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「医者の不養生」ってどんな意味?

2021.11.30

日本のことわざには、職業にちなんだものが多く存在する。「医者の不養生」もその一つ。日常生活で見聞きする機会はあまりないかもしれないが、意外と使える場面が多い言葉だ。そこで本記事では「医者の不養生」の意味や使い方、医者以外の職業を用いた表現を紹介する。ぜひこの機会に医者の不養生の使い方をマスターしておこう。

「医者の不養生」の意味

「医者の不養生」の読み方は「いしゃのふようじょう」。まずは、この言葉の意味や由来について解説する。

意味は「理屈を分かっていながらも自分では実行しないこと」

医者の不養生は、患者には養生を勧める医者が、自分自身の健康には注意していない様子を意味する。転じて、理屈は分かっていながらも自分では実行しないことの例えとして使われるようになった。

由来は平賀源内の小説『風流志道軒伝』

医者の不養生の由来は、江戸中期の人気戯曲家、平賀源内がペンネームの風来山人名義で執筆した小説『風流志道軒伝(ふうりゅうしどうけんでん)』とされている。本作品は当時実在し、滑稽な身ぶりで世相の風刺をする様子から人気を集めていた講釈師、深井志道軒(ふかいしどうけん)をモデルとした伝記小説。そのストーリー性や風刺性もさることながら、江戸時代の庶民の暮らしぶりや文化を見事に描いていることが評価され、江戸時代の大ヒット作となった。作中には「医者の不養生、坊主の不信心」という一節があり、このフレーズから「医者の不養生」ということわざが誕生したようだ。

「医者の不養生」の使い方と例文

「医者の不養生」は、具体的にどのような場面で使用するのだろうか。ここでは、使い方と例文を見ていこう。

使い方は?

「医者の不養生」は、文字通り医者のことを表す言葉としても用いられるが、医者以外にも、他人に言っていることを自分では実行していない様子を表す際に使用できる。

例文

より具体的に使用シーンをイメージしやすいよう、いくつか例文を見ていこう。

【例文】

「かかりつけの医者が通風になってしまったようだ。まさに医者の不養生だ」
「警察官が罪を犯すなんて、医者の不養生じゃないか」
「管理栄養士である彼女は、多忙を極めて私生活では栄養バランスなど気にせずに空腹を満たすためだけの食事をしている。これが医者の不養生か」

医者の不養生の関連表現

最後に、「医者の不養生」の類義語や英語で表現する場合の言い回しを紹介する。似たことわざについてはそれぞれニュアンスが異なるため、使い分けができるように覚えておいて損はないだろう。

類義語

医者に限らず、さまざまな職業に就く者が、他人のことには熱心になるのにも関わらず、自分自身のことはなおざりにすることがある。そのことから、「医者の不養生」と同様の意味を持つ言葉のなかには、職業にちなんだ言い回しがいくつも存在する。ここでは例としてその一部を紹介しよう。

・坊主の不信心(ぼうずのふしんじん)

仏道を修業し、人に信仰を説くはずの僧侶が仏を信じないこと。転じて、他人には立派なことを言いながら、実行が伴わないことの例えとして使われる。

・紺屋の白袴(こうやのしろばかま)

紺屋とは染め物屋のこと。人の白い袴を紺色に染める紺屋が、仕事が忙しく自分は染めていない白い袴を履いていることから、他人のためばかりに働いて自分のことに手が回らないことを意味する。

・大工の掘っ立て(だいくのほったて)

他人のために立派な家を建てる大工が、粗末な掘っ立て小屋に住んでいる様子。紺屋の白袴と同様に、人の世話ばかりして自分のことには手が回らないことの例え。

・髪結い髪結わず(かみゆいかみゆわず)

人の髪を結う髪結いが、自分の髪はそのままにしていること。「髪結いの乱れ髪」とも言う。他人のために技術を使うばかりで自分のことに手が回らないことを表す。

・易者身の上知らず(えきしゃみのうえしらず)

易者とは占いを生業とする者のこと。他人のことは占える易者でも、自分のことになると分からなくなること。自分のことを棚に上げて人のことを言うことの例えとしても使用される。

英語表現

「医者の不養生」を英語で表現したい時、「The shoemaker’s children go barefoot.(靴屋の子供たちは裸足で歩く)」や「Specialists often fail to apply their skills to themselves.(専門家は持っている知識を自分たちに使わない)」といった言い回しが使える。どちらも、その道の専門家が自分たちのことに無頓着になる様子を表している。

また、「 Doctors often neglect their own health.(医者はしばしば自らの健康状態を軽視する)」のように、「医者の不養生」を直訳しても意味が伝わるだろう。

文/oki

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