Netflixには見応えのある犯罪ドキュメンタリーが多数配信されているが、その中でも犯罪者ではなく刑事の活躍にスポットを当てた作品がこちら。
11月4日より独占配信中のNetflixシリーズ『キャッチング・キラーズ: 連続殺人犯を追いつめた刑事たち』は、アメリカの有名事件を担当した刑事にインタビューしたドキュメンタリー。
あらすじ
シャーリーズ・セロンがアカデミー賞主演女優賞を受賞した映画『モンスター』の主人公としても有名なアイリーン・ウォーノスの事件、1980年代前半に多数の女性を殺害したグリーン・リバー・キラーことゲイリー・リッジウェイ、犯行声明文にスマイルマークが描かれていることからハッピーフェイスキラーと名付けられたキース・ジェスパーソンなど連続殺人犯を逮捕した刑事に独占インタビュー。全4話。
見どころ
犯罪ドキュメンタリーの中には、猟奇殺人鬼の数奇な人生をセンセーショナルに取り上げた作品も少なくない。
製作者としては、社会的に大きな影響を及ぼした事件にもっと関心を持って真剣に考えて欲しい、という願いを込めているのかもしれないが、その意図に反して猟奇殺人鬼をまるでダーク・ヒーローやスターのように神格化し崇拝してしまう困った人々もいる。
一方本作では、猟奇殺人鬼を逮捕した刑事の活躍の方に焦点を当てているのが特徴だ。
猟奇殺人鬼の中には、聞いた人全員が思わず同情してしまうような、つらい過去を持つ人が多いと言われている。
しかし本作に同情する刑事たちもまた、自身の過酷な生い立ちやトラウマと戦いながらも“正義の道”を選択した人々であることが明かされているのだ。
たとえば取材に応じているフェイ・ブルックス刑事は、性的虐待のサバイバーでありながら、敢えて性犯罪課の刑事を志願したという。
自身も心の痛みを抱えながらも、誰かを攻撃するためでなく、守るために力を使う。
連続殺人鬼と長年戦ってきた勇敢な刑事たちが、“本当の意味で強い人間”の見本を示してくれているような気がした。
Netflixシリーズ『キャッチング・キラーズ: 連続殺人犯を追いつめた刑事たち』
独占配信中
文/吉野潤子