがある。

土竜がタイトルの作品といえば?

土竜がタイトルの作品で現在知名度が高いのは、高橋のぼる原作の青年マンガ『土竜の唄』だろう。交番勤務だった警察官が潜入捜査官(モグラ)として暴力団に入会し、スパイとしての使命を果たしつつヤクザとしてものし上がっていく姿を描く。2021年11月時点で既刊は74巻で、現在も刊行が続く。2014年には生田斗真主演で映画化され、2016年と2021年にそれぞれ続編が公開されている。

その他にも、絵描きを目指す青年が成長する姿を描く青春漫画『北の土竜(きたのもぐら)』(石川サブロウ作、全21巻)などがある。小説作品では佐左木俊郎の純文学作品『土竜』、出久根達郎の時代小説『土龍(もぐら)』など、タイトルに土竜の付く作品は多い。

ブランド名としての土竜もチェック

土竜は商品のブランド名として使われることも多い。有名なのは、さつま無双株式会社が製造する芋焼酎『もぐら』だ。製造過程で出る未分解の麹や酵母・微生物などが醸し出す旨味をできる限り残すために荒濾過製法で仕上げており、芋本来の味わいを楽しめる芋焼酎として人気が高い。

また、ラーメン店の『麺屋土竜(めんや もぐら)』も土竜をブランド名としているお店の一つ。八王子に『八王子麺屋土竜』、イオンモール多摩平の森に『三代目麺屋土竜』、イオン新浦安に『新浦安 麺屋土竜』があり、濃厚スープのつけ麺や日替わりの限定メニューの人気が高い。

文/oki

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