■連載/阿部純子のトレンド探検隊
暗証番号、カード、ハンズフリーにも対応する新商品
2015年に発売された、スマートフォンでカギを操作できるスマートロック「Qrio Lock」は累計20万台を突破し、一般消費者向け市場でナンバー1の実績を誇る。さらに利便性を追求した新商品「Qrio Pad」「Qrio Card」「Qrio Key S」の3種が発表された。
「スマートロックに価値を感じているからこそ、家族全員で使いたいというユーザーからの要望が増えていた。スマートフォンを持たないお子さんや高齢者の方でも安心して使えるように、多様な解錠方法に対応する新商品を発表した」(Qrio 取締役 執行役員副社長 高橋諒氏)
カードや暗証番号で解錠できる「Qrio Pad」
Qrio Lockはスマートフォンでカギの解錠、施錠を行えるデバイスだが、新製品の Qrio Pad(オープン価格/Qrio Store販売価格2万2000円)とセットで使うことで、より自由にQrio Lockを操作できるようになる。
普段持ち歩く財布やカードケースの中に専用カード(後述のQrio Card)を入れておけば、 Qrio Padにかざすだけで解錠できる。もう一つの特長が暗証番号での解錠機能。ゴミ出しなどのちょっとした外出時や、オートロック機能による万が一の締め出しの時でも、暗証番号を打ち込むことで解錠できる。
「締め出されるのが怖いので、オートロック機能をオンにしにくいという声をいただいていた。新商品ではそうした不安に対応している。Qrio Padの暗証番号はサイドからは見えにくい設計をしているが、至近距離でのぞき込まれると番号が見えてしまうため、利用の際はその点に気を付けていただきたい」(高橋氏)
取り付けは工事不要で、Qrio Lock同様にドア面に両面テープで貼りつけるだけなので、賃貸住宅やドアを傷つけたくない場合にも使える。屋外設置でも安心できる防水機能も備える。リチウム電池を使用するが、Qrio Lockと同じく予備電池が入る2系統になっていて、片方の電池が切れると、もう一方の電池に切り替わり駆動する。
Qrio Lock、Qrio Pad共にブラックのほか新色のブラウンも登場。Qrio Lockはミニマルなインテリアに溶け込むデザインだが、ユーザーの広がりに応じて、木目調や装飾のついたドアに馴染むようなブラウンを追加した。
Qrio PadにかざすことでQrio Lockを解錠できる「Qrio Card」
スマートフォンを持っていない人でも解錠できる独自の高セキュリティな専用カードがQrio Card(オープン価格/Qrio Store販売価格 2200円)。非接触タグを使っているので、財布に入れたままでも財布をタッチすれば解錠可能。
Qrio Keyをリニューアルしたハンズフリーで解錠できる「Qrio Key S」
子どもや高齢者でもスマートフォンを使わずに、ボタン押して開け閉めするリモコンキーがQrio Key。万が一Qrio Keyを紛失してしまっても、スマートフォンからカギの権限をリセットできるため、不法侵入に備えた鍵交換の必要もない。
Qrio KeyをリニューアルしたQrio Key S(オープン価格/Qrio Store販売価格6600円)は、従来のボタン操作によるQrio Keyの機能に加え、ハンズフリー機能を搭載。行動認識技術による高度な立ち止まり検知を行い、バッグやポケットに入れたままでも立ち止まりを検知して自動で解錠する。ボタン電池で480日駆動。
【AJの読み】バリアフリーの観点からも注目
以前からスマートロックにしたいと思っていたが、足の怪我をして車椅子や松葉杖で生活せざるを得なくなったとき、よりその利便性を痛感した。新製品の中でもハンズフリー機能を搭載した「Qrio Key S」は「今すぐ欲しい!」と思ってしまった製品。
外出から戻っても両手がふさがっている松葉杖だと、スマートフォンを出して操作するのも、カードをタッチするのも、暗証番号を押すのも一苦労だが、「Qrio Key S」の立ち止まり検知機能があれば、ドアの前に立つだけで解錠できる。バリアフリーの観点からも注目したい製品だ。
新製品3種はQrio Storeにて現在予約受付中。Amazonでは11月 26日より先行発売する。
文/阿部純子