大阪と奈良を結ぶ道「暗峠」 最大勾配は約40%で、もはや壁!【カブガールが行く】
「ちょっとこれ!ヤバすぎるでしょ!」
思わず大声で叫ぶほどの激坂。ここは大阪と奈良を結ぶ道、「暗峠」。最大勾配は約40%という急で狭い坂道がありながらも、なんと国道308号線、つまり国が管轄する道の一部なのです。
道の酷さから「酷道(こくどう)」と呼ばれ、マニアから人気を集める暗峠へスーパーカブで行ってきました!
はじまりは住宅街
酷道のはじまりは山の斜面に並ぶ閑静な住宅街。それまでは街中を通る2車線のアスファルト舗装だったのが、山に差し掛かるやいなや急な登り坂のコンクリート舗装の道に変わるのです。
あまりに急で狭い坂道だったものだから最初は私道だと思って走っていましたが、ふと見つけた標識には紛れもなく「国道308号」の文字。
まさかこれが…!?という驚きのスタートでした。
ほどなくして住宅は途切れ、山へ向かって出発です。
高度が上がるにつれて気温も下がり、登り始めの時点で10度。天気が雨ということもあって身体がブルっと震えました。
坂っていうよりも、壁!
「コレ………ほんとにヤバいかも!!」
走り始めてすぐに気が付きました。愛車のスーパーカブのギアは1速。当然ひどい唸り声を上げているのに時速20kmも出ません。申し訳なくなってくるのですが2速ではほとんど登れないので苦渋の選択です。
相変わらず道幅は狭く、上から車が降りてこないことを祈りながらゆっくり登るしかありません。
そしてついに来ました、暗峠で一番の激坂!
内側が勾配約40%ということですが…何度か往復してみたものの、勇気がなくて真ん中付近を走ってしまいました。
もはや坂というよりは壁、下るというよりは落ちるといった状態。どうしてこんな道になってしまったの?なんて考えるだけで笑ってしまいます。
苦しいのはバイクだけではないようで、路面には車のブレーキ痕がたくさん残っていました。
カーナビを見て「国道だから安心して通れるはず」なんて思いながら迷い込んでしまった人もいるのかもしれません。想像するだけでかわいそうだなぁ。
そんな酷い道が続く中でも改善はされているようで、道幅を広げたと思われる場所も多々ありました。
しかし見ての通りすぐに狭くなってしまうので、せめてここで対向車とすれ違えることを祈りましょう。
頂上付近には小さい集落があります。つまりこの国道308号線はこの集落の住民の方にとっては生活道。
これだけの坂に囲まれて暮らしているのだから、きっとご家庭に自転車はないんだろうなぁ…。
頂上付近でヤッホー!
頂上付近に来ると50mほどの区間の石畳道があります。これは国道では日本唯一ということで、なんと江戸時代に参勤交代のために敷かれた名残なのだそうです。
大阪と奈良を結ぶ最短の道だったことから、古くは鑑真や松尾芭蕉が通ったと考えられているかなり歴史のある道なのですが…バイクで走るとデコボコ道にハンドルをとられて大苦戦。これが大型バイクだったらと思うと、本当にスーパーカブで来てよかった!!
最後は生駒市の景色を眺めながら奈良側へ下ります。奈良方面も坂道や狭い道が続きますが、大阪方面に比べるとかなり大人しい印象です。
すっかり慣れてしまっていたのもあり、絶景を堪能しながらゆっくり帰路へつきました。
最後に…あれだけの坂が続くのでオススメしにくいのですが、大阪方面の景色も素敵なんです。余裕がある方はチェックしてみてくださいね。
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.