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キャッシュレス決済利用者の6人に1人が不正利用につながるトラブルを経験

2021.11.15

コロナ禍で加速する、キャッシュレス決済への需要。こうした中、不正利用被害につながるリスクも増えているが、どの程度のキャッシュレス利用者がセキュリティへの不安を抱えているのだろうか?

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル Inc.ではこのほど、「キャッシュレス決済利用に関するセキュリティ意識調査」を実施。調査結果とともに、調査結果に対する専門家からのコメントも併せて紹介する。

キャッシュレス利用の増加とともに、高まる不正利用のリスク

■キャッシュレス決済の利用機会が増加する中、フィッシングメールも増加傾向

2018年、日本政府は「キャッシュレスビジョン」を発表し、キャッシュレス決済比率40%の目標に向けキャッシュレス社会への移行を強く後押ししている。さらに、新型コロナウイルス禍で現金による接触を回避する傾向も追い風となり、キャッシュレス決済が普及の兆しを見せている。

本調査においても、コロナ禍以降(2020年3月以降)のキャッシュレス決済の利用状況を尋ねたところ、利用頻度、利用金額ともに、約6割の人が「増えた」と回答した。

キャッシュレス決済が広がりを見せる一方で、不正利用のリスクも高まっている。中でもメールの送信者を詐称した不正なメール(いわゆるフィッシングメール)は、クレジットカード番号やIDやパスワードなどのアカウント情報を盗み出し、不正利用につながる恐れがある。

フィッシング対策協議会のレポートによると、2020年のフィッシング情報の届け出件数は前年比較で約4倍に*1、2021年も引き続き増加傾向が続いているが*2、本調査でも「直近1年でフィッシングメールが増えた」と回答した人は、約2割(18.9%)に及んだ。

さらに、フィッシング協議会の報告では、金融機関やECサイトのなりすまし送信が多い*1と報告されているが、本調査においても、ECモールやメーカー等の自社サイト(DtoCサイト)でのショッピングが増えたと回答した人では、約3割がフィッシングメールが増えたと回答し、その割合は全体平均と比べ、約1.5~1.6倍となっている。

*1:フィッシング対策協議会「フィッシングレポート2021」
*2:フィッシング対策協議会「フィッシング報告状況月次報告書」より算出

不正メールを受信したことがあると回答した人に、なぜ不正メールと気づいたかを聞いたところ、最も多い回答が、「メールのタイトルに身に覚えがなかったため」(58.5%)でした。次いで、「メールの文章の日本語がおかしかったため」(54.7%)となり、メールのタイトルや文章から不信に感じる人が多い傾向にあった。

セキュリティ不安意識は強いものの、お得感でカードを選ぶ傾向に

■セキュリティに不安を持つ人は7割以上、30代・40代の女性は8割以上に

ネット詐欺のニュースが流れることも多い中、キャッシュレス決済サービス会社が提供する不正利用の事前防止体制や被害に遭遇した際の対応や補償といったサービスのセキュリティに不安を抱く人は少なくない。

キャッシュレス決済サービス会社のセキュリティに「不安がある(とても不安+やや不安)」と回答した人は、全体の7割以上(72.0%)に及ぶ。さらに、「セキュリティ上最も安全な決済方法を知りたいか」と尋ねたところ、8割以上(82.9%)が「知りたい(とても知りたい+やや知りたい)」と回答した。

特に、30代・40代の女性、また不正利用トラブル経験者は、いずれも全体と比較して不安感が強く、セキュリティ上安全な決済方法を知りたいと思う意向も強いことがわかった。

■キャッシュレス決済は、6割以上が年会費の安さや特典を重視

今回の調査において、最も利用しているキャッシュレス決済について、下記の項目についてそれぞれどの程度重視した聞いた結果、年会費やポイントに関して回答した人が6割を超えた。

では、クレジットカードをつくるとき、利用者は何を重視しているのだろうか。クレジットカード決済利用者に聞いた結果、上位2項目は「年会費が安いこと(無料含む)」(56.7%)や「ポイントやマイルが貯めやすいこと」(52.0%)で、半数以上の人がお金の節約や特典を重視していることがわかった。

一方、セキュリティに関する「不正利用の防止体制」「不正にあった際の補償や保険の内容」は、いずれも2割を切る回答率で、セキュリティに対する不安が強かった30代・40代の女性や、不正利用トラブル経験者であっても低い回答率にとどまっている。特に40代の女性は「年会費が安いこと(無料含む)」が76.3%、「ポイントやマイルが貯めやすいこと」が63.8%と、全体平均を大きく上回る結果となった。

6人に1人が不正利用につながるトラブルを経験、対応策の認知と行動に大きな差

■不正利用につながるトラブルを経験した人は15.8%。約6人に1人が経験という結果に。

実際に不正利用につながるトラブルを経験した人はどれぐらいいるのだろうか。キャッシュレス決済利用者における不正利用トラブル経験者は15.8%と、ほぼ6人に1人の割合でトラブルに遭遇していた。

■不正利用防止対策の認知と行動にギャップあり、特にパスワード対策には大きな溝が。

キャッシュレス決済を通じた不正被害にあわないためには、利用者自身ができる対策をしっかり講じていることが重要だ。調査対象者に、不正利用を防ぐ対策として「知っていること」と実際に「行っている」ことについて聞いてみた。

最も認知が高かった項目は、「IDやパスワード・暗証番号は誕生日など推測されやすいものは使わない」(81.9%)で、実際に65.5%の人が対策も講じている。次いで認知が高かった項目は、「複数のサービスで同じIDやパスワード・暗証番号を使わない」(66.4%)、「定期的にパスワードは変更する」(62.3%)だったが、この2項目に関しては、実際に対策を行っている人が少なく、全項目の中で最も認知と行動のギャップが大きくなった。

キャッシュレス決済利用者の不正利用に対する対処法認知と実際の行動(認知と行動のギャップの差順)

被害はお金にとどまらない!セキュリティ対応の違いを知ることも防御のカギに

■トラブル経験者の8割以上が、手続きストレスを実感。

6人に1人がトラブルに巻き込まれる可能性がある不正利用被害だが、実際にトラブルに巻き込まれた人は、トラブルに遭遇したとき何に困ると考えているのだろうか。

調査の結果を見ると、最も回答が多かった項目は、「不正に取られたお金を、自分で負担しないといけない可能性がある」の88.7%(とても困る+やや困る)だったが、「再発行の事務手続きが必要」(86.9%)、「決済サービスを利用した自動引き落としなどの変更手続きが必要」(85.7%)をはじめ、いずれの項目も8割を超える結果となった。

この結果から、不正利用のトラブルに巻き込まれると、その被害はお金にとどまらず、手続きをするための負担も多く、心身のストレスを受けることがわかる。

■セキュリティ対応の充実ぶりで、経験者の約6割がポジティブな気持ちに。

不正利用トラブルは心身のストレスをもたらす一方で、決済サービス会社のサポートの充実ぶりが、不正利用経験者の6割にポジティブな感情(信頼感・安心感・継続意向)を引き起こしていたことも明らかになっている。

■決済サービス会社のセキュリティ対応の違いを約6割が理解していない。

キャッシュレス決済サービスは、各社(あるいはサービス)によって、不正利用が起きた際の対応や補償が異なる。また、本人認証や不正利用検知システムなど、事前の防止体制やそのために導入している技術も異なり、事業者のセキュリティへの取り組み姿勢は、こうした点にも表れているといえるだろう。

しかし、調査対象者に各社のセキュリティへの取り組みについて理解しているかを聞いたところ、すべての項目について6割以上の人が「分からない(あまり分からない+まったく分からない)」と回答。セキュリティ対応に関する各社の違いがあまり認識されていないことがわかった。

セキュリティ対応、充実した補償が受けられるサービスを選択することが重要

政府の推進策やスマホ決済の積極的なPRなどが功を奏し、キャッシュレス決済が利用できるシーンが増えました。キャッシュレス決済は便利な上にポイント、キャッシュバックなどの特典も得られることから利用が大きく増えています。事業者にとっても売り上げ増進や現金の扱いが減り合理化につながるなどのメリットがあります。このような状況から、2015年に18%だったキャッシュレス決済比率*が2020年度には30%近くにまで増えています。

ところが、キャッシュレス決済の利用増加に伴い、消費者が不正被害などのトラブルに巻き込まれる事例も出ています。今回の調査結果を見ると、キャッシュレス決済サービスに関して7割の人がセキュリティに不安を持ち、実際に6人に1人が不正トラブルを経験していることがわかります。

このような状況から、消費者がサービスを選択する際にはセキュリティ対策の充実度や、万一被害にあった場合にどのような補償が受けられるのかはとても重要なポイントであることが分かります。しかしながら、消費者はセキュリティ対策よりも年会費が安いことやポイントをためやすいなどの「お得感」でカードを選んでいるという、矛盾した現実も浮き彫りになりました。

キャッシュレス決済には便利でお得という大きなメリットがありますが、消費者が不正被害やトラブルに巻き込まれるリスクにどう対処するかが課題です。年会費が無料のキャッシュレス決済サービスでも、基本的なサービスや一定の補償が受けられるようになっています。

しかし今後は、利用が多い場合や安心してキャッシュレス生活を楽しみたいと考える消費者は、費用を負担してもより充実した補償が受けられるサービスを選択することが重要になってくるでしょう。

※キャッシュレス決済比率:一般社団法人日本クレジット協会「クレジット関連統計」、日本銀行「決済動向」、一般社団法人キャッシュレス推進協議会「コード決済利用動向調査」、内閣府「国民経済計算」よりNRI作成

<調査概要>
調査期間:2021年8月2日(月)~8月4日(水)
調査方法:インターネット調査
調査対象:
Ä.スクリーニング対象 10,000人(人口構成比で回収)から除外職種該当者を除いた9,415人
B.男女20~50代キャッシュレス決済利用者 各100サンプル 計800サンプル
C.クレジットカード不正利用トラブル経験者 200サンプル
※各グラフのn数の対象となる群は、上記のABCとして記している。
※本リリース上のスコアの構成比(%)は、小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならない場合もある。

出典元:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.

構成/こじへい

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