チャットプラス「コロナ禍収束後の行動志向」に関する調査
緊急事態宣言は9月末をもって解除され、飲食店の酒類の提供が可能となるなど、ようやくコロナ禍の収束の兆しが見え始めた。
こうした背景には、国民のワクチン接種が進んだことも関係しているといえるだろう。今後は、新型コロナワクチンを2回接種した人の移動や行動の制限緩和が行なわれるかもしれない。そうすれば、経済活動を回復させる動きも自ずと活発になるのではないだろうか。
では、そうした制限緩和後に人々は何をしたいと考え、どのようなことに不安を感じているのか?
今回、チャットプラスは、全国20代~60代の男女を対象に、「コロナ禍収束後の行動志向」に関する調査を実施した。
約8割が緊急事態宣言解除に「良かった」と回答
東京や大阪など多くの都道府県に発出されていた緊急事態宣言は、9月末をもってすべて解除されたが、それについてどのように思っているのだろうか。
「緊急事態宣言解除についてどう思いますか?」と質問したところ、『良かったと思う(80.4%)』『良くなかったと思う(19.6%)』という結果となった。
何はともあれ、緊急事態宣言が解除されたこと自体については、良いニュースだといえるだろう。同じように8割以上の方が良かったと思っているようだ。どのような理由でそう思ったのか聞いた。
■緊急事態宣言が解除されてどう思った?
・ワクチンが普及したこと、重症化リスクが未接種時よりも減ったことなどを考えて、多少の緩和は良いのかなと思います(30代/女性/公務員/愛知県)
・ここ数週間で感染者は激減しています。ワクチン接種を2回終えた方も増えましたし、経済を回すためにも解除されて良かったのではないでしょうか(30代/女性/公務員/兵庫県)
・解放された感は良かったのですが、これからウイルスの感染拡大が起こりやすい乾燥した寒い時期を迎えることを考えると油断してはいけないと思います。海外では爆発的に拡大している地域もあるようですから(50代/女性/パート・アルバイト/宮城県)
・ワクチン効果もあって感染者が少なくなったこと、シルバーウィークを過ぎた2週間後でも感染者が増加していないことなどを考えると、経済の立て直しも検討しなければならないので、緊急事態宣言の解除は必至かと思う(60代/男性/公務員/埼玉県)
緊急事態宣言の解除に概ね賛成という人が多いようだ。ただし、解除されたからといって油断は禁物。緊急事態宣言が解除された理由については、どのように考えているのだろうか。
「今回の緊急事態宣言解除のきっかけは何だったと思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『新規感染者数が減少しているから(64.1%)』と回答した人が最も多く、次いで『コロナワクチンの接種率が高まったから(56.6%)』『コロナワクチンが普及したから(48.1%)』『経済活動を回復させるため(36.0%)』『医療体制のひっ迫状況が緩和されたから(20.4%)』『消費支出を増加させるため(15.5%)』『国民の感染対策意識が高まったから(9.4%)』と続いた。
大きなきっかけとなったのは新規感染者数が大幅に減少したことで、それに加えてワクチンが普及し、接種率が上がったことも緊急事態宣言解除のきっかけになったと考えている人が多いようだ。
【定期的なワクチン接種を望む人は7割】ワクチンの普及で様々な面での回復を期待する声も
新規感染者数が激減した理由については、感染症の専門家の間でもさまざまな見解があるが、その一つとしてワクチン接種率が上がったことが考えられそう。では、今回の調査に協力した人のワクチン接種率はどのような状況なのだろうか。
そこで、「ワクチンの接種状況について教えてください」と質問したところ、『接種していない(接種する予定もない)(8.4%)』『接種していない(今後接種する予定)(4.8%)』『1回目の接種が完了(5.8%)』『2回目の接種が完了(81.0%)』という結果となった。
2回目の接種が完了と回答した人だけでも8割以上、今後接種する予定と回答した人まで含めると9割以上がワクチンを接種している(する予定)のようだ。
政府は12月から、職場領域における3回目の新型コロナワクチンの追加接種を認める方針を固めた。では、今後も定期的にワクチン接種することに対して、どのように思っているのだろうか。
前の質問で『接種が完了した』『今後接種する予定』と回答した人に、「今後も定期的にワクチンを打ちたいですか?」と質問したところ、7割が『はい(70.0%)』と回答した。
■定期的にワクチン接種したい、その理由とは?
・ワクチンによって感染対策ができるのであれば接種したい。高齢の両親を危険に曝さないためにも定期的に接種したい(20代/女性/会社員/神奈川県)
・ワクチンの効果が薄れてくると聞いたので再度打ちたいと思います。でも、アフリカなど他の国や地域で打てていない方を優先してほしい気持ちもあります(20代/女性/会社員/静岡県)
・ワクチンによって作られた抗体は時間が経つと低下してくるらしいので、定期的なワクチン接種が必要だと思います(40代/女性/パート・アルバイト/山口県)
・コロナが風邪並みの病気になり、飲み薬で症状が緩和されるまではワクチンを打ち続けたい(50代/男性/会社員/神奈川県)
時間の経過によって抗体が減少するため、定期的にワクチンを接種したいと思っている人が多いようだ。
【ワクチンで“正常化”するか?】コロナ禍で生活や意識に起きた変化
では、そのワクチンが普及することによって、経済界や観光業界、医療体制なども含めて緩和されるのだろうか。
「ワクチンの普及によって経済/観光業/医療体制などの観点からも緩和すると思いますか?」と質問したところ、『大いに緩和されると思う(19.4%)』『ある程度緩和されると思う(67.9%)』『あまり緩和されないと思う(現状維持)(11.3%)』『むしろ強化されると思う(1.4%)』という結果となった。
9割近くがワクチンの普及によって、何かしら良い方向に進むと感じているようだ。ワクチンが普及した後は、コロナ禍で変化した日常生活はどのように移り変わっていくのだろうか。
■コロナ禍で生活や意識は変化した?ワクチンが普及しても続けていきたい習慣とは?
・外にあるもの全てに菌が付着しているという認識を初めて持ちました。今ではすっかりアルコール消毒液に依存しています。オンラインを使った大学生活も今後も続けていきたいです(20代/女性/学生/兵庫県)
・テレワークができるようになったのは良いことだと思います。外食の機会は減りましたが、コロナ禍以前の状態までに戻ることがあるのかは分かりません。あとは、飛沫を意識するようになりました。これからも、うがいや手洗いを続けていきたいです(30代/女性/会社員/東京都)
・コロナ禍で家族と過ごす時間が増えました。おうち時間の過ごし方など貴重な体験をし、家族と一緒にいる喜びを再確認できました。これからも、それを大切にしていきたいです(40代/女性/パート・アルバイト/山口県)
・基本的にマスクや手洗い、ソーシャルディスタンスの確保といった生活習慣は今後も永続すると思うし、混雑や人が密集するような場所には行かないと思う(60代/男性/無職/神奈川県)
コロナ禍で変わった生活や意識の変化は、ワクチンが普及してもあまり変わらず、“正常化”には至らないといえそう。
【コロナ禍収束後の生活】人々に起きる生活の変化
では、ワクチンに左右されるのではなく、新型コロナ自体が収束すれば、どのように意識が変化するのうだろうか。人々の暮らしや経済はコロナ禍以前の水準に戻るのか。
そこで、「コロナ禍が落ち着いた後の生活について教えてください」と質問したところ、『個人の生活も経済活動も現在の水準が続くと思う(35.8%)』『個人の生活はコロナ禍以前の水準に戻るが、経済活動は現在の水準が続くと思う(29.2%)』『個人の生活も経済活動もコロナ禍以前の水準に戻ると思う(19.5%)』『個人の生活は現在の水準が続くが、経済活動はコロナ禍以前の水準に戻ると思う(15.5%)』という結果となった。
わずかな差ではあるが、コロナ禍が落ち着いても個人の生活や経済は今の水準のままだと思っている人が多いよう。なぜコロナ禍が落ち着いても現在の水準が続くと思うのだろうか。
■コロナ禍が落ち着いても変わらない?その理由とは?
・個人の生活水準はコロナ前と現在で特に変わりがないからそのまま続くと思う。経済活動の方は何ともいえないけど急にコロナ禍以前の水準に戻るとは思えない(20代/女性/会社員/栃木県)
・コロナが完全に消えることはないと思うので今と変わらないで続くと思います(30代/女性/パート・アルバイト/岩手県)
・収まったと思っても変異株が出てくる可能性もあるし、現在の感染予防対策を続けていくことになると思うと、なかなか以前のように戻れないのでは(30代/女性/会社員/福岡県)
・個人生活が元の水準に戻るにはしばらく時間がかかると思う。個人生活が元の水準に戻らなければ経済活動も元の水準には戻らないと思う(50代/男性/公務員/兵庫県)
などの回答が寄せられた。個人の生活も経済活動も、しばらくは現在の水準が続くと見ているようだ。
【まとめ】コロナ禍が収束しても、人々の行動は今の状態でしばらく続くことが判明!
今回の調査で、コロナ禍収束後の行動志向が明らかになった。緊急事態宣言が解除となったことについて、8割が良かったと回答しつつも、一部では慎重な意見もあるようだ。
ワクチン接種率が8割以上という調査結果は喜ばしいことなのかもしれないが、時間の経過と共に抗体量が減少するという研究報告もあり、7割の人が今後も定期的にワクチン接種をしたいと考えていることも分かった。
また、9割近くがワクチンの普及によって経済や観光もある程度改善すると感じているようだが、コロナ禍で変化した生活や意識はなかなか変わらないよう。
たとえコロナ禍が収束しても、生活も経済も現在の水準が続くと感じている人が多く、人々の行動志向はあまり変化がないことが分かった。暮らしや経済がコロナ禍以前のように戻るには、もうしばらく時間が必要だといえそうだ。
調査概要:「コロナ禍収束後の行動志向」に関する調査
【調査期間】2021年11月5日(金)~2021年11月6日(土)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,022人
【調査対象】全国20代~60代の男女
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
関連情報:https://chatplus.jp/
構成/DIME編集部