最近話題の、ファッションのオフプライスストア。販売時期を過ぎてしまった在庫商品などを安価に買えるショップだ。近年はゲオグループ運営の「Luck Rack(ラックラック)」が続々店舗を増やしており、ワールドやオンワードなどアパレル大手が手がけるショップも登場した。「リベンジ消費」と年末で消費意欲と実店舗買い物欲が高まる今、オフプライスストアはぜひ立ち寄りたい場所である。オフプライスストアとはどんな場所なのか? また冬物コーデをトータルで買うとどのくらい節約できるのかを探ってみた。
オフプライスストアとは?
オフプライスストアは、メーカーや小売店の販売時期を逃した商品や余剰品を低価格で仕入れ、新品の商品をメーカー小売価格よりも低価格で販売する店だ。
オフプライスストアは、ディスカウントストアやアウトレットストアとは異なる。
アウトレットストアとは取り扱い品が似ているが、基本的にオフプライスストアは、複数のブランドを集めて販売している。対して、アウトレットストアは、自社商品のみを取り扱うという点に違いがある。
近年、国内での参入企業が増えており、認知も注目も高まっている。
2019年4月に、株式会社ゲオホールディングスの子会社、株式会社ゲオクリアが「Luck Rack(ラックラック)」をオープンした。
その後、2019年9月にワールドの「&Bridge(アンドブリッジ)」、2020年9月にはオンワードの「Onward Green Store(オンワード・グリーン・ストア)」が1号店をオープンし、現在も店舗数を増やしている。
注目のオフプライスストア!トータルコーデはいくらオフになる?
オフプライスストアでは、どんなモノが買えるのだろうか? またどのくらいの「オフ」があるのか。Luck Rackと&Bridgeをもとに探ってみた。
1.「Luck Rack」
ゲオグループのLuck Rackは、2021年11月現在、全国に常設店舗を16店舗、展開している。特別提供品や余剰在庫品、季節外商品などが、パートナー企業の協力により、特別な割引で販売されている。製品の大量廃棄を減らし、廃棄時に発生するCO2も削減する循環型システムを全国へ広げることで、今までにない新たな買い物体験を提供。「捨ててしまうにはもったいない新品の商品を1人でも多くの人へ届ける」という。
コンセプトは、「宝探しのようなショッピング体験」で、リアル店舗の強みである友人や家族との買い物体験を、まるで宝探し気分で楽しめる空間を提供している。
主にアパレル商品の衣料品・ バッグ・靴・アクセサリーなどの服飾品や化粧品、キッズ衣料のほか、リビング雑貨なども多様なカテゴリーで2万点以上、約300ブランドの商品を30%~80%OFFで販売する。
店内は、アイテムやテイストをまとめた陳列やコーディネートでの展開で、欲しい商品をすぐに見つけられるように工夫を施している。
公式Instagramページでは、店舗で販売している商品を見ることができるので、どんな商品があるのか気になる人は、ぜひチェックしてみよう。
●注目のブランド
Luck Rackで取り扱われている商品には、有名ブランドのモノもある。例えば、「MARNI(マルニ)」や「Maison Margiela(メゾン マルジェラ)」、「JILL STUART(ジルスチュアート)」、「IL BISONTE(イルビゾンテ)」、「HERNO(ヘルノ)」といったブランドだ。
●冬物トータルコーデの例
実際、どこまでオフになっているのか。冬物のトータルコーデの例を紹介する。
「ニット」2,300円(税込)→790円(税込)65%OFF
「アウター」120,000円(税込)→29,900円(税込)75%OFF
「パンツ」44,000円(税込)→19,900円(税込)54%OFF
「バッグ」18,000円(税込)→3,990円(税込)77%OFF
「ネックレス」10,000円(税込)→3,990円(税込)60%OFF
「ハット」37,000円(税込)→5,990円(税込)83%OFF
合計約23万円分のトータルコーデが、約6万円になる(商品はあくまで一例)。
今回紹介したのはレディス商品だが、メンズもお買い得なものがある。例えばダウンジャケットが41,800円(税込)→14,900円(税込)の64%OFFで販売されていたりするので、特に冬物を探しているなら一見の価値がありそうだ。
都内店舗は、「東急プラザ表参道原宿店」と「ミーナ町田店」がある。ぜひ最寄り店舗に出かけてみよう。
2.「&Bridge」
&Bridgeは、ワールドとゴードン・ブラザーズ・ジャパンが共同出資で設立したオフプライスストア。現在、東京・埼玉・千葉・神奈川・茨城・京都と、6店舗構えており、今後出店を拡大する予定だ。
ゴードン・ブラザーズ・ジャパンの幅広い商品調達ネットワークを活かし、国内外の人気ブランドが買い付けられ、さまざまなアイテムがそろう。それが、ワールドグループが長年培った店内レイアウトとディスプレーのノウハウにより、感度高く展開されている。洋服の他、バッグや帽子、シューズといったファッション雑貨や、キッチン雑貨、タオル、インテリア、ステーショナリーまで幅広いカテゴリーの商品がそろう。ブランド名の表記はあえて行っておらず、ブランドミックスな状態でカテゴリーごとに商品を配置。感性が刺激され、本当に欲しいものが見つかりそうな店内だ。
コンセプトは、「サステナブル(持続可能)な環境社会の実現のため、ファッション業界の廃棄ロス削減を目指し、価値あるブランドの余剰在庫を再編集してお手頃価格(オフプライス)でお届けする」こと。不要になった服を回収するリサイクルボックスの設置や、リサイクルのカートや棚の活用などによりサステナブルを打ち出している。
店舗ごとに、来店客に合わせ、さまざまなアイテム展開がされている。例えば浅草ROX店は、都心型として30~40代の働く女性を中心に展開。イオンモールKYOTO店は、30~40代の女性をターゲットとしつつ、ショッピングセンターであることから、ファミリーで訪れることも想定し、キッズやメンズもそろえる。
オンラインストアもあり、店舗に足を運ばずともショッピングを楽しめる。
●注目のブランド
&Bridgeでは「Chloe(クロエ)」や「INED(イネド)」、「PINKY & DIANNE(ピンキーアンドダイアン)」、「JILLSTUART(ジルスチュアート)」、「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」、「NIKE(ナイキ)」、「Urban research(アーバンリサーチ)」などの有名ブランドを取り扱っている。
●冬物トータルコーデの例
ここで、&Bridgeで見つけたメンズの冬物アイテムを4点、ピックアップしてみよう。
ジャケット 32,120円(税込)→8,900円(税込) 72%OFF
タートルネックニット 9,790円(税込)→3,916円(税込)60%OFF
チノパン 20,900円(税込)→6,270円(税込)70%OFF
ニットキャップ 5,390円(税込)→899円(税込)83%OFF
合計約6.8万円分のトータルコーデが、約2万円になる(商品はあくまで一例)。
都内には期間限定の浅草ROX店がある。ぜひこの冬、掘り出し物を見つけに訪れてみよう。
オフプライスストアにまだ行ったことがないという人は、ぜひこの冬、訪れてみてはいかがだろうか。今年の冬物は、オフプライスストアでそろえるのもいいかもしれない。
取材・文/石原亜香利