充電インフラの整備不足など様々な課題がある電動自動車。いち早くこの未来の車を手に入れたカーユーザーたちは、実際のところ、どのような悩みを抱えているのだろうか?
電気自動車普及のための充電サービスを行う株式会社プラゴは本年8月、電気自動車ユーザーの読者を多く持つ『EVsmart』と共同で、日本のユーザーが電気自動車ライフにどんな悩みを抱いているのかを調べるべく、10~70代の男女783名を対象にウェブアンケートを実施した。
ユーザー実態について:EV第二世代がメイン
全ユーザーの半数以上が30~40代、10~20代も10%を占め、全体的に40代以下が6割を占める結果となった。
「あなたがのっている電気自動車は、以下のどれですか?(783件の回答)」と質問したところ、純電気自動車ユーザーが7割を占める結果となった。
さらに、電気自動車/プラグインハイブリッド車を選択した理由について(複数回答可)聞いたところ、2~5位の性能やメリットをおさえ、6割が環境面の影響を考えて電気自動車を選択していたことがわかった。
電欠の不安に関して
6割がガソリン車も保有する複数所有ユーザーだった。当初の予想に反し電欠の不安は、電気自動車のみ保有のグループでは38%だったのに対し、ガソリン車と電気自動車の複数所有のグループでは63%と大きく上回り、ガソリン車と電気自動車の併用でも電欠の不安は解決されないことが明らかになった。
充電スポットでの悩み
「充電スポットの利用にあたって、面倒だと思うことはありますか?」と質問したところ、2~5位が操作やフローの問題であるのに対し、1位には決められた時間通りに戻らなければならないという時間拘束の不自由さが挙げられた。特に急速充電の場合30分という車中で待つには長すぎ、車を離れるには短すぎるという不便さを挙げる声が多かった。
<充電スポットの利用にあたって、面倒だと思うことTOP5>
1.決められた時間通りに戻ること56.6%
2.車室においてあるコーンをどかすなどの操作42.3%
3.充電器の操作43.3%
4.窓口などでの利用受付39.8%
5.充電器の使い方を調べること31.8%
次に、「超高速充電派」と「普通充電派」、それぞれの声を紹介していく。
<超高速充電派>
・まずは急速充電の時間、ガソリン補給並みにならないと普及しないのではと思うぐらいイライラしてます
・フル充電にかかる時間が15分くらいになってほしい
・理想は高速のSAでの高出力の急速充電器の複数台設置
<普通充電派>
・ショッピングモールでは急速充電器よりも普通充電器の方が使いやすいと思う。急速充電ではゆっくり買い物出来ないし、自宅から距離がさほど無ければ満充電にする必要がないのでは
・空港の駐車場やショッピングモールには普通充電器の大量設置を。EVの正しい使い方にマッチするのは1の急速より10の普通。
・30分の充電時間はSAなどで食事を伴う休憩をする際に足りない。出力が低くてもいいので長時間充電しても構わないスポットが増えて欲しい
ユーザーの今後の期待
「これからの、国内充電インフラ整備に期待することは何ですか?(複数回答可)」と聞いたところ、以下のような結果となった。
1位:行き先(目的地)充電の充実82.9%
2位:高速道路(PA・SA)充電の充実64.9%
3位:急速充電器の出力UP48.9%
4位:自宅近くの街中充電の充実29.5%
5位:マンション充電の充実25.5%
加えて、EVユーザー国内分布ランキングを算出したところ、上位は都市部に集中し、西日本側になるにつれ少なくなる結果となった。
このほか「次に車を買い替えるとしたら、どんな車にしたいですか?(783件の回答)」と聞いたところ、充電インフラの整備について強い要望はあるものの、97%以上が「EV・PHV車に乗り続けたい」と回答した。電動自動車の利用を次世代につながる継続的な取り組みと考えていることがわかった。
本調査結果より、ガソリン車の給油のようにまだ画一化されたシステムがなく、使用法の難しさや、利用時間による拘束など様々な不便を強いられながら充電をするEVユーザーの実態を知ることができた。
やみくもに充電スポットを増やすのではなく、ユーザーニーズ、ライフスタイルにあった急速、普通充電器の設置、増設、わかりやすく簡易な利用方法など、エシカル志向の強いEV第二世代が継続しやすい、より便利で快適なインフラを構築していく必要がある。
<調査概要>
調査対象:10~70代の男女
対象人数:783名
調査方法:インターネットアンケート調査
調査期間:2021年8月26日~8月31日
調査主体:株式会社プラゴと『EVsmart』による共同調査
出典元:プラゴ
https://www.plugo.co.jp
構成/こじへい