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日本でドローン物流は実現できるのか?メリットとデメリットを考える

2021.11.22

2022年後半に予定されている改正航空法の施行により、レベル4(有人地帯における目視外飛行)の飛行が可能となることで、実用化のフェーズへと進んでいくドローン物流。

経済産業省は具体的な環境整備や技術開発の実現を進めるため、「空の産業革命に向けたロードマップ2021」も取りまとめている。

しかし、なぜ私たちの国では今ドローン物流が必要とされているのだろうか。海外の事例をはじめ、日本国内でドローン物流を実用化するメリット、デメリットをご紹介していきたい。

【海外事例】コロナ禍により急を要されたドローン配送

世界各国でドローンによる配送が急ピッチで進展したのは、コロナが原因と言っても過言ではない。人との接触をできるだけ回避できる配送システムが必要だったことと、在宅時間が増えたことでECサイトの利用率が上がり、配達量が増加したことが主な原因だと言われている。

日本ではまだドローン物流という概念自体がジェネラルに浸透していないが、海外ではすでに本腰を入れている企業も多い。

2021年現在だと、アメリカでは2月にドローン配送実証実験のFAA(アメリカ連邦航空局)による初めての飛行許可を得た、ドローン配達会社として有名なFlirteyと大手製薬企業のVault Healthが唾液ベースのCOVID-19検査のドローンデリバリーを成功させている。このように過疎地への運送にもドローンは役立つ。

また、Amazonは2013年から「Amazon Prime Air(アマゾン・プライムエア)」というドローンによる配送サービス実現のため実証実験を重ねてきており、ついに2020年8月にFAAからドローン配送の認可が降りた。

中国も、実は日本よりドローン物流が進んでいる。杭州のスタートアップ企業であるAntworkは、物流システムそのものが世界的企業であるスターバックスやケンタッキーフライドチキン(KFC)などに導入され、杭州地域で航空局の許可のもと、都市部での商用目的の物流を世界で初めて成功させている。また、生活関連サービス事業を展開している美団(Meituan)も、2020年に広東省深圳市で実際の利用者を対象にドローンによる配送サービスを開始し、話題となった。

日本での実用化は?東京は2022年3月まで宅配の実証実験中

実際のところ、配達量が増加したことによるドライバー不足は日本も海外と同様に起こっている。むしろ日本では少子高齢化が進んでいるため、より深刻な状況だ。2017年12月に日本銀行が発表した企業短期経済観測調査ではすでに、「雇用人員判断指数」という項目において運送業はワースト2になるほど人手が足りていない。

しかし、海外より遅れはとっているものの、日本は2020年の8月から2022年3月までの期間を通し、「東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクト」というドローンを利用した宅配の実証実験を行なっている。このプロジェクトに参加しているのは、KDDI・日本航空・JR東日本・ウェザーニュース・Terra Droneの5社。

出典:KDDI

冒頭でも述べたように、2022年後半に航空法の改正が予定されているため、日本でも徐々にドローン物流実現に向けて準備は進められているのだ。

実際のところ、すでに地域レベルでは国内で挑戦している人もいる。ドローン(小型無人機)を使う空撮を手掛けるsky contact(スカイコンタクト、伊那市)社は、過疎地域となった町や村に住む高齢者などに、買い物支援のデリバリーサービスをドローンで運用している。

ではなぜ日本は、ドローン物流の実用化を中々進めてこなかったのだろうか。国内最大級のソフトウェア企業であるNECソリューションイノベータによると、あえて町の上空をドローンで荷物を運ぶメリットを企業側がまだ感じていないことが理由の一つに挙げられると説明している。

では実際に、日本でドローン物流が実用化されたらどうなるのか、もたらされるメリットやデメリットを見ていきたい。

メリット|環境に配慮でき配達もスピーディに

まず大きなメリットと言えるのは運送業の人材不足解消だろう。そのほかにも、運送する側と荷物を受け取る側のどちらにもメリットはいくつかある。

・トラック輸送とは異なり環境に配慮できる
・空路の宅配の中でコストが低い
・過疎地や被災地へ宅配できる
・交通渋滞に左右されないので配達がスピーディ
・人と接触する必要がない

ワシントン大学の調査レポートは、ドローンとトラックのどちらの環境負荷が小さいか比べた時に、飛行距離が比較的短く配送先の数が少ない場合、トラック配送よりもドローンの方がCO2の排出量が少ないと発表している。SDGsが掲げられている今、持続可能な社会に向けて少しでも環境に配慮できるという事実は、実用化への一助となるだろう。

私たちのような消費者目線で考えた時も、嬉しいポイントがある。ドローンは交通渋滞にハマることがないのだ。なおかつ、日本国内におけるドローンの飛行高度は150m未満と決められており、この高さで他の飛行物と衝突することがないため、よりスピーディに配達ができる。

また、コロナが世界的に見ても収束してきたものの、自分の身近にいる小さな子どもや高齢の家族を思うと、まだ人とできるだけ接触したくない人もいるだろう。ドローンは荷物受け取り時に人を介さなくて済むので、そのような人にもやさしいサービスだと言える。

デメリット|悪天候時の宅配や盗難予防が課題

では反対にデメリットは何が挙げられるだろうか。

・悪天候時に宅配が難しい
・商品受け取り時の本人確認方法が難しい
・ドローンが盗難されたり、犯罪などのトラブルが起きる可能性がある

ドローンは飛行機やトラックとは異なり、荷物を包んでいる段ボールを直で運ぶことになる。その場合、雨風が強い日や雪の日への対応を考えないといけない。

そもそも、商品を受け取る時に本人特定をどのように行なうかも課題の一つ。しかし2018年時点では、楽天モバイルネットワークが「楽天生命パーク宮城」(仙台市)にてドローンが撮影した映像を5Gネットワークで伝送し、本人確認ができるのか検証したところ、スタジアム内の人物を特定できたという。高精細な本人確認実現への道のりは、意外とそう遠くないかもしれない。

出典:Rakuten

免れないのが、ドローンを盗むする人は少なからず出てくるだろうということ。転売や盗撮など、悪用される危険性も考慮しないといけない。

まとめ|日本での実用化には国や民間企業の連携が重要

2022年の航空法改正、レベル4への移行に向けて機体も技術もさらにパワーアップしていくであろうドローン産業。

実用化されれば、企業にとっても個人にも今までの運送にはないメリットを体験できる。しかし、ドローンが物流業界に参入するにはまだまだ解決すべき課題があるので、国をはじめ、複数の民間企業や地方公共団体などの連携がカギとなってくるだろう。

参考文献

出典:空の産業革命に向けたロードマップ2020|経済産業省
出典:日本の物流界の救世主となるか?「ドローン物流実用化」のための4つの課題|NECソリューションイノベータ
出典:ドローンを利用した宅配はうまくいく?メリット・デメリットをご紹介します!|株式会社旭テクノロジー
出典:Drone vs. truck deliveries: Which create less carbon pollution?|UNIVERSITY OF WASHINGTON

取材・文/ゆりどん

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