ラジオには意外なペアの番組も多い。中でも『純次と直樹』は人気番組のひとつ。質問に対してテキトーに答える高田純次さんと、ツッコミを入れる浦沢直樹さん。コロナ疲れを吹き飛ばす(!?)軽妙なかけ合いは、取材でも健在だった!
文化放送『純次と直樹』
毎週日曜日17:00~17:30
74歳の適当男・高田純次さんと日本を代表する漫画家・浦沢直樹さんがタッグを組んだ番組。仕事にも趣味にもこだわりを持つ「かっこいいオトナ」のふたりが、お互いの近況や趣味の話を自由気ままにトークする。
[リスナー層]30~40代が中心
印象に残っているエピソード?何にも覚えてないなぁ~
パーソナリティー
高田純次さん
東京デザイナー学院卒業。1971年に「自由劇場」の研究生となるが、1年後にはイッセー尾形氏らと劇団を結成。その後4年間のサラリーマン生活を経て、1977年に劇団「東京乾電池」に参加。1989年に独立し、テイクワン・オフィスを設立した。テレビ朝日系列で放映中の『じゅん散歩』など様々な番組で活躍中。
浅いトークを毎回繰り返しているだけですからね(苦笑)
パーソナリティー
浦沢直樹さん
漫画家。1983年デビュー。代表作に『YAWARA!』『Happy!』『MONSTER』『20世紀少年』など。現在、『あさドラ!』を「ビッグコミックスピリッツ」(小社)にて連載中。これまでに小学館漫画賞を3度受賞したほか、国内外での受賞歴多数。国内累計発行部数は1億2800万部を超える。ミュージシャンとしても活動。
──この番組が始まったきっかけについて教えてください。
浦沢 前の番組で「高田さんの誕生日のスペシャルゲストは誰がいい?」となって、高田さんが「浦沢さんに会いたい」って言ったのが始まりです。僕がゲストで出演し、30分くらい話して盛り上がったら、プロデューサーが「ふたりを組ませたらおもしろい」と。
高田 ああ、そうか。スペシャルゲストでね。今まで来たゲストの中で、浦沢さんが一番いいって、その時に言ったんだった。それまでロクなゲストがいなかったから……あ、そんなことはないか(笑)。
──高田さんはもともと、浦沢さんのファンだったそうですね。
高田 そう。とにかく僕、小さい頃から絵の上手な人が好きなの。
浦沢 高田さんが一番好きな漫画家は誰でしたっけ?
高田 子供の頃は『赤胴鈴之助』の武内つなよしさんだね。後年になってからは、あの人ですよ。きれいな女の人を描く……浦沢直樹っていう。一応、入れとかないとね。
──浦沢さんから見た高田さんはどんな人ですか?
浦沢 昔から憧れの人ですね。汲めども尽きぬテキトーさで、話が全く深くならない。だから、何度でも同じ話で楽しめる。その〝グルグル回る〟感じが気持ちいい。
高田 そう言ってもらえるのは、うれしいですよね。物を浅くしか覚えてないし、深くなるとわからなくなっちゃう。一度しゃべったことを、すぐ忘れちゃうから。だけど、どこか哲学者ってイメージがあるからね。自分の中では。
浦沢 お尻出しちゃうから、ケツ学者ですよ(笑)。
──番組開始から4年半のオンエアの中で、印象的だったエピソードやトークはありますか?
高田 ないね! 僕らのトークはグルグル回っている水みたいなもんだから。浦沢さん、あります?
浦沢 残るほどの話をしてない。
高田 そう、それが正解だよ。ほとんど忘れちゃうんだ。残らないね。
浦沢 それが大事なんです。すべてが流れていくっていうね。何かがたまってしまうなら、ここまで番組は続かないですよ。それに高田さん、ずっと嘘を言ってるから、どれが本当かわからない(苦笑)。
高田 何が本当なのか、自分でもわかんなくなっちゃう。弱っちゃうんだよな。この間も女房の名前間違えちゃって、怒られちゃった。
──ラジオの収録に向けて何か準備はされていますか?
高田 3kmのウオーキング後に冷湿布をしたり、頭の回転をよくするために生卵を2個飲んだりするんですよね。そうするとリスナーの相談にすんなり答えられるの。
浦沢 これ、ぜんぶ嘘ですから(笑)。ラジオでもこんな感じでしゃべってるだけですね。
──コロナ禍でラジオが再び注目されていますが、リスナーの反響などに変化はありましたか?
高田 全くわからない。でも、ラジオって「聴いてるよ」って言われると意外とうれしいもんだよね。「テレビ見てるよ」よりも。
浦沢 ラジオって選んで聴いてる感じがするから。僕自身は聴く機会が増えました。聴き逃した番組を「radiko」で流しながら本棚を片づけるとすごくはかどるし。
──普段どんな番組を聴きます?
高田 人のラジオ? 1回も聴いたことない。もう全然。
浦沢 大竹まことさんの番組は?
高田 大竹の「お」の字がきた途端に変えちゃうから。ほかのラジオも聴かないけどね(笑)。
●番組プロデューサーが話す〝ここがツボ!〟
人気コーナーのひとつが「溺れる者は純次をも掴む」。リスナーから寄せられる質問を、高田さんが斜め上をいく考えで答えるのが聴きどころ。それに対する浦沢さんのツッコミや、さらなる話の発展も実におもしろいです。
異色なふたりがパーソナリティーを務めるこのラジオ番組もおもしろい!
収録スタイルもトーク内容も自由奔放
渋谷のラジオ『福山雅治と荘口彰久の地底人ラジオ』
毎週土曜日22:00~
シンガーソングライター・俳優の福山雅治と、フリーアナウンサーの荘口彰久がパーソナリティーを担当。都内にある福山の個人スタジオや仕事で訪れた南米大陸など収録場所は全地球規模。些細な出来事から超常現象まで様々なトークを展開するエンターテインメント番組。
週に1度のドライブ気分を満喫
J-WAVE『TOYOTA DRIVE IN JAPAN』
毎週金曜日 16:00~16:30
ぐっさんこと山口智充とファッション誌などで活躍するモデルの浦浜アリサがクルマに乗り、月替わりのドライブを軽妙なトークでレポート。クルマ好きなリスナーが参加するインスタグラム企画「みんなのdijアルバム」も展開している。
取材・文/久我裕紀
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