既読スルーを「絶対にしない」はわずか4.7%
「既読」がついたにもかかわらず返事がこない「既読スルー」は、日常のやり取りにおいて特に珍しいことではない。
今回は「既読スルー」をするときの状況や相手、交際相手との間の「既読スルー」の割合など、スマホ全盛時代のコミュニケーションについて紐解く。
マッチングアプリ大学は、20~39歳の独身男女256名に「既読スルー」についての調査を行った。
「既読スルー」の定義は人によって異なる
最初に「既読スルー」の定義について、ヒアリングを行った。
もっとも多かった回答は「既読になっているのに1日以上経っても返信がない」(19.5%)。その他に1割以上だった回答は、「既読になっているのに質問への返信が1日以上ない」(14.5%) 、「既読後2~3時間経っても返信がない」(12.1%)、「既読になっているのに次の日の朝まで返信がない」(10.2%)だった。
その一方で、1割未満だった回答は「その他」を除いて7項目あり、「質問への返信が2~3時間ない(5.9%)」から「1週間経っても返信がない(8.2%)」まで、既読スルーの定義に大きくバラつきが見られる。
このことから、「既読でスルーされた」と受け止める際の感覚が、人によって大きく異なることが分かった。
既読スルーを「絶対にしない」はわずか4.7%
「既読スルーをしたことがある?」という質問では、「何度かしたことがある」(44.9%)、「時々する」(42.6%)がそれぞれ4割強を占めた。「絶対にしない」はわずか4.7%だったため、ほとんどの人が「既読スルー」をした経験があるといってよさそうだ。
また「頻繁にする」と答えた人は7.8%で、少数派ではあるものの一定数いることが分かった。このことから推測すると、チャットアプリでは「必ず返信する」ということがあまり重要視されていないのかもしれない。
次からは「既読スルー」をする場合の状況について、詳しくみてみよう。
既読無視する理由は「何と返せばいいのかわからない」が多数
「既読スルーをするのはどんなとき?」という質問に複数選択で回答してもらったのが、上のグラフ。もっとも多かったのは「何と返せばいいのかわからない」(47.7%)だった。
その他の回答で3割以上の票を集めたのは、「返事することが面倒くさい」(46.1%)、「返信できない状況」(38.3%)、「どうでもよい内容」(34.8%)、「返信することを忘れた」(32.4%)。
比較的回答が少なかったのは同率で、「返事をしたくない内容」(18.8%)、「やり取りしたくない相手」(18.8%)だった。
このことから、返事をすぐに思いつかなかったり、どうでもよい、面倒だと感じた内容に対して「既読スルー」をしている人が多いことが分かる。
既読スルーされやすいのは、しつこい誘いやネガティブなメール
「既読スルーしたくなるメッセージ内容は?」という質問に対して、複数選択で選んでもらったのが上のグラフです。もっとも多かったのは、「しつこい誘い」(56.3%)という結果に。何度か誘っても返事がこないという場合は、相手が乗り気でないと認識したほうがよさそうだ。
次に多かったのは「スタンプのみ」(54.3%)。 この場合は「返事をしたくない」というネガティブな既読スルーだけでなく、「会話を終了してよい」と判断して返信しないという場合も含まれていそうだ。
その他に多かったのは、「グチや不満、文句、悪口など」(44.5%)、「重い内容」(36.7%)といったネガティブな内容が続いた。これらの話題は、相手に負担をかけることになるので、SNSで送るのは気を付けたほうが良さそうだ。
また、「深夜や仕事中など時間を無視」(34%)も3割以上の票が集まったことから、急を要さない内容なら相手の状況や時間を考慮して送信することが必要かもしれない。
男性よりも女性のほうが「既読スルー」する傾向が強い
次に「既読スルーしたことがある相手」について聞いたところ、男女でやや異なる傾向があることが分かった。まず男性は「同性の友人」が圧倒的に多く、67.6%。女性の回答でも「同性の友人」(62.8%)が1位と、ほぼ同じくらいの割合となっている。
男女とも次に多いのは「異性の友人」だが、男性は39.6%、女性は59.3%と、その差が19.7ポイントもあった。男性に比べて、女性のほうが「異性の友人」のメッセージを既読スルーする割合が高いことが分かる。
また、「気になる異性」についても女性は9%が既読スルーをすると回答しており、男性の3.6%に比べると高くなっている。
家族にフォーカスしてみると、「母親」「父親」「兄弟姉妹」に対しても男性に比べて女性のほうが既読スルーする割合が高くなっている。相手が家族でも、女性は既読スルーをしがちなようだ。
その一方で、「上司」は男性が9%と、女性の6.9%よりもやや高くなっていた。
この結果から、既読スルーをするパターンは、相手との関係性によって男女でやや異なることが分かった。どちらかというと、女性のほうが既読スルーをする傾向が強いようだ。
相手と関係が近いほうが、既読スルーしがち
そこで「相手との関係によって既読スルーの対応は変わるか」を男女に聞いてみたところ、男女とも「関係が近いと既読スルーをする」が4割以上を占めた。
逆に男女とも、「関係が遠い方が既読スルーをする」は2割程度に留まっている。
この数値からは、「関係が近い人のほうが既読スルーをしても分かってくれる」という認識の下、多くの人が既読スルーしていると推測できる。
もしかしたらお互いが暗黙の了解で日常的に既読スルーをし合う関係性なのかもしれない。相手との距離については、男女で大きな違いがないことも分かった。
交際前よりも交際後に「既読スルー」が増える傾向
交際相手に対して「既読スルー」するか否かや、交際前後でその行動に変化があるかどうかについても調査しました。その結果「交際前も交際してからも既読スルーはない」(37.1%)と、「交際前も交際後も既読スルーした」(32.9%)という正反対の回答が僅差で1位・2位だった。
また交際前と交際後では、「交際前に既読スルーした」という回答の合計が35.8%に対し、「交際後に既読スルーした」の回答の合計は64.2%と2倍近い割合に。このことから、交際前よりも交際後のほうが「既読スルーされやすい」傾向にあることが分かる。
「交際相手への愛情と既読スルーの間に関係がある」は3割強
交際相手とのやり取りにおいて「既読スルーと愛情の間に関係性はある?」と聞いてみたのが、上のグラフだ。
結果は、「愛情はあるので、既読スルーしても問題ない」が男女とも6割以上を占めました。このことから、「既読スルー」=愛情がない(なくなった)というロジックは成り立たないことが分かる。むしろ、「愛情があるから既読スルーしてもOK」と捉えているということだろう。
ただし「マンネリ化している部分はある」という回答も、男性で24%、女性で26.8%あり、交際前ほどのトキメキや熱い思いは抱いていないという人も一定数いることが分かった。
交際中に「既読スルー」をするかしないかは相手の考え方にもより、どちらかが既読スルーしたからといって愛情にヒビが入ったと断定できるわけではない。
今回分かったように「既読スルー」=愛情がないわけではないため、相手を大切に思っている気持ちが通じ合っていることを前提に、丁寧なコミュニケーションを心掛けるのが得策のようだ。
95.7%の人が「既読スルー」された経験あり
今度は「自分が既読スルーをされた経験」についても、聞いてみた。「一度も無い」は4.3%で、残りの95.7%の人が「既読スルー」された経験があった。
「頻繁にある」は10.5%で、「時々ある」(49.6%)、「何度かある」(35.5%)が大半を占めている。
恋人・気になる異性から「既読スルー」されたという認識強い
既読スルーされた相手でもっとも多かったのは「同性の相手」(67.3%)で、2位の「異性の友人」(42.4%)までは既読スルーした相手と同様のランキング結果だった。
ランキング結果に違いが出たのは「恋人・交際相手」。既読スルーした相手では20.7%で7位であったのに対し、既読スルーされた相手では33.9%で3位に。また「気になる異性」に関しても、既読スルーした相手では6.6%で11位だったが、既読スルーした相手では19.2%で7位となった。
恋人や気になる異性に既読スルーされると、不安や心配のあまりに記憶に残りやすいという側面もあるのかもしれない。
「既読スルー」されたとき、女性のほうが不安や不満を感じやすい傾向に
最後に既読スルーされたときの気持ちについて調査した結果、男女ともに「自分もするので人のことは言えない」が一番で、その次も「読んでいるなら気にならない」といった既読スルーを容認するような意見が多くあった。
その一方で、「どうして返事しないのか不安になった」「返事できない状況かと心配した」「適当に扱われているような気がした」「腹立たしく思った」などの意見に関しては、男女間で大きな差が見られた。
これら4項目の合計が、男性は51.4%だったのに対し、女性は93.0%と41.6ポイントも多い結果に。どちらかというと、これら項目はいずれも不安や心配などネガティブな感情だ。
この結果から、「既読スルー」されたときにネガティブな感情を抱きやすいのは、男性よりも女性に多いことが分かった。
調査方法:インターネットアンケート
アンケート母数:計256名(男性111名、女性145名)
実施日または時期:2021年9月15日~2021年9月29日
調査実施主体:マッチングアプリ大学
調査会社:ネクストレベル
構成/ino.