犬用のおむつは、性別や年齢、用途によって最適なタイプが変わります。オスのマーキング対策には『バンド型』、介護やヒート時のマナー対策には『ホールド型』を使いましょう。おむつを選ぶときのポイントや『紙製と布製の違い』を解説します。
犬用おむつが活躍する場面
犬がおむつを必要とするのは、排泄のコントロールが上手にできないときです。子犬や老犬の粗相防止だけでなく、外出時のマーキングやヒート時のマナー対策でも使用できます。犬用おむつが活躍する場面を詳しくみていきましょう。
外出時のマーキング対策
犬用おむつは、外出時のマーキング対策になります。『マーキング』とは、少量の尿を複数回にわたって排出させる行動です。生理現象である排尿とは異なり、自分の存在をほかの犬に知らせるのが目的です。
犬が電信柱の匂いを嗅ぎ、片足を上げてピュッとおしっこをかけるのを見たことがあるでしょう。片足を上げてマーキングをするのは大抵がオスですが、発情期になるとメスのマーキング行動も多くなります。
マーキングは犬の本能であり、しつけでコントロールできるとは限りません。『マーキングをしてはいけない場所』に犬と出かけるときは、犬用おむつを使うのがマナーです。
ヒート(生理)時のマナー対策
メスの生理は『ヒート』と呼ばれます。発情前期~発情期になると、『陰部の腫れ』『頻尿』『出血』などの症状が見られるほか、散歩時のマーキング行動も多くなります。犬用のおむつは、ヒート時の『マナー対策』として有効です。
- 室内が出血で汚れるのを防ぐ
- 妊娠を防ぐ
- 散歩時のトラブルを防ぐ
オスはメスの発情期の匂いに興奮するため、おむつなしで散歩をすると飼い犬同士のトラブルに発展する可能性が高いでしょう。おむつをしていれば、望まない妊娠も防げます。
個体差もありますが、月齢6~12カ月頃に初めてのヒートが訪れます。周期は6〜10カ月で、期間は約1~2週間です。小型犬は6カ月前後でヒートを迎えるため、子犬を迎えたら早めにおむつの準備をしておきましょう。
老犬の排泄ケアアイテムとして
室内飼いの犬はトイレトレーニングをすれば、所定の場所で排泄ができるようになります。しかし、加齢で体力や知力が衰えるにつれて粗相が多くなり、最終的には排泄のコントロールが困難になります。
犬用おむつは老犬の『排泄ケア』には欠かせないアイテムです。排泄物の漏れや踏み荒らしが未然に防止でき、室内が清潔に保てます。
ただし、おむつのこまめな交換を怠ると、皮膚病や膀胱炎を引き起こすため、『つけっぱなし』は禁物です。老犬は一日のほとんどをおむつで過ごすため、通気性のよさや吸収性の高さも考慮する必要があります。
犬用おむつの種類
犬用おむつを選ぶときは、『形状』と『素材』を確認しましょう。いつ・どんなシーンでおむつを利用するかを明確にすると、愛犬に最適なおむつの種類が分かります。種類ごとのメリット・デメリットを確認しましょう。
形状はホールド型とバンド型の2種類
犬用おむつの形状は、大きく『ホールド型』と『バンド型』に区別されます。
ホールド型は、お尻全体を包み込むタイプです。人間の紙おむつと似ていますが、お尻の部分に『尻尾を通す穴』がある点が大きな違いです。
動いてもずれにくく、便や尿を外に漏らさないため、排泄が困難になったシニア犬や病気の犬に向いています。デメリットは、着脱にやや時間がかかる点と蒸れやすい点です。
バンド型は、『マナーバンド』や『マナーベルト』とも呼ばれ、胴まわりに巻き付けて使います。このタイプは基本的にオスのみで、メスはホールド型を使うのが一般的です。排便ケアはできませんが、散歩時のマーキング対策に役立ちます。
素材によって使い勝手が異なる
犬用おむつの主な素材は『布製』と『紙製』です。用途や場面に応じて便利な方を選びましょう。
布製は、繰り返し洗って使えるのがメリットです。紙おむつに比べてデザインが豊富で、店舗やネット通販では、カラフルなおむつが数多く販売されています。
一方で、尿の吸収性が低く、湿り気に不快感を覚える犬も少なくないようです。長時間の散歩やドライブでは、防水シートやサイドギャザーが付いた紙製の『吸水パット』と併用して使うのがベターです。
紙製は、1回のみの『使い切り』です。吸水力が高く、長時間の着用でも蒸れが少ないのがメリットです。使用後は丸めて捨てるだけなので、ほとんど手が汚れません。繰り返し使えない分、コストがかさむのが難点でしょう。
犬用おむつの選び方
犬は、犬種・性別・年齢によって体の特徴が違います。愛犬に合ったおむつを選ぶには、何に注意すればよいのでしょうか?おむつのずれや漏れが気になる場合は、『おむつ用カバー』の活用も検討しましょう。
性別に合った形状を選ぶ
オスとメスは、身体的な構造が異なります。市販のおむつの中には、『オス専用』と『メス専用』に分かれているものがあるため、パッケージや説明書きをチェックしましょう。
オスは『バンド型』と『ホールド型』の両方が利用できますが、メスは『ホールド型』しか使えません。メスの尿道口は肛門の下に位置するため、お尻を包み込むタイプでなければ排泄物が漏れてしまいます。
メスのヒート専用おむつは『サニタリーパンツ』とも呼ばれます。排泄対応用のおむつに比べると吸水性は落ちますが、外陰部周辺がしっかりカバーできる上、デザインもおしゃれです。
体に合ったサイズ選びで漏れ防止
ほとんどのおむつには、『適応体重』『犬種の目安』『適応胴まわり』が記載されています。愛犬の体格にサイズが合わないと、排泄物が漏れたり、すぐに外れたりして、おむつとしての機能を果たしません。
犬は犬種によって、体格が大きく異なります。同じ小型犬用のおむつでも『SSS』『SS』『S』に分かれているケースがあるため、サイズ選びは慎重に行いましょう。
また、病気や老化でやせ細ったからといって、尿の量も減少するとは限らないのが実情です。小さなサイズに変えると尿が溢れる恐れがあるので、最初のうちはサイズは変更せずに、ベルトをしっかりと締めて使いましょう。
便利な漏れ防止アイテムも
排泄が困難になったシニア犬の場合、おむつだけでは漏れが心配なケースがあります。特に、長時間装着しなければならない場面では、臭いやずれも気になるでしょう。
おむつ着用時のさまざまな悩みを解決してくれるのが、『犬用おむつカバー』です。カバーは『パンツ』と『サスペンダー』の2種類のタイプがあります。
パンツはおむつの上から重ねてはくタイプで、デザインや色が豊富です。サスペンダーは、おむつ2カ所をクリップで挟み、ゴムベルトを首にかけて着用します。激しく動いてもずれ落ちないため、飼い主の手間が省けるでしょう。
首への負担が心配な場合は、腰側2カ所・胸側1カ所を留める『3点式サスペンダー』がおすすめです。
利便性の高さが魅力の紙製犬用おむつ
紙製のおむつは『使い捨て』ができるのが最大のメリットです。利便性が高い上に衛生的で、ヒート時や介護時のおむつ替えもそれほど苦にならないでしょう。『大容量』や『まとめ買い』でコストを抑えるのがポイントです。
P.one 男の子&女の子のためのマナーおむつ のび〜るテープ付
一般的なおむつは長方形に近い形状をしていますが、P.oneの『男の子&女の子のためのマナーおむつ のび〜るテープ付き』は、股ぐりが大きくカットされています。足まわりに不快感を覚えにくく、見た目がすっきりしているところが人気の秘密です。
ウエスト部分とテープに十分な伸縮性があり、体に沿ってぴったりと巻き付けられるのも見逃せません。シート部分は吸水性に優れた波型で、おしっこをすると『おしっこお知らせサイン』が黄色から青に変化します。
オス・メス兼用で、マーキング・ヒート・介護と幅広いシーンで利用できます。
- 商品名:P.one 男の子&女の子のためのマナーおむつ のび〜るテープ付
- Amazon:商品ページ
ユニ・チャーム ペット マナーウェア 男の子用
ユニ・チャーム ペットの『マナーウェア 男の子用』は、胴まわりに巻き付けて使う『バンド型』です。デザインはチェックと迷彩の2種類で、一見おむつを着けているようには見えません。
生地は通気性に優れており、長時間の装着でも蒸れにくいのが特徴です。吸収体はスリムですが、約6時間分のおしっこをしっかりと吸収してくれます。
隙間にぴったりフィットするギャザーが横漏れを防いでくれるため、普段の散歩はもちろん、旅行やドライブでも重宝するでしょう。サイズはSSS~LLまでの6段階です。
- 商品名:ユニ・チャーム ペット マナーウェア 男の子用
- Amazon:商品ページ
スタイルプラス ペットの紙おむつ 120枚
スタイルプラスの紙おむつは、お尻がすっぽりとカバーされる『ホールド型』です。大容量の120枚入りで、「汚れたおむつはこまめに交換してあげたい」という飼い主の希望をかなえてくれます。
テープ部分には『マジックテープ』が採用されており、何度でも貼り直しが可能です。着脱が容易なため、外出先でもパパッと処理ができるでしょう。
サイズはSSS~Lまでの5段階です。『体重』『胴まわり』『代表的な犬種の目安』を確認して購入しましょう。小さめのサイズは、子犬のトイレトレーニング用としても活用できます。
- 商品名:スタイルプラス ペットの紙おむつ 120枚
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Petio ずっとね 老犬介護用 紙おむつ
排泄が困難になったシニア犬には、『ホールド型』の介護用おむつが欠かせません。『ずっとね 老犬介護用 紙おむつ』の吸収体には『高性能ポリマー』が使われており、尿を瞬間的に吸収します。蒸れや逆戻りが少なく、清潔な状態が長続きするでしょう。
おむつは白色の柄なしで、尿の色による『健康チェック』がしやすいのがメリットです。しかし、どこから見てもおむつなので、散歩のときは上から『おむつカバー』をはかせてあげると見た目がよくなるでしょう。
販売メーカーの『Petio(ペティオ)』は、日本を代表するペットケア用品メーカーです。徹底した管理の下で製造を行っており、品質の高さには一定の評価があります。
- 商品名:Petio ずっとね 老犬介護用 紙おむつ
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