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知らないと損するかも!?覚えておきたい「ふるさと納税」の仕組みと注意点

2021.11.27PR

ふるさと納税の仕組み

税金には国税と地方税があり、給与等は国に納める所得税と自分が住んでいる市区町村に納める住民税がある。

ふるさと納税は、もともと育ったふるさとに自分の意志で住民税を納めても良いのでないかという理念から生まれた。

ふるさと納税は、収入や扶養家族に応じて決められた上限額までの、都道府県や市区町村への寄附に対して自己負担額2,000円の税額控除を受けられる制度だ。

そして、ふるさと納税された地方自治体は、お礼として寄附金に対して30%を目安とする返礼品を送ることができるとしている。

■ふるさと納税

①収入等に応じて各々上限がある
②自己負担2,000円として寄附金に対して税額控除を受けられる
③寄附金額に対して30%相当額の返礼品が受け取れる

ふるさと納税の場合、税額控除として寄附金-2,000円分の全額の税金が返ってくる制度で、寄附してもその分税金が減るので、寄附しても寄附しない場合とで個人の負担は2,000円のみで済み、さらに返礼品が受け取れることになる。

具体的には、ふるさと納税でワンストップ特例制度を選択した場合には寄附金額分-2,000円分が翌年6月から住民税が減税されることで返ってくる。確定申告した場合には、確定申告後に寄附金額の一部が還付され、残りが翌年6月からの住民税が減税されることで返ってくる。

ただし、所得に応じて決められた上限を超えてしまうと、税額控除を受けられない部分が生じその部分が自己負担となってしまう恐れがある。

ふるさと納税の方法

ふるさと納税は以下の流れで行う。

①ふるさと納税可能額の計算
②ふるさと納税ができるサイトで寄附したい地方自治体または返礼品を選んで寄附(クレジットカード決済が可能)
③ワンストップ特例制度を選んだ場合は寄附後地方自治体から送付される書類を返送
④ワンストップ特例制度を選んでいない場合は、翌年に確定申告

ふるさと納税できる金額の上限を超えてしまうと自己負担となってしまうため、正確な計算が必要だ。ふるさと納税サイトでは、「控除上限額シミュレーション」を行うことができる。ぎりぎりまで寄附する場合は、12月末ごろまでに会社から交付される源泉徴収票を見て、詳細なシミュレーションを行うと確実だ。寄附は12月31日23:59頃まで受け付けている。

給与所得者で年末調整のみで確定申告しない場合には、社会保険料控除等の所得控除は源泉徴収票の記載通りに入力してシミュレーションする。確定申告する場合には、総所得金額に影響を与える不動産所得、医療費控除や申告予定の株式譲渡益なども入力する必要がある。証券会社の特定口座やNISAにある株式等で申告しないものは入れなくて大丈夫だ。

ワンストップ特例は、確定申告をしない給与所得者で、寄附先が5自治体以内である場合に受けられる特例で、所定の手続きで確定申告をしないで済む。寄附時にワンストップ特例制度をすることを選択し、寄附後に地方自治体から送付されるワンストップ特例制度に係る書類を返送することで確定申告不要になります。

確定申告する場合は、寄附後に地方自治体から送付される寄附金証明書をもとに寄附先や寄附金額、寄附日時を確定申告で入力する。e-TAXでは寄附先は選択するだけで良く、証明書は添付する必要はなく保管しておけば良いのでそんなに難しくはない。

ふるさと納税の注意点

ふるさと納税は、シミュレーションさえきちんと行い、その範囲内で寄附するなら簡単にできる。

しかしながら、住宅ローン減税を受けている人は注意したい。

高所得で所得税をたくさん支払っている場合には問題ないが、所得税+住民税13.65万円が住宅ローン残高の1%に満たない場合やぎりぎりである人はふるさと納税するかどうか自体をよく考えるべきだ。

ふるさと納税はそもそも節税にはならない。寄附する分の金額はキャッシュアウトし、それと同じ金額-2,000円分がキャッシュインする制度であるから税金は実質減っているわけではない。返礼品分はお得となってはいるが、住宅ローン減税のように直接税金が減っているわけではない。

住宅ローン減税は、住宅ローン残高の1%分が直接減税となる大きな節税効果のある制度である。ただ、住宅ローン減税は所得税からまず差し引くので、所得税が少ないと住民税から引くのだが、住民税で差し引ける金額に13.65万円という上限がある。

ふるさと納税は確定申告で申告する場合には所得税と住民税から差し引くので所得税が減ることになるので、住宅ローン減税で引ける分が減る。

それに対し、ワンストップ特例は住民税のみから差し引かれるので、所得税を減らすことはないが、住宅ローン減税の1年目は確定申告が必要でワンストップ特例が利用できない。

節税を一番に考えるなら、住宅ローン減税を優先し、その減税を邪魔しない程度にふるさと納税をするのがおすすめだ。

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文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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