株式？不動産？FIREを実現した人に聞いた上手に資産を形成する投資テクニック

FIREに必要な資産額と達成までの期間を決めた。月々投資できる金額もわかった。では実際にどのように資産を増やしていくべきだろうか。積立投資を行なうなら株式投資1択のようだが、FIREへと導いてくれる資産形成方法はほかにもある。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、ベストなやり方を見極めたい。

評価額が赤字でも根気強く投資を続けられるか？

　今回紹介した3人のFIRE経験者たちはいずれも株式投資で資産を築き上げたが、ほかにも資産を作る方法がある。代表的な方法は上表でまとめた不動産投資と副業だ。

　不動産投資はFIREを目指す手法として株式投資と並びよく使われる。投資先は家賃収入が得られる賃貸アパートやマンションで、銀行ローンを活用して数億円規模の不動産を所有し家賃収入のみで生活できる収入源を得るというもの。

　副業は2010年代から注目されるようになった。YouTubeやブログなどで広告収入を得ることで資産増を目指すが、収益化の道のりが険しく競合も多い。これらはいわば〝一発当てる〟タイプの副業だが、最近はほかにも、Webライターやせどりなど堅実に稼ぐ副業も注目されている。

　3つの手法はそれぞれ、資産を形成するまでの道のりが異なる。株式投資は少額から始められるが、毎月コツコツと積み立てねばならない。コロナショックのような大暴落で評価額がマイナス表示となっても、愚直に投資を続ける精神力が必要だ。

　不動産投資は物件を取得する初期費用として最低でも数百万円の元手が必要となるうえ、銀行の審査を通して不動産投資資金を借りなければならない。審査通過後には所有する不動産のメンテナンスや入居者の管理などの手間やコストもかかるため、株式投資より難易度は高いといえる。

　副業は、ほかの2つよりも始めるハードルは低いが、収益化の手間や時間がかかってしまうので、諦める人も多い。

　アキラさんは、自身が行なっている米国株インデックス投資が初心者にはオススメだと話す。

「サラリーマンとして働いていると、不動産の勉強をしたり副業をしたりする時間はとれないケースがほとんどではないでしょうか。それなら、サラリーマンとしての収入を、ほったらかしの積立投資に回すのが最も堅実だと思います」

　穂高さんのように高い配当金が狙える銘柄を個別に購入し、得た配当金でさらにほかの高配当株を買い足していく手法もアリだが、インデックス投資よりは手間が増え、難易度も上がる。

　いずれにせよ、過度な負担がかからない範囲で計画を立てることを忘れてはならない。

【Q】株式投資は高配当株投資？それともインデックス投資？

【A】どちらでもよいです。複利効果を狙って積み立てるのであれば。米国株投資がおすすめです。

元敏腕金融マン
エルさん

【Q】不動産投資と株式投資はどちらが効率的に資産形成できますか？

【A】海外移住するなら形のない資産、つまり株式の方が有利。大きなメリットを感じるなら国内不動産という選択肢もアリ。

海外経験豊富な元サラリーマン
アキラさん

資産形成方法別のメリットとデメリット

株式投資にメリットが大きいように見えるが、すでに数百万円単位のまとまった資金があるならば、不動産投資のほうがリスクが小さく資産形成できる可能性がある。

取材・文／久我吉史