外出先で手軽にインターネットを利用できるモバイルルーター。WiMAXや大手の携帯キャリアなど、多くの企業が端末+料金プランをセットで提供している。楽天モバイルも2021年7月29日から、新機種「Rakuten WiFi Pocket 2B」の取り扱いをスタート。携帯キャリアとして注目を集める楽天モバイルだが、本体価格実質無料、月額0円という低コストのモバイルルーターとしても人気が高まっている。
本記事では、Rakuten WiFi Pocket 2Bのメリットと利用時の注意点を解説する。「自宅Wi-Fiの代わりに使えるか」といった使い方についても説明したい。
圧倒的な低コスト!楽天モバイルのポケットWi-Fi「Rakuten WiFi Pocket 2B」の魅力
楽天モバイルのRakuten WiFi Pocket 2Bは、本体価格が1円、料金プランはデータ容量使い放題で上限が3,278円というコストパフォーマンスの良さが魅力だ。さらに、2021年11月末時点で実施中のキャンペーン(終了日未定)を利用すると、楽天スーパーポイント5,000ポイントを獲得できる。
1GBまでは月額0円。最大でも3,278円のお得な料金プラン
楽天モバイルが提供する料金プランは「Rakuten UN-LIMIT VI」1種類のみのため、Rakuten WiFi Pocket 2Bを利用する場合も、スマートフォンと同一のプランを契約することになる。月のデータ使用量に応じて料金が決まる従量課金型のプランで、1GBまでは月額0円(通話料等は別)。その後は段階的に料金が上がり、20GBを超えた分は一律3,278円となる。データ使用量の上限は、楽天回線エリア内であれば無制限(auのパートナー回線エリア内は5GB)。
また、契約時の事務手数料や契約解除時の手数料もかからない。さらに契約後3ヶ月間は月額料金が無料となるため、回線の繋がりやすさや速度などを試しながらゆっくり検討できるのも嬉しい。
本体価格は1円。さらに5,000円相当のポイントがもらえる
Rakuten WiFi Pocket 2Bの本体価格は1円。11月末時点で実施中のキャンペーンを利用し、Rakuten UN-LIMIT VIを申し込むと5,000円相当の楽天スーパーポイントも獲得できる。初期費用実質ゼロ(4,999円分ポイント還元)で、モバイルWi-Fiルーターを導入できるメリットは大きい。
月のデータ使用量が1GBを超えなければ一切のランニングコストが発生しないため、今すぐに使うあてがなくても自宅のWi-Fiが不調な場合のサブ回線として、あるいは外出時にインターネット環境を確保したい場合などに備えて申し込んでおくのもおすすめだ。
海外での利用が可能!月2GBまで速度制限なし
楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT VIは、海外ローミング(国際ローミング)にも対応している。使用する回線はauの通信網を利用したパートナー回線で、月2GBまで速度制限なしでの利用が可能だ(2GB超過後の制限速度は最大128kbps)。
設定方法は、Rakuten WiFi Pocket 2Bに接続したパソコンやスマートフォンからWi-Fiルーターの管理画面にアクセスし、ルーターの4GをOFFにしたあと、国際ローミングを有効にしてから再度4GをONにするだけ。世界66の国と地域で、追加料金なしでのデータ通信が可能となる。
楽天モバイルの「Rakuten WiFi Pocket 2B」にデメリットはある?
良いことづくしに思えるRakuten WiFi Pocket 2Bだが、デメリットや注意点はあるのだろうか。気になるのは、インターネット回線としての楽天モバイルの速度や繋がりやすさだろう。その二つがクリアできれば、光回線などの自宅Wi-Fiの代わりとして利用することも視野に入ってくる。一つずつ見ていこう。
一定以上のデータ容量を使うと速度制限がかかる?
楽天モバイルは自社基地局を利用した「楽天回線」と、au基地局の通信網にローミング接続する「パートナー回線」の2種類を利用できる。このうちのパートナー回線には月5GBの上限が設けられており、容量を超えると最大速度が1Mbpsまで低下する。
一方、楽天回線は原則無制限での利用が可能だ。インターネット上の口コミや評判では、楽天回線も1日10GB以上利用すると速度制限がかかるという声が見られるものの、公式サイト上では「公平なサービス提供のため速度制御の場合あり」と記載されているのみで、具体的な上限や数値は発表されていない。現状では過度の量のデータ通信を行わない限り心配ないと理解して良いだろう。
ただし、通信速度は基地局からの距離や電波の遮蔽状況などにも影響を受ける。心配な場合は、公式サイト上で楽天回線エリアを確認し、3ヶ月間の無料期間も活用するなどして繋がりやすさをチェックしよう。
※楽天モバイル公式サイト(https://network.mobile.rakuten.co.jp/area/?l-id=gnavi_area)より
パートナー回線に優先的に接続してしまうケースがある
楽天モバイルの「楽天回線」と「パートナー回線」は、電波の周波数帯が異なる(楽天回線1.7~1.8GH、パートナー回線800MHz)。パートナー回線は「プラチナバンド」と呼ばれる大手キャリア3社(ドコモ、au、ソフトバンク)のみが割り当てられている周波数帯を利用するため、楽天回線とパートナー回線が両方使えるエリアでは、パートナー回線のほうが屋内で繋がりやすい特性がある。どちらの回線を利用しているかは、Rakuten WiFi Pocket 2Bに接続しているPCやスマートフォンで「my楽天モバイル」にログインすれば確認可能だ。
パートナー回線には月間5Gの上限があるため、どちらも利用できるエリアでは楽天回線を利用したいところだが、スマートフォンとは異なり、Rakuten WiFi Pocket 2Bは接続回線を切り替えることができない。楽天モバイルは自社回線エリアを拡大し、パートナー回線エリアを縮小していくことを発表しているため、これらのデメリットは時間とともに解消されていくと見られる。モバイルルーターの使用頻度や月のデータ使用量がそれほど多くないようであれば、とりあえず手元に置いて様子を見つつ利用するのも一つの方法だ。
楽天モバイルの「Rakuten WiFi Pocket 2B」は自宅Wi-Fiの代わりになる?
コストパフォーマンスを重視するのであれば、初期費用・ランニングコストともに安い楽天モバイルのRakuten WiFi Pocket 2Bは有力な選択肢だ。ただし、エリアにより楽天回線の繋がりやすさは異なる。大容量のオンラインゲームをする場合やリモートワークで自宅作業・Web会議を行う場合は、光回線のほうが容量が大きく回線速度も安定している。
一方、急遽インターネット環境を整えなければいけない場合(外出先での仕事や子どものオンライン授業など)は、工事不要で解約費用もかからないRakuten WiFi Pocket 2Bはおすすめだ。楽天回線の対応エリア・回線の繋がりやすさもチェックしつつ上手に活用しよう。
文/oki