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米国はドリップパック、英国はインスタント、意外と知らない世界のインスタントコーヒー事情

2021.11.20

日本ではなじみ深いドリップパックタイプのコーヒーだが、実は米国では、普及してからまだ10年余なのをご存知だろうか。長年、プラスチックのカプセル型が主流だったが、近年の脱プラスチックの考え方から、紙素材のドリップパックへの切り替えが進んでいるのだ。

そこで今回は、米国でのドリップパックの普及状況を含めた世界各国のインスタントコーヒーの飲まれ方について探ってみた。また、近年のコーヒーに関する課題についても紹介する。

米国のインスタントコーヒー事情

世界的にインスタントコーヒーは飲まれているが、その淹れ方や飲まれ方は、各国それぞれだ。例えば、米国ではどんな状況なのだろうか?

「米国では日本ほどドリップパックコーヒーが普及していません。米国ではまだドリップパックの希少価値が高いため、普段飲むコーヒーよりも少し優雅で高級なイメージで売っています」

そう話すのは、米国にてドリップパックコーヒーやティーバッグコーヒーの製造を行うNuZee社のCMO、豊田朋子氏だ。

【取材協力】
豊田朋子氏
NuZee Inc.  CMO
2005年よりスターバックスコーヒーカンパニーにて、スターバックスの国際展開を担当するブランドマーケティングマネージャーやカテゴリーディレクターなどを歴任。日本駐在経験もあり、2011年にスターバックスCPGインターナショナル合同会社の代表就任。日本向け商品の製品開発を担当し、その後シアトル本社にてグローバル戦略マーケティング兼イノベーション ディレクターとして海外市場の製品開発や商品化に貢献。2021年5月よりNuZee Inc.のCMOとして参画。
https://mynuzee.com/

米国では、長年、プラスチック製の小さいカップのカプセル型のインスタントコーヒーが主流だった。カプセルの内部には、1杯分のコーヒー粉とフィルターが設定されており、コーヒーマシンにセットすると自動でコーヒーがドリップされる仕組みだ。このコーヒーマシンとカプセル型カップの組み合わせが、米国では定番となっている。

「ドリップパックコーヒーは厳密にはインスタントコーヒーに分類されません。一般的には抽出したコーヒーの液体を乾燥し粉末化したものがインスタントコーヒーです。ただ、日本ではドリップパックコーヒーをインスタントコーヒーと同様に手軽にコーヒーを飲む手段として捉えている方が多いと思います。一方で、米国ではドリップパックコーヒーは『Single Serve Pour Over』という名称で売り出されており、コーヒーメーカーで淹れたコーヒーと区別し、『1杯ずつ=Single Serve』『上からお湯を注いで入れる=Pour Over』という、ハンドドリップのようにひと手間加える過程を楽しみながら、より美味しくコーヒーを淹れるスタイルの部類に入ります。よって、ただのドリップよりも一段上質なコーヒーの淹れ方として認識されています」

日本ではドリップパックといえば、カップにセットしてお湯を注ぐだけでドリップコーヒーがインスタントコーヒーのように手軽に飲める代表的な飲み方。そう考えると、米国での扱いは意外なところだ。

米国・カナダ・メキシコ・ヨーロッパのインスタントコーヒー事情

米国のほか、他国のインスタントコーヒーの飲まれ方についても気になるところ。豊田氏に他国の状況を聞いてみた。

●【米国・カナダ】ホットコーヒーは「朝」に飲む

「日本では午後のお茶の時間にコーヒーを飲むというのは一般的ですが、米国やカナダではそうではありません。米国やカナダでは、ホットコーヒーは朝に飲まれるもので、午後になると飲用率がぐっと下がります。インスタントも同様で、午前中の飲用率がとても高いです。朝の起き抜けにコーヒーを一杯飲んで目を覚ます、という感覚です。午後になると閉めてしまうカフェもたくさんあります。

最近でこそ午後の気分転換の一杯としてアイスコーヒーが親しまれていますが、それはここ数年に普及し始めた飲み方です」

●【メキシコ・イギリス】インスタントのほうが親しまれている

「メキシコやラテンアメリカはコーヒーの産地ではありますが、ドリップや豆でいれたコーヒーよりもインスタントのほうが親しまれているマーケットです。

ヨーロッパの中では、イギリスでよくインスタントが飲まれていますね。やはり、紅茶がよく飲まれている国だからだと思いますが、エスプレッソやドリップのように淹れる手間のかかる飲み物よりも、簡単にいれられるインスタントが重宝されているようです」

コーヒー豆の有数の産地で、インスタントのほうがよく飲まれているというのも意外だ。

カプセル型はプラスチック問題が懸念

ところで、米国で長年親しまれてきた、カプセル型だが、素材にプラスチックを使用しているため、近年は環境配慮の観点から問題視されている。豊田氏に、各国の状況を尋ねた。

「リサイクルできないプラスチックの利用は、米国でもカナダでも問題になっています。日本では当たり前ですが、アメリカでも州によってはプラスチックの袋の有料化が進んでいます。その中で、リサイクルがしにくいカプセル型を問題視するコーヒードリンカーは多数います。

ヨーロッパでも、カプセル型のコーヒーのゴミをリサイクル可能な素材にすることを、メーカー側に求めている流れがあります。まだプラスチックやリサイクル不可能な素材を使用しているカプセルコーヒーが廃止になる、と決定はしていませんが、これからどんどんプラスチックを減らす方向に進んでいくと考えています」

こうした背景から、米国でNuZeeが販売しているティーバッグスタイルのコーヒーは、淹れた後にそのままゴミ施設で堆肥にできるゴミとして捨てられるという観点から、人気があり売れ筋商材になっているという。

世界的に高まるコーヒーの2050年問題

インスタントコーヒーに限らず、コーヒー供給全般に関係する生産者や事業者の間で、特に問題視されているのが、コーヒーの2050年問題だ。

これは温暖化による気候変動により、コーヒー豆の栽培地が減少することを指す。特に生産量の多いアラビカ種の栽培に適した土地が、2050年までに現在の50%まで落ち込むと予想されている。

NuZeeでは、この問題についてどのように考え、取り組んでいるのだろうか。

「2050年問題は、コーヒーに関する仕事をしている人たちにとって、とても大きな問題です。2050年問題は、地球温暖化が大きな原因ですが、温暖化の進行を少しでも和らげる努力として、まず工場を100%再生可能エネルギーで稼働させ、少しでも温室効果ガスを減らしたいと考えています。

また、枯渇するコーヒー資源を守るためには、今あるコーヒーを大切にしていく、コーヒーの無駄な飲み方をしない、というのも大切だと考えています。そういう意味では、飲む分だけ淹れる一杯どりの商品自体が、大切なコーヒー資源を守っていくことだと思います。

NuZeeでは日本発祥のドリップパックコーヒーという商品を普及させるよう取り組んでいます。この取り組み自体が、限られた資源であるコーヒーを大切に消費していくことにつながると信じて、積極的に世界中にこの商品を普及させようと取り組んでいます」

世界的に愛されるコーヒー。日本では当たり前なことも、各国ではそうではないということもあるようだ。またコーヒー業界では脱プラ、2050年問題など、環境に配慮しなければならない課題も多い。

毎日、何気なく飲んでいるインスタントコーヒーだが、たまには世界に意識を広げてみるのもいいかもしれない。

取材・文/石原亜香利

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