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顎関節症、歯ぎしり、くいしばり、リモートワーク中の姿勢が口腔に与える意外な悪影響

2021.11.20

リモートワークでは、オフィスで仕事をしているときよりも、姿勢が悪くなりがちだ。しかも在宅勤務では、姿勢が悪いまま何時間も作業をし続けてしまうことも。実は、そこには肩こりなどのリスクのほか、かみ合わせが悪くなったり、歯ぎしりやくいしばりなど、歯や顎に悪影響が及ぶリスクもあるという。

そこで今回は日本フィンランドむし歯予防研究会の理事長に、リモートワークで増す、かみ合わせの悪化や歯ぎしり・くいしばりのリスクと予防策を聞いた。

歯科衛生士200人が回答 コロナ禍で患者のニーズが変化

日本フィンランドむし歯予防研究会が、2021年10月に全国の歯科衛生士200人に対して「口腔ケアの実態に関する調査」を行った。

その結果、コロナ禍以前と比べて、歯科衛生士のもとには、口臭、矯正、歯のくいしばりに関する相談が増加したという。

コロナ禍前と比べて、「口臭、口臭予防、口臭対策、口内衛生状態に関する患者さんのニーズが増えた」と感じている歯科衛生士の割合は、約半数の47%。「矯正に関する患者さんのニーズが増えた」と感じている歯科衛生士の割合は、34%、「歯ぎしり、歯のくいしばり、マウスピースに関する患者さんのニーズが増えた」と感じている歯科衛生士の割合は、約半数の54%となった。

Q. 口腔ケアのサービスを利用するお客様についてお伺いします。
 コロナ以前と比べてお客様のニーズが変化したと感じますか?
 (歯ぎしり、歯の食いしばり、マウスピースについて)

また、その他の変化として「テレワークの増加により、これまで平日の昼間にはあまり見られなかった会社員の方の来院が増えた。」との声もあった。

なぜ口臭、矯正、歯のくいしばりに関する相談が増加したのかが、気になるところだ。

在宅勤務の増加が原因?

この調査を解説していた、日本フィンランドむし歯予防研究会 理事長で、日本歯科大学生命歯学部教授の羽村章氏は、特に、半数以上の調査対象者が「歯ぎしり・歯のくいしばり・マウスピース」に関するニーズが「やや増えた」もしくは「増えた」と答えているところに興味を持ったという。そして、その増えた理由は、おそらく「在宅勤務の増加によるもの」だと考えられるそうだ。

【取材協力】

羽村 章氏
日本フィンランドむし歯予防研究会 理事長
日本歯科大学生命歯学部教授。日本歯科大学歯学部卒業。フィンランドトゥルク大学歯学部う蝕学教室に客員講師として留学、「キシリトールの父」と呼ばれるアリエ・シェイニン教授に師事。1997年日本フィンランドむし歯予防研究会を立ち上げ、理事長に就任。日本におけるキシリトールの普及に尽力。一般社団法人日本歯学系学会協議会 理事長。

「在宅勤務では、慣れない環境で長時間に渡りPCやタブレットを使用していると考えられます。自宅でラップトップPCやタブレットを長時間操作することは、前かがみ状態になりやすく、頭部前方位姿勢の原因になります。頭部前方位姿勢とは、いわゆる猫背のように頭が肩よりも前方に突き出した状態です。この姿勢が長く続くと、咀嚼筋や頭頸部の筋肉に異常な筋活動を強いることになり、その結果、肩こりや腰の痛み、そして頭痛を生じるだけでなく、咬合(こうごう/かみ合わせ)にも影響を与えると考えられています。

もちろん、くいしばりや歯ぎしりなどの原因になる可能性があり、歯科医院を訪れる患者さんも増えたのではないかと推察されます」

在宅勤務での姿勢はどう咬合に影響するのか

在宅勤務による頭部前方位姿勢は、なぜ咬合に影響があるのだろうか。また咬合に影響があることで生じるリスクも羽村氏に聞いてみた。

「咬合に影響を与えるとは、『顎関節症』を引き起こす可能性があると考えられるということです。顎は、頭や首についている多くの筋肉によって支えられています。そして顎は、頭にぶら下がっている状態で、支えている筋肉の収縮により噛み合わせの運動を行います。すなわち、噛み合わせは、顎を動かす筋肉の動きにより制御されます。頭部前方位姿勢を長く続けると、首や頭の筋肉に異常な緊張を強いることになり、顎を支えたり動かしたりする筋肉にも問題が生じ、かみ合わせがおかしく感じたり、咀嚼筋に痛みを感じる、いわゆる顎関節症状を引き起こします」

くいしばりと歯ぎしりによって起きる弊害

そしてもう一つ、気になるのが、知らず知らずのうちにやってしまいがちな、くいしばりと歯ぎしり。どんなリスクがあるのだろうか。

「くいしばりや歯ぎしりは、上の歯と下の歯が常に接触している状態です。通常、私たちの上下の歯は、食事や力を入れるとき以外は離れています。上の歯と下の歯が常に接触している状態になると、次のような不具合が歯や口に生じます」

1.歯を支える組織である歯周組織に大きな負担となり、歯周病が早く進行する。

2.常に上下の歯が接触していることにより、歯がすり減り、見た目に影響したり、知覚過敏を生じる。

3.大きな力が加わることから、歯が折れたり歯の詰め物が取れたりする。

4.歯や顎に痛みや違和感を感じる。顎が動かしにくい、かみ合わせが上手くいかないなどの症状が出る。

5.歯ぎしりは大きな音が出ることがあるので、一緒に寝ている人が睡眠に入れなかったり熟睡できない。

6.かみ合わせの筋肉が常に緊張しているため、筋肉の痛みや違和感を生じる。

7.顎関節症の原因になる。

咬合への悪影響・くいしばり・歯ぎしりを予防する理想の姿勢とは?

リスクを知ると恐ろしいものである。ぜひ咬合への悪影響やくいしばり、歯ぎしりを予防したいものだ。仕事をするときの理想の姿勢について、羽村氏は次のように話す。

「厚生労働省の情報機器作業ガイドラインによれば、(イ)椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること。また、十分な広さを有し、かつ、すべりにくい足台を必要に応じて備えること。(ロ)椅子と大腿部膝側背面との間には手指が押し入る程度のゆとりがあり、大腿部に無理な圧力が加わらないようにすること、としています。

具体的には、ディスプレー画面は目線よりやや下で40cm以上離れる、そしてひじが90度以上に開いていることにより、頭部前方位姿勢を防ぎます。

また、仕事時の姿勢が食事の姿勢に影響していることもあるので、食事のときにも前かがみにならないように、イスに深く腰かけて背筋を伸ばし、足を床に付けて顎を引くことにも気を付けたいところです」

その他の対策~ガムを噛む・フッ素入り歯磨剤を使って歯みがきを

姿勢を気を付けるほか、在宅勤務で歯や顎への影響を減らすための予防策について、羽村氏は次のことを挙げる。

●キシリトールガムを噛む

「顎を挙げて首を前に出すような姿勢、いわゆる頭部前方位姿勢では顎が動かしづらくなり、ガムを噛みにくいと思います。ガムがストレスなく噛めることは、姿勢を正す一助になります。キシリトールガムは、口や歯の健康維持にも役立ちます。

また、マスクは歯や口の状態を隠しますので、歯や口の健康状態を気にしなくなる傾向があると私歯大協の調査で報告されています。マスクをしているからこそ、口の健康を守るための唾液分泌を促進するキシリトールガム咀嚼が推薦できます。一日3回、一日量として5g程度のキシリトールを摂取できるように、1回に2粒ずつのキシリトールガム咀嚼が健康習慣として根付くと良いですね」

●朝晩2回のフッ素入り歯磨剤を使った歯みがきを心がける

「在宅勤務中は他人と会う機会が少ないことから、口の清潔や口臭に対して鈍感になります。少なくとも朝晩2回のフッ素入り歯磨剤を使った歯みがきを、いつも以上に心がけてください。また、だらだらお菓子を食べながら、そして、砂糖入りの飲料を飲みながらの仕事は、口や歯の健康に望ましくありません」

●かかりつけ歯科医院でチェックを

「在宅勤務であれば、かかりつけ歯科医へ行くことも難しくないかもしれませんので、在宅勤務状況とご自身の口や歯の健康状態について、かかりつけ歯科医院で調べてもらうのも良い考えだと思います」

リモートワーク、特に在宅勤務の際には、特に姿勢に気を付けよう。

歯科医院には、なるべくお世話になりたくないが、口や歯の健康状態をチェックしてもらうのは良いことだ。暇を見つけて受けてみるのもいいだろう。

取材・文/石原亜香利

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