平日の深夜、休日のお昼。レギュラー番組が対照的な時間帯に2本あるというふたり。しかも放送は同じラジオ局。番組を行なうスタジオは別だというが、同じ雰囲気の中、昼の顔と夜の顔をどう切り替えているのか?
ラジオ番組をするってことが、もう生活のリズムになってるんだよね!
全国のラジオ番組をチェックしている
太田 光さん
1965年5月13日生まれ。埼玉県出身。「radiko」のエリアフリー機能で全国各地のラジオ番組を聴くのが趣味。それが高じて、RCC中国放送の横山雄二アナや、WBS和歌山放送ラジオで番組を担当する桂枝曾丸さん、ABC朝日放送の元局アナ・三代澤康司さんなど、各地のラジオパーソナリティーと交流がある。
移動中の車内で昼の番組を聴くという
田中裕二さん
1965年1月10日生まれ。東京都出身。ラジオの放送前は控え室でのんびりしていることが多い。日曜日の生放送前は、競馬中継を見ながらスマホを使って馬券を買う姿も。深夜の放送では、子供に軽くバカにされるお父さんエピソードがコーナー化されている。
──昼と深夜でリスナーの層が異なりますが、意識していることはありますか?
太田 時間帯によって何かを気遣っているというのはないね。今は火曜日の深夜のラジオは基本録音で日曜日の昼のラジオは生放送。昼はアシスタントのアナウンサーもいるし、ニュースや交通情報や天気予報が入るので、自分たちが意識しないでも自然とゆったりした感じの放送になるから。てことで、DIMEさんが一番聞きたかったふたつの顔に関しては「実はそんなに変わらない」ってことで。どうもありがとうございました。
田中 取材を2分で終わらせるな! 記者の人も困ってるよ。メインで聞きたいこと以外もいろいろ話すのがインタビューってもんだろ。すみません。で、ふたりでラジオの話をしたらいいんですよね。
──お気遣い感謝します。
田中 振り返ってみると、ずっとラジオやってるね。
太田 ラジオだけだよ。俺らの世代に向いてくれているメディアは。
田中 テレビもやらせてもらってるんだから、そんなこと言わない!
太田 デビューしてから今まで、何かしらのラジオ番組をやっているね。ラジオって、スタジオの中で最近あった出来事や、ふと思ったことを話すから、コンビにとってはありがたい。
田中 普段会話してなくても、ラジオがあるとお互いの〝今〟がつかめる。ふたりのコミュニケーションの場としてラジオを使わせてもらってる感じはあるね。
太田 もう、ラジオがないと生活のリズムが悪くなる。ラジオは生活の一部だね。
──深夜の放送は長時間にわたるフリートークが魅力です。普段からこれをラジオで話そうと考えながら行動してますか?
太田 そういうのはないね。物事に首を突っ込んで茶化すのが好きだから、興味本位でいろんなところへ行くことはあるけど。
田中 太田さんは日曜日の生放送の前、たまに安住くんのラジオ(『安住紳一郎の日曜天国』毎週日曜10〜11時55分)の放送後のスタジオへ行くよね。
太田 10月から始まった新番組『THE TIME,』がどうなっているのか気になるから、ちょっかいを出しに行っちゃうね。
田中 向こうは迷惑だと思うよ。放送後の反省会とかの時間だし。
太田 でも、気になっちゃうからしょうがない。
──時には考えさせられるような話もされますよね。
太田 時間をかけて、じっくり自分の考えを話すことができるのはラジオの魅力じゃないかな。テレビだとどうしても時間に制限があるから、考えをコンパクトにまとめなければならない。だけど深夜の放送は自由な部分が多いから、盛り上がったら予定していたコーナーを飛ばして語ることもできる。
田中 昼間は、深夜ほどふたりでじっくり語れる時間はないけど、リスナーの生のリアクションがあったり、幅広い世代に聴いていただいたりしているので、深夜とは違うおもしろさがあるよね。
──おもしろさが違うということは、昼と夜の顔があるのでは?
太田 そうですね、下ネタが出るのが深夜、あまり出ないのが昼ってことで。
田中 さんざん語った結果が、それか!
TBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』
毎週日曜日13:00〜17:00
アシスタントは良原安美アナ(第1〜第4日曜日)と外山惠理アナ(第5日曜日)。大物俳優などを迎えるゲストコーナーや、若手芸人が週替わりで進行するコーナーなどが人気。田中さんが好きな競馬の時間も。
[リスナー層]20~70代が中心
●番組プロデューサーが話す〝ここがツボ!〟
ニュースにゲストにランキング、爆笑問題がちょっぴり知的に生放送恒例企画に加え、全国のラジオ番組で起きたハプニングを紹介する「珍プレー好プレー大賞」、各地の名番組を発掘してきた「新番組選手権」も人気です。
TBSラジオ『JUNK 爆笑問題カーボーイ』
毎週火曜日25:00〜27:00
1997年4月スタート。現在25年目。録音だが放送の数時間前にほぼ編集しないスタイルで収録。年に数回生放送を行なうことも。太田さんの感情のこもった投稿メールの読み方がリスナーを惹きつける。
[リスナー層]20~40代が中心?
●番組プロデューサーが話す〝ここがツボ!〟
radikoの登場で深夜まで起きていなくても手軽に楽しめるようになりました。ノンストップで30分以上しゃべり続けるオープニングトークと投稿コーナーは、すべての世代に聞き応えがあるものと思います。
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取材・文/渡辺雅史